黒子の美学
ONE PIECEで言うなら、ロジャーよりレイリーが好きだ。好みの問題はさておき、副船長というポジションが好きなのだ。
つまり、トップの右腕的存在、サブポジション。黒子。縁の下の力持ち的な。
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販売の仕事で副店長をしていた時、店長の考える理想の店舗にするにはどうすればいいか、自分はどう動くべきなのか、そんな事を考えていた。
毎月行われる店長会で店長に恥をかかせるわけにはいかない!肩身の狭い思いをさせるわけにはいかない!と、店全体で数字も意識した。
店長が愛されていたので、数字面に苦手意識のあるスタッフでも"店長のためにもみんな頑張ろう!"と言えば意識が上がるだろうと思ったら、それが本当に功を奏した。
一歩引いて全体を見て水面下でバランスを取る事が、当時の私にはとても面白かった。
が、早々に私自身が店長になってしまった。
店長は店長でこれまたとても面白かったが、振り返ってみるとやっぱりサブのポジションに一種の美しさを感じる。
私が店長だった時のサブ(副店長)は、同期入社で同い年で、可愛いけど少し気の強い、頼りになる戦友だった。
私があまり怒らないので、戦略的に彼女が怒る役を担ってくれた。よっぽどの時は私が怒り、彼女がフォローに回る。そういう連携がきちんと取れる人だった。
サブの仕事とは、例えば、船長不在でも意図を汲み取って船を進めるような、そして、表立って褒められる事はないが成果に繋がる小さな事をコツコツしておくような、そんな頼もしさと美しさのある仕事だったように思う。
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例えば、社長が有名な会社は、名物社長的に社長が会社のキャラクターを担い、それを支える社員がいる。世間的にはその社員の存在は知られない。それでも、支える社員の存在はとても尊いものだ。
例えば、バンドで言うとフロントマンはボーカルだ。ベースって、ギターと比べると大きな見せ場もなく地味に思われがちだが、リズムの軸を担っていたりする。
目に見えて" 凄い "ものよりも、見えないところで"凄い "ものが好きなのだと思う。
そういう主張しない奥ゆかしさというか。
歴史に名を刻むような人の裏にいたであろう縁の下の力持ちとかを思うとかなり胸アツだ…‼︎
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今、学生でも起業する時代らしい。
自ら旗を立て周りを率いていく、キラキラと希望に満ちた強き人が多いのだなぁと思った。それはとても素敵な事で、誇らしい行動だ。
しかしそれを見て、羨ましく思ったり、焦りを感じる人も中にはいるだろう。
起業したりフリーランスになる事が取り上げられる情報の海で、私は黒子の美学を語りたい。
影で支える人の尊さを。
私は自分が海賊王になるより、自分が認めて惚れ込んだ人を、海賊王にしたい。
そんな人生も、素敵だと思わない?
サポートとても嬉しいです。凹んだ時や、人の幸せを素直に喜べない”ひねくれ期”に、心を丸くしてくれるようなものにあてさせていただきます。先日、ティラミスと珈琲を頂きました。なんだか少し、心が優しくなれた気がします。