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性被害に遭ったという自覚のないままに通り過ぎて生きていた。

(文章の時間軸が半年くらい戻っていますが、気にせず書きます。)

Dさんに性的な行為をさせられたわたしは、Sさんに何があったのかを話してしまいました。

でもSさんは合意があったと思って、バイトを辞める必要もないし、Dさんも気にしてないと思う、という意味のことを言いました。

Sさんはいい人だと思っていたけど

何日かバイトを休んでしまった。

一人暮らしだったわたしは働かないと食べていけないので、なんとか家を出て職場にたどり着く。

廊下でばったり会ったDさんに「お久しぶり」と言われた。心配かけたかなと少し思っていたけれど、いつもより冷ややかな顔をされた。

何事もなかったかのように図面に向かって作業を始めた。

はかどらないなりに、仕事をこなす。日々を過ごす。

ある日、DさんとSさんとわたしと、作業台の前に三人だけになったことがある。Sさんは話のはずみでわたしに、「Dさんとのいい思い出があるやん」と言った。

この時初めてわたしは声を荒げて、

「わたしが傷ついてないとでも思っているのか!」とはっきりと言った。

この件でわたしが自分の気持ちにまっすぐ向き合ったのはこの時が初めてだった。言葉にした途端に、わたしはわたしが可哀想になった。

でもここではっきりと言ったおかげでSさんは冷やかすようなことを言わなくなった。

何もなかったような顔をしたDさんと同じ職場で働き続けた。

打ち明けたら怒られて

Dさんにされたことは他の誰にも言えなかった。Sさんにはうっかり話してしまったが細かいことまでは話さなかった。

友達のUさんにだけは正直に話した。するとわたしの落ち度を指摘された。

「そんなこと言うから男は、やってもいいって思うんやんか!」

Uさんはわたしを責めるつもりはなかったと思うが、結果的には責められた形になってしまった。

これでもう誰にも言えなくなった。

Dさんは結婚していて子どももふたりいる中年男性だった。

Dさんは普通のおじさんだとわたしは思っていた。悪いことをするような人とは思えなかった。「悪いこと」ではなかったのだろう…。


あまりいいとは言えない職場で働く合間に、介護に行ったり、ボランティアサークルに行ったりしていた。

少しずつわたしの脳味噌には疲れと傷が刻み込まれていったのだと思う。


うつ病の発症は当然の結果だった。




(Dさんとの間に何があったのかは書いたのですが、公開前に削除しました。ごめんなさい。)




【シリーズ:坂道を上ると次も坂道だった】でした。

上っているというより下っているという感じがしますがね。




地味に生きておりますが、たまには電車に乗って出かけたいと思います。でもヘルパーさんの電車賃がかかるので、よかったらサポートお願いします。(とか書いておりますが気にしないで下さい。何か書いた方がいいと聞いたので)