10)お父さんの銀行口座を相続しよう

少し余裕が出来てから

さて。

「死んでから時間が経ってもいい手続き」に手をつけることにしました。

まず父の銀行口座の相続です。

父が他界したことは連絡していたので、後は口座を相続してスッキリさせなければなりません。放置しても問題ないらしいですが、なんとなく、ね。

銀行口座はふたつありました。C銀行とD銀行です。

まずホームページを見て、必要書類などを確認しました。出生から死ぬまでの連続した戸籍謄本が必要だということはわかりました。わからないことがあったので、電話してみると、親切にいろいろと教えてくれました。

実印つくるぞ

まず、わたしの戸籍に関しては、父の戸籍謄本でわかるので不要でした。相続人全員の印鑑登録証明書は必要、とのことです。我が家では2人分です。

遠い昔に、奨学金を借りる時だったと思うのですが、印鑑登録をしたような気がします。でも登録したハンコがどこにあるのかわからず。

C銀行の人が、これからのことも考えて、ひとつ実印を作っておくといいですよ、とささやいてくれました。

調子に乗ったわたしは、母のお金で実印を作ってもらいました。実印は、なんか、かっこいいです。

一方、母の実印は、使っていないハンコをずらずらと並べて、一番見栄えがよくて銀行印ではないものを選びました。

やはり、な印鑑登録

A市役所に行って、窓口で「印鑑登録をしたいのですが」と聞くと、まず身分証明書を見せてくれ、とのこと。障害者手帳を見せると書類をくれて、これを書いて、ハンコは押さずに来てくださいと言われました。

一方、母の身分証明書が健康保険証しかなかったので、印鑑登録が当日には終わりませんでした。

書類を2種類書いて窓口に戻ると、ハンコを預かりますと言われました。渡すと、丁寧に丁寧に書類と、別の何かに職員さんが押印しました。

番号札を渡されて待っていると、窓口からわたしの名前が聞こえてきます。すると、「前に印鑑登録してはるみたいなんですけど」と言われました。やっぱり…、と思いつつ説明すると、印鑑登録廃止届を出すことで、新しい印鑑を登録できました。アホです。

母の印鑑登録については書類が2日後に自宅に郵送されてきました。次の手続きは近所の行政センターでも大丈夫らしく母は喜んでいます。

母本人が手続きをしないといけないので（本人以外の場合は委任状が要ります）、市役所から届いた書類と健康保険証と母の実印を持って出かけました。

まず印鑑登録証（クレジットカードのような形状）を発行してもらって、印鑑登録証明書を発行してもらいました。印鑑登録自体は無料ですが、印鑑登録証明書の発行には300円必要です。

無戸籍だったとは知らず

父の戸籍が出生から死ぬまですべて揃っているのかがどうしても不安で、A市役所の人に言うと、戸籍課の人に全部見てもらうといいと教えてくれました。

すると、父の戸籍はちゃんと出生から揃っていることが確認出来ました。

父が6歳の時の戸籍しかなかったのですが、これが生まれて初めての戸籍だとのことです。6歳まで無戸籍だったのですかと聞いたら、昔はそういうことがよくあったみたいですね、と職員さんはにっこりしました。

6歳の時なので、たぶん祖父母は「学校に行かせないと」と気づいて慌てて出生届を出したのでしょう。わたしのアバウトさは祖父母譲りです。

銀行で口座の相続を

D銀行のホームページをみても、相続に必要なものは同じでした。念のため電話すると、D銀行にわたしの口座（＝相続人の口座）があったので、印鑑登録証明書は必要ないとのことでした。あら。せっかくの実印が。

どちらも窓口に行ったら、まず銀行の人が必要書類を確かめてから、これを書いてくださいと用紙をくれたので、教えてもらいながら書きました。

20分くらい待って、名前を呼ばれます。手続きは完了いたしました、という言葉とともに、C銀行では残高を現金で受け取り、D銀行では、わたしの口座に入金してくれました。

D銀行で入金された金額は6円でした。どういうこと？

以上で銀行口座の相続が無事、終わりました。

銀行の相続が終わって、こういう手続きが自分で出来たということが嬉しかったです。想像していたほどたいへんではなかったのですが、実印を作るのにお金を使いすぎたと反省しました。

相続財産が多かったり、相続人同士の話し合いが必要だったりしたら、手続きがたいへんになるので、専門家でないと難しくなります。残高も家族も、どちらも少なくて助かりました。

法的なことや金額・手続きの詳細については、わたしの場合でしかないのでご了承ください。（全13回）

【シリーズ：お父さんが死んだ後】でした。

イラストは「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。すいかは父の大好物です。毎年夏には2度くらい食べられました。面倒だからと父は種ごと食べていたらしいです。初盆まで知らんかったー。