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ブランドコンセプトを考える

ブランドってどんな風に考えて作っているのか?という話の一例。その前に「好き」と「続けられること」について

好きだから続けられた

木製食器ブランド「KOTUN」
木製花ブランド「kikka」
木製指輪ブランド「kibi」
この3つのブランドを育てて行こうと考え活動していますが、今回はその中のkikkaのブランドコンセプトについて。ブランド作りにおいて「ビジネス的な観点」と「個人的な観点」とがあると思っていますが、まずは個人的な観点について。私の場合は“木“で何を作ろうかなーと考えていて素材ありきなところがあるので、世の中のニーズをゼロベースで考えるとか、デザイン思考で社会課題を解決!とかではなかったんです。自分が好きで作りたいから誰に求められるわけでもなく作ることが出来たし、お金にならなくても好きだから続けることが出来た。結果好きで作っていたものを求めてくれる人が少しずつ増えてきて、というのが今で、とても有難い状況になってきたというところです。

一方で、ある程度時間も経ってくるとビジネス的な観点も考え始めます。ビジネス的と言うと「稼ぐ」という点にフォーカスしてしまうかもしれませんが、ビジネスにはとても本質的なことが含まれています。それは、WHYなぜ、WHO誰に、WHAT何を、HOWどうやってが大事になってくるからです。自分が作るものが、誰にどんな価値を提供出来ていて、これからどんな対価を頂いて自分の活動を継続し、その対価でさらなる価値をいかにお客さんに返していけるか?それはつまり社会の中でどんな役にたてるのか?ということ。そんなことを段々考えるようになってくるんです。

好きだけでは続けられない?

こんなふうに、個人の趣味や好きなことをやっていく中で段々社会的な意義を考え始めるようになるというのは、自然な流れだと思っています。個人的な活動を続けると、どこかで何のためにやっているのか?と自問自答し、好きだからということだけでは活動を継続することが難しくなってくるからです。

ん?

さっき誰に求められるわけでもなく、お金になるわけでもなく、好きだから続けてこれた。って言ってましたよね?

好きだから続けられた・・

けど好きだけでは続けられなくなってくる?

矛盾してない?

んー、ここが難しいところなんです。

私の場合は好きだから続けられたけど、段々声をかけてもらえるようになったのがやり始めて4〜5年くらいです。果たして私は誰にも知られず、認められず10年20年30年と続けられたのか?

社会と繋がる?

誰にも知られずただひたすらに製作をしたヘンリー・ダーガーHenry Dargerという、印象に残っている人がいます。詳しくは検索してもらえればと思いますが、掃除人として働きながら生前誰にも知られずに製作を続け、死後その製作物が発見された人物です。彼が亡くなった後、家の片付けをした大家さんがその価値に気付き発見されたのです。その大家さんは写真家であり工業デザイナーだったらしいのですが、そういう人じゃなかったらゴミとして処分されていたかもしれない、本当に自分だけの製作。そんな人がいる一方で、私はきっと自分がよく出来たと思ったものを作れたら、皆見てー!って言いたくなると思いますし、誰かに喜んでもらえたりすることがモチベーションに繋がると思います。誰にも知られずに彼のように製作出来たかわかりません。誰かに認められないなら、いつかはやめていた気もします。だからこそ、好きで始めたその先で誰かに認められるからこそ、やめずに続けられるのだと思います。

そして、社会(認めてくれる人達)との接点が生まれ、個人的な観点から“ビジネス的な観点→社会的な意義“を考えるようになったわけです。始まりは好きだからだったのですが、求めてくれる人達が少しずつ増えてくると、その人達に何を与えられているんだろう?とか、これからどんなものを作れば喜んでくれるんだろう?とか“他者”と関わることで“個人”を離れて“社会的な存在”になってくるっていうイメージですね。

とはいえ、まずは個人の想い!

長々と書いてしまいましたが、それでもスタートとして大事なことは個人の想い!最初の作りたい!やりたい!の部分。この想いがなければ何も始まりません。もちろん、そこでは社会のためにこれをしたい!とかでも良いですよね。

kikkaをはじめるきっかけ

タイトルがなんかダジャレみたいになってますがたまたまです・・・w

kikka-木花-は、木で作られた花のブランドですが、始めた理由は2つありました。

その1                    子供の頃観た「レオン」という映画で、主演のジャンレノが、幼き日のナタリーポートマンを連れ、鉢植えを1つ抱えて住む場所を変えていました。映画の中での解釈や意味は別として、生活が変わる時にこれだけは持っていきたいと思えるものっていいなーと思ったんです。しかも植物みたいに便利に使えるものではないっていうところがまた素敵だな〜って思ったんです。その印象があって、生活を彩る“飾るもの”で、“時間を共に過ごすもの”、そんな誰かにとっての大切なものを作れればなーと漠然と思っていました。これは私が大事なものや好きなものがなくて、自分の大事なものを見つけたいと感じていたからだと思います。

その2                       大学生の頃普通のバイトはしたくないなーと思って花屋のバイトをしてました。(花屋のバイトが普通じゃないのか?普通のバイトって何よ?というのは置いといてw)その時に花束を作ったりアレンジメントを作ったりして、花を通して誰かに想いを届けたりする体験がとても印象に残り、大人になってから良い体験になってたなぁーと感じるようになりました。こういうのも僕の場合は当時あんまり何も感じてなかったんですが・・汗

そんなこともあり、“花に関わるもの”を何か将来やりたいなーと、これも大人になって漠然と思っていました。

木で花を作ればいいんじゃない?

そんな想いを心のどこかにぼんやりと抱えながら、木を使ったものづくりをするようになって、木で花の置物を作ったらいいんじゃないか?というとてもシンプルな結論に行きつきました。そうしたら・・
“飾るもの”
“時間を共に過ごすもの”
“花に関わるもの”
この3つが繋がる!そう思ったんです。
木の花の置物なら、“飾るもの“であり“花に関わるもの“はOK。“時間を共に過ごすもの“というのも、木には経年変化があるので、長い時間を一緒に過ごす楽しみがある。それに、花が枯れてなくなってしまうのとは反対に、時間が経つことで魅力が増していく木の花なら、通常の時間軸とは違った花を考えられるなーというのもとても面白いと思いました。(花は枯れるところに大切なことがあったり、枯れた花にも別の魅力はあると思いますが)

そんなこんなで木の花の置物を作ろう!作りたい!となりまして、じゃあそんなものは世の中にあるのかな?とも思います。で、調べてみました、すると!アアリッカというブランドに木でできた花があったのです!あーあるのかーと思う反面、かなり形がデフォルメされていたり、着色がされていたりで、僕の思うものとは違う方向性でした。なので、これなら自分なりに追求していけばちゃんとオリジナリティのあるものが作れるはず!と思ったのです。かと言って僕もまだ具体的な形が浮かんでいるわけでもないので、参考にしながら製作に取り掛かっていったのです。結果チューリップの花にはその影響が強く残っているとも思います。

そんな中で、名前はどうしようかなっと考えると・・木の花→木花→kikka わかりやすくてシンプル!となったわけです。さらっと言っていますが、もちろんブランド名を考えることは楽しくもあり、難しいことなので、ああでもないこうでもないと悩みました。でも最後にはとてもわかりやすくて伝わりやすい、そして素直な名前な感じがしたので、kikkaが良いなという結論になったんです。

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これから

そんなこんなで木製花の置物kikkaが誕生しました。チューリップ、ガーベラ、バラ、ヒマワリ、ユリと花の種類も揃ってきましたが、これからも増やしていくつもりです。たくさん集めてもらうのももちろん嬉しいですし、その中に1つでも気に入ったものがあって手にしてもらえたらとても嬉しいです。最初に話していたビジネス的なブランド戦略みたいなものは、あんまり書かなくていいかなーと、書きながら思ったのでそれはまたどこかで機会が有ればということにしておきます。




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