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【MKニュース5月号】禅と茶の実践道場 聚光院伊東別院
【MKニュース5月号より抜粋】
聚光院、その本院は京都にある。
千利休因縁の大徳寺、その塔頭のひとつ。
千住博画伯の襖絵のある書院、禅堂、大書院そして茶室。
瀧、雲龍、波、水の森、砂漠。
それぞれがひとつであり、またすべてがひとつでもある。
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瀧を見ていて浮かぶ方丈記の一節。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし…。
すべてのものは移ろい変わりゆくものだと観じる。
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畳に座り、ただなんとなく眺めていると水が流れているような錯覚。
色が深い青にも緑にも変わるよう。
説明をしてくれた畑山さんにそのことを伝えると、
今度雨の日に来るといい。きっとまた違う観じを味わうことができるよ。
人生にも雨の日もあれば晴れの日もある。
朝が来れば夜も来る。
その時々に見えるものも、その見え方も変わるものだ。
まさに無常観。
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『波』の絵の前に立つ。
寄せては返す波、その向こうにある沖。
過去と今と未来がつながる。
ふと思い出した『カルマの法則』。
学生時代に読んだ本。
輪廻転生。
人は生まれ変わるということを説いている。
おかげで大学時代、心理学で『優』を取ることができた思い出の本。
袖振り合うも他生の縁。
人生という道を行くとき、見知らぬ人と袖振り合う程度のことも前世からの因縁。
学校で教わったのか、テレビの時代劇でも見ていて覚えたのか、
このことわざは子供のころから知っていた。
でも、実は『他生』ではなく『多少』だと思っていて、
多かれ少なかれ道を歩いていれば人と出会う!?程度に理解していた。
それが他生だと知ったのも、このカルマの法則を読んだからだった。
本との出会いもまた他生の縁なのだろう。
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生の向こう側には死があり、死の向こう側に生がある。
波の絵を見ながらそんなことを考えていたら、
畑山さんがここでも一言。
まるで僕の心を読んでいたかのように、
すべては一期一会。
人は縁でつながっている。
縁には悪縁もあれば、良縁もある。
足を引っ張る人もいれば、背中を押してくれる人もいる。
いつでも気にしとくことだ、自分の周りに、後ろに誰がいるか?
でも、ひとつだけはっきりしているのは、
『一生懸命』やっていれば、必ず誰かがそれを見ていて、
きっと手を差し伸べてくれる。
そういうものだから、一生懸命を忘れないことだ。
と畑山さんは優しく語る。
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僕は禅も茶も大して学んではいないけど、
禅と茶の実践道場と呼ばれているココ聚光院伊東別院に今これたこと、
千住博画伯の襖絵に出会い、畑山さんのお話を聞けたことには、
きっと意味があり縁があったのだと実感する。
日々のあくせくした暮らしは、
目の前の起きていることを見過ごして、
頭の中でああでもないこうでもないとネガティブな思考へと引きずり込む。
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たまには、五観に刺激を与えてくれる空間や場所や人に出会って、
普段どこかに置き忘れてしまっている大事なことを気づかせ、
導いてくれる、
そんな『時間』を過ごすことが大事なんだとつくづくと思う。
たまには声に出して祇園精舎を、
ゆく河の流れを詠じてみるのもいいもんだと思うこの頃。
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