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『辺境の老騎士③バルド・ローエンと王国の太子』を読んで

こんにちは、ことろです。
今回は『辺境の老騎士③バルド・ローエンと王国の太子』について、感想を書いていきたいと思います。

『辺境の老騎士』は、著・支援BIS、イラスト・笹井一個のファンタジー冒険小説です。

3巻は、第五部と外伝、そして第六部が収録されており、第五部は7章(7話)、外伝は2章(2話)、第六部は7章(7話)あります。

今回も簡単なマップがついており、それぞれの都市や国がどの位置にあるかわかるようになっています。


最初は、ロードヴァン城で開催される辺境競武会の話です。
ゴリオラ皇国とパルザム王国それぞれから騎士が出され競い合います。
第一部門は、馬上槍。
第二部門は、両手剣。
第三部門は、打撃武器。
第四部門は、盾持ち片手剣。
第五部門は、細剣。
第六部門は、総合戦。
第七部門は、歌。

どの部門も選び抜かれた騎士たちが白熱した試合を見せているのですが、バルドたちが応援しているのは旅の道中で出会ったドリアテッサ。

ドリアテッサは唯一、女性の騎士ということで周りからは冷たい目で見られることも多いのですが、とても強い魔獣の首を取ってきたことにより出場権を得ます。

そして、ドリアテッサが出場するのは、第五の細剣部門。
ここには政治的思惑もあり、ドリアテッサをわざと勝たせるような命令も出ていましたが、果たして試合はどうなるのか。

またシャンティリオンという強敵との戦いも見逃せません。

バルドとカーズは、試合を観戦する代わりに、その部門で優勝した騎士と模範試合をすることになっていて、気が気ではありません。
バルドは第四部門の優勝者と、カーズは第五部門の優勝者と戦います。

この戦いもなかなか面白く、バルドとカーズがずば抜けた武芸を持っていることを思い知らされます。

総合部門で一体誰が優勝するのか、そして第七部門の歌とはどのようなものなのか、ぜひ読んで確かめてみてください。


外伝は、前回バルドと一緒に旅をしていたゴドン・ザルコスの姪に当たるレイリア・ザルコスのお話です。その名も「レイリアの恋」。そのままのお話です。
レイリアは年頃になりある屋敷に行儀見習いに行くのですが、そこの息子に恋をして…というお話です。
けれど、複雑な経緯があり、貴族としての誇りとは何なのか、仕事をするということはどういうことなのかということを学べる回でもあります。
2話しかありませんが、意外な人物との接点もあって、こことここが繋がるのかぁとびっくりしました。
4巻以降の伏線になっているのかもしれません。


第六部は、辺境競武会も終わり、打って変わって政治色の強いお話になっていきます。

ロードヴァン城を離れ王都に出向いたバルドは、パルザム王国の国王と会うためにしばらく待機していました。
そこで久しぶりにジュールラントと出会うバルド。
ジュールラントは、テルシア家に仕えていたときに武芸を教えていた弟子のような息子のような関係性の王子です。

わけあって、テルシアからパルザムの王子となるのですが、パルザム入りしたことにより政権を握っていくことになります。
その政治のやりとりにバルドも巻き込まれていくのです。

ここでは、カーズ・ローエン(昔の名でいうヴェン・ウリル)の過去の話が明かされます。
それは壮絶な過去でした。
またいくつもの伏線が回収されていて、なるほどなぁと感心させられました。
カーズが人知れぬ過去を持ち、深い闇を時折見せていたのも、そういうことだったのだなと思わされます。

バルドの旅の仲間、カーズとジュルチャガも政治の戦いに巻き込まれていきます。

確かな強さを持っているバルドたちですが、果たして強敵揃いの敵国と戦っていけるのか。
巻き込まれているだけのバルドたちの運命は、パルザムで王になっていくジュールラントの運命はどうなっていくのか。
4巻と5巻が楽しみです。


さて、今回の食べたい料理はこちら!
極上の角砂糖
シャンガスのピンクワイン
クジー風壺蒸し
白肉の炭焼き
魔獣の削ぎ焼き
山鳥の辛子味噌漬け

バルドが王都にいる間、お世話になる家があるのですが、そこに仕えている厨頭カムラーの料理が絶品で、いつもとても美味しそうです。
その割にはカムラーが作っていない料理を挙げてしまいましたが(笑)
貴族と平民、最下層の平民、とランク分けされている王都ならではの多種多様な料理が登場していてバラエティ豊かだなと思いました。お菓子も美味しそう。

いかがでしたでしょうか?
それでは、また!
次の本でお会いしましょう~


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