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『14歳の水平線』 〜かけがえのない、一夏の友情

こんばんは、ことろです。
今回は『14歳の水平線』という小説を紹介したいと思います。

『14歳の水平線』は、著・椰月美智子(やづき みちこ)、装画・小幡彩貴(おばた さき)のヤングアダルト小説です。
夏休みに久しぶりに天徳島に遊びに来たことで、中学二年生になる息子・加奈太(かなた)が成長していく物語と三十年前、当時十四歳だった父・征人(ゆきと)の回想物語が並行して進んでいきます。
小説内に登場する天徳島(てんとくじま)は架空の島ですが、沖縄の久高島に似ているようで、どちらも神様が降り立った場所として語られています(モデルとしたかはまでは、わかりません)。

主人公は、桐山加奈太(きりやま かなた)。中学二年生。十四歳。
最近は思春期のためか中二病を発症し、親ともうまく会話ができずにいる。
両親が離婚して、今は父親と一緒に暮らしている(母親とは月に一回会っている)。
いろいろあってサッカー部を辞めてしまった。
父親の故郷でもある天徳島(おばあちゃん家)に三年ぶりに遊びに行き、空きが出た中学二年生男子限定六名の四泊五日のキャンプに参加する。

征人(ゆきと)
加奈太の父親。天徳島の出身。三年ぶりに帰省する。
孝俊、保生、タオと仲がいい。
三十年前、当時十四歳のときに父親を亡くしている。

孝俊(たかとし)
征人の友達。天徳島の島民。留学センターで働いている。天徳島では山村留学を開始し、内地から小中学生を募集している。加奈太が参加するキャンプの主催も務める。

保生(やすお)
征人の友達。天徳島の島民。島にある市役所の出張所で働いている。
加奈太に歳の近い息子、一樹と佑樹がいる。

八木橋タオ(やぎはし たお)
征人の友達。父親が考古学者で、島のことを研究している都合で引っ越してきた。数年後にまた引っ越したので、もう島民ではない。
当時は写真家を目指していたが、今は考古学者になって世界中を飛び回っている。

川口見楽留(かわぐち みらくる)
キャンプに参加する中学二年生の男子。メガネをかけていて関西弁。
兄と弟が有名なサッカー選手だが、自分はテニス部に入っている。
大阪から来た。

平林光圀(ひらばやし みつくに)
キャンプに参加する中学二年生の男子。太っていて、タレ目がいかにも人の好さそうな雰囲気を出している。帰宅部で運動はそんなに得意ではないが、キャンプ中に思わぬ才能を発揮する。
名古屋から来た。

海江田竜一(かいえだ りゅういち)
キャンプに参加する中学二年生の男子。イケメンで、どことなくキザっぽい。
サッカー部に入っており、ポジションはボランチ(ミッドフィールダー)。足が速いことに自信がある。
キャンプ中は大垣、栗木と行動を共にし、加奈太たちにいじわるをしていた。
横浜から来た。

大垣至(おおがき いたる)
キャンプに参加する中学二年生の男子。身長も高く、腕っ節も強い。
サッカー部に入っており、ゴールキーパーをしている。
静岡から来た。

栗木裕也(くりき ゆうや)
キャンプに参加する中学二年生の男子。お調子者のムードメーカー。
サッカー部に入っており、ポジションはフォワード。ちなみにストライカー。
札幌から来た。

八木橋エマ(やぎはし えま)
キャンプ中、島を探索していると急に現れる謎の少女。すごく美人。


加奈太の夏休み初日、父である征人はテーブルにそれとなく置かれていたプリントを見て驚きます。加奈太は何も言ってくれませんでしたが、まさかの今日、学校で三者面談があると書かれているのです。征人は急いで仕事先に連絡して都合をつけました。
学校で待っていると、バレたかという顔をした加奈太がやってきました。
加奈太は最近思春期なのか反抗期で、会話もままなりません。とはいえ、コミュニケーションを拒絶されているわけではなく、むしろ取りたがっているようにも見えるけれど、相反する気持ちがぶつかっているのか態度は乱暴でそっけなかったりします。
三者面談では、担任の先生と仲がいいのか、加奈太は親しげに話しています。成績が下がっていることと、サッカー部をやめたことを父に報告していなかったことをとがめられました。
征人といえば、親子関係が薄れているという加奈太の言葉に反論もできず、最近コミュニケーションは取ってますかという担任の先生の言葉にも何とも返せず、もう少し努力しなければという気持ちでいっぱいです。
夏休みは何か予定はありますかという問いにも、なにもないと答えるしかない親子に先生もどう返したらいいのかわからないようでした。

征人は児童文学作家で、たいていは低学年用の児童書や幼年童話などを書いていますが、たまにヤングアダルトという中高校生向けのものを書くことがあります。小説では書ける少年の心情も、実生活になると息子との距離感はつかめずにいました。
加奈太の母親、つまり妻とは加奈太が中学に上がる頃離婚しました。どちらも親権を譲れずに、結局は加奈太に選ばせることになってしまって申し訳ない気持ちと自分を選んでくれた嬉しい気持ちとが征人のなかにはあります。今では月に一度、加奈太は母親と会っています。
その当時、加奈太は中学受験をしようと勉強を頑張っていたのですが、離婚すると聞き、あっさり受験をやめてしまいました。そのくらい加奈太が傷ついているということが伝わってきました。
だから、加奈太のことはどうやってでも大切にしなければいけないのに、妻の居ない生活に慣れるのに必死で、主に仕事と家事をするだけで一日が終わって、加奈太にかまってあげられる日がありませんでした。最近もずっと仕事ばかりでどこにも連れて行ってあげられていません。

三者面談のあと友達の家に寄って、そのまま夕飯をご馳走になった加奈太でしたが、征人が用意してくれていたごはんも食べるというので、出してあげました。食べ盛りなのか見ていて気持ちいい食べっぷりです。
ずっと見ていると加奈太からこっち見んなと怒られましたが、会話は続きます。
サッカー部やめたこと知らなかったよと言うと、そもそも帰りが早くなって夏休みに弁当もいらないとなると辞めたことに気づかないほうがおかしいと言われ、ごもっともとなる父。息子にぎゃんぎゃん言われっぱなしですが、それでも加奈太が泣きそうな顔で言うので、征人はハッとします。加奈太も「十四歳の少年」なのです。それが大人なのか子供なのか、あるいは両方なのか、距離感がつかめないものの、その不器用な少年の心を見た気がしました。
「夏休み、どこかに行かないか?」と征人は提案します。そうだ、おばあちゃんのところへ行こう! 不安がないわけではありませんでしたが、久しぶりに実家に顔を出すのも悪くはないでしょう。
加奈太もまんざらでもない様子で、「仕事はいいのかよ」と聞いてきます。
「仕事なんてどこに行ってもできるさ」
そう答えると、「……了解」とだけ答えて、自分の部屋に行ってしまいました。
征人はこのときになって、ようやく加奈太が本当は島に行きたかったんだということに気づきました。
まだまだ頼りない後ろ姿。自分も十四歳のときはこうだったのだろうかと思います。
そして征人は、自分がまだ十四歳の頃の夏を思い出します。父の亡くなった、あの夏を。


ここからは、加奈太のパート(章)と征人のパート(章)が色濃くなっていきます。
加奈太は、中二男子限定キャンプの空きが出たということで急遽参加することになり、夏を満喫していきます。
征人のほうは、かつて十四歳だった頃の思い出を追体験していくような内容となっていて、加奈太のパートと交互に進むことで物語が展開していきます。

この天徳島には昔からの言い伝えや古いしきたりなどが現存しており、いまでも何かを決めるときには神様にお伺いを立てることが、おばあたちにとっては大事な儀式となっています。
それを古臭い因習だとして忌み嫌うのか、この島らしい風土だとして大事にしていくのかは、なんとも言えないところのようで、基本的には大事に守っているのですが、観光客を呼んだり、新しい風を吹かせるために、努力しなければいけないことが普通よりも多いことは否めません。
それでも、島に残った人間でなんとか事業を起こそうと頑張っていました。
山村留学制度を作ったのもそのひとつです。
内地から小中学生を募集し、毎年定員には達するそうで、まわりからの関心は集めているようです。
加奈太が参加するキャンプは、この山村留学生たちが夏休みで自分の家に帰っている間、寮を借りてキャンプ生を泊め、いろんな経験をさせようというものでした。

キャンプは四泊五日。財布やスマホなどは主催である孝俊(キャンプ中はタカさんと呼ぶことになっています)に預けることになっており、ごはんはタカさんが作って出してくれますが、掃除などは自分たちでやることになっています。当番制です。
とりあえず、みんなで自己紹介をし、サッカー部所属の三人が意気投合したため、自然と三対三のチームになっていきました。
サッカー部の三人は、海江田、大垣、栗木。
残った加奈太たちのメンバーは、加奈太と川口、平林。だんだん仲良くなって加奈太たちはミラクル、光圀と下の名前で呼ぶようになっていきました。
それは、サッカー部の面々も同じようで、あちら三人も下の名前で呼び合っているようです。
しかし、サッカー部の三人は加奈太たちのことを見下し、メガネやデブなど名前で呼ぼうとはしません。
掃除当番などでも嫌がらせのようにあえて汚して加奈太たちを困らせたり、島の掟を破って泳いではいけないと言われていた神聖な海に入ったり、墓を蹴るなど散々罰当たりなことをしていました。
自転車で島を回るときに鉢合わせたときは、加奈太たちはあまりサッカー部三人に関わらないようにしながら、遊んでいました。

島には大きなガジュマルの木も生えていました。
そこでふいに女の子と出会うのですが、キムジナーかもしれないと加奈太たち三人は不思議がります。
キムジナーとは、ガジュマルの精霊のようなもので、基本は好意的なのだそうです。しかし、木にいたずらをすると末代まで祟られるという言い伝えもあります。
また、墓場に来たときには、ドゥヤーギーという怪物の話にもなりました。
この島はかつて風葬だったので、その死体を食べに来るという噂もありました。キムジナーとは反対でとにかく関わってはいけない存在です。
加奈太たちは恐ろしくなって、泊まっている留学センターまで急いで帰りました。


三十年前、征人はタオという転校生がドゥヤーギーを見たと言っているのを聞いて、孝俊や保生と話をしていました。
しかし、よそものであるタオのことをなかなか好きになれない孝俊は、どうせドゥヤーギーなんて本当は見ていないんだと言い張ります。征人と保生はタオのことが好きだったので、少し信じていたのですが、もうこの話は終わりと言われて解散となってしまいました。

征人は思春期特有のイライラした気持ちを抱えながら、どうすることもできずにいました。そして東京から転校してきたタオのことを思うと、うらやましくて仕方ありません。自分もいつかこの島を出て、東京という大都会でもみくちゃにされて何かを見つけたい。やりたいこととか夢なんて何もないけれど、いつか東京に行ってみたい、そう思っていました。
島でできる唯一の遊びといえば浜で泳ぐことだったり、飛び込みをすることだったので、征人と孝俊と保生は毎日のように飛び込みをしていました。
そうしながら友情を深め、時には話しにくいことも話したりして、自分の思いを聞いてもらうこともありましたし、喧嘩をすることもありました。
途中から転校生のタオも仲間になって、夏休みの宿題を一緒にやったり、タオのお姉さんのことを孝俊が一目惚れしてしまったので、その進展に励んだりと、まあそれなりに平和に時間は流れていました。

しかし、事件が起きます。
いつも一人で漁に出ている征人のお父さんが、漁から帰ってこないというのです。
捜索願いが出され、島のみんなで探しましたが、結局お父さんは帰って来ず、そのまま亡くなったということになりました。
このときほど、征人はこの島の風習に嫌気が差した日はありません。
まだお父さんはどこかで生きてるかもしれないのに、決まりだからと儀式をしなければいけなくなったのです。それは普通のお葬式とは区別され、神様に大漁を約束される生贄の儀式でした。亡くなったことを認めなければいけない儀式でした。
そのときに、タオにあることを提案されます。
それは、征人のお父さんが亡くなったという前提で話が進むため、嫌なら断ってもいいと前置きされましたが、ドゥヤーギーに会って死んだ者を生き返らせる契約を交わす儀式のようなものをしてみないかと誘われました。ドゥヤーギーは死体を食べるという噂もありましたが、死者を蘇らせるという噂もあったのです。
しかし、それにはひとつ条件があって、自分が一番大切にしているものを差し出さなければいけないのでした。それは形あるものでもいいし、ないものでも構いません。一瞬悩んだ征人でしたが、東京に行きたいという強い思いを捧げることで、お父さんを生き返らせて欲しいとお願いすることにしました。

ドゥヤーギーとの契約の儀式はいろいろ手順や決まりがあって、死んでから一週間以内に実行すること、いつもの北側からではなく南側の集落から墓地に入ること、深夜二時半から三時半の間にドゥヤーギーの体毛を手に入れて、それを長龍浜から日の出とともに浜にある白い小石と一緒に流すこと、などがありました。
そして、体毛を手に入れるには、自分の一番大事なものを差し出すこと。
決心した征人はタオと一緒にその日の夜実行することにし、皆が寝静まる頃、誰にも見つからないようにしながら墓地へ行きました。
どんな展開になるかわかりませんでしたが、一応征人は冷凍庫から生肉を持ってきて誘い出すための餌に使おうと考えていました。タオは絶版になっている一番大事な写真集を持ってきていました。征人は体毛と小石を入れる瓶も忘れずに持ってきています。

さあ、ここからなのですが、この本の中で一番スリリングでドキドキする場面となっているため、ぜひとも実際に本を読んで確かめてもらいたいと思います。


加奈太たちは、最後のキャンプで寮ではなくテントを張って、みんなで寝泊りする最後のイベントが待っていました。
しかし、今までの関係性は最悪の状態。このままでは埒が明きません。
タカさんもその状態を知ってか知らずか、バディを組んでテントを張ったり飯盒炊飯することという条件を出し、自分は食材などを置いて帰ってしまって、いよいよ本格的にバトルが勃発しました。
バディは加奈太と海江田、ミラクルと大垣、光圀と栗木という、とてつもなく最悪なものだったので、やってらんねーよと言って案の定サッカー部三人はテント張りもせずサッカーで遊び始めてしまいます。
そこで、いつもの三対三のチーム戦で何かバトルをして、負けた方がテント張りをすることと、加奈太たちが勝ったらちゃんとバディで動くこと、きちんと名前で呼ぶことなどをとりつけました。

はじめは大垣と光圀の腕相撲勝負。
ゴールキーパーの大垣と小さい頃から柔道をしている光圀の腕力勝負でしたが、あっさり光圀の負け。向こうの一勝です。
次は、加奈太と栗木でサッカーのシュート対決です。現役サッカー部でストライカーの栗木と途中で辞めてしまった加奈太とでは実力の差が出てしまうのでしょうか? なお、ゴールキーパーは大垣がハンデとして片手で挑むことと、こちらからは光圀がゴールキーパーをやるということで、光圀の汚名返上にも期待されます。
結果は、加奈太の勝ち! まさかの光圀も活躍し、加奈太ともども良いプレイをしました。
これで、一対一です。
最後は、海江田とミラクルが百メートル走をすることになりました。
自己紹介のときに走りでは誰にも負けない自信があると言っていた海江田。ミラクルはテニス部ですが、運動神経がいいので走るのもそこそこいけるのかもしれません。ですが、結果は……?
なんと、ミラクルの勝ち! どちらもとても速かったのですが、実はミラクルは府大会上位の実力なのでした。
何度やってもミラクルには勝てないとわかったのか、いさぎよく負けを認め、テント張りやバディで動くことを了承しました。名前で呼ぶことも自然とできるようになり、だんだんと仲良くなってきた六人は、結局みんなで協力してテントを張り、ご飯を作り、一緒に遊びました。遊び始めると今までどうしてあんなにいがみ合っていたのかわからないくらい仲良くなって、キャンプがとても充実し楽しいものになりました。

カレーを作って食べた六人でしたが、バーベキューの材料を持ってやってきたタカさん。あんなに食べたのに、中二男子の胃袋は恐ろしいですね。やはりお肉は別腹のようで、もりもり食べてしまいました。
夜も更けてきたので、キャンプファイヤーをやりました。みんなで火を囲んで、好きなタレントのことや学校のこと、部活のこと、いろいろ話しました。
しばらく雑談していると、後ろからぬっとあのガジュマルの女の子が出てきました。サッカー部三人は初対面なので心底驚いていましたが、名前はエマと言って、征人の友人タオの姪、つまりお姉さんの娘なのでした。あれからずっとタオのお姉さんのことを好きでいる孝俊は、その娘エマとも仲が良いのでした。島には孝俊を頼って遊びにきたそうです。キムジナーではありませんでした。

エマはサッカー部三人がしてきた島に対するひどいことを孝俊に報告し、孝俊は怒りましたが、そこでドゥヤーギーの話をすることにしました。
加奈太は、ドゥヤーギーという言葉を聞くだけで鳥肌が立っていましたが、タカさんがリアルな描写で語るのでますます怖くなってしまいました。
それは他のメンバーも同じようで、みんな固まっています。エマだけがしれっとしているのでした。
ドゥヤーギーは生肉をあさりにくるので、バーベキューのゴミもあさりにくるかもしれないとタカさんは言います。
妖怪なんて本当にいるわけないと思いながらも内心ドキドキしている六人は、タカさんが帰ったあとテントのなかでトランプをして遊ぶことにしました。エマも一緒です。トランプをしながらエマがタカさんとどういう関係なのか話したりして、時間は流れていきました。

ミラクルがエマを送って行って、それからなぜか鬼ごっこが始まって、全速力で駆け回ったあと、テントに戻っていろんな話をして、ドゥヤーギーのことなど頭から消えていました。
せっかくみんなと仲良くなれたのに、明日にはもうキャンプはおしまいなのかと思うと切なく、でもその言葉を言ったら反則な気がして、加奈太はぐっとこらえていました。
もう二度と会うことのないメンバーだとしても、天徳島に来て良かった、キャンプに参加してよかったと心から思ったのでした。

朝日がのぼる頃、タカさんが起こしに来て、六人は日の出を見に行きました。
そして片付けをして、寮がある留学センターへ帰ると、キャンプを始める前にタカさんが言っていたこのキャンプ中に見つけたことを話すという決まりがあったので、メンバーは順々に話していきました。
みんなが何を見つけたのかは、ぜひ本を読んで確かめてください。

こうして、加奈太の天徳島での夏が過ぎていくのでした。
征人も昔のことを思い出すことで母親や地元とどう向き合っていけばいいかわかるようになり、三十年で人は変わるのだと言うことを実感します。
そして、島も変わっていきます。
良い風習は残しつつも、消えていく風習はせめて島民に語り継がれながら、良くも悪くも変わっていくことを受け入れ、前に進んでいくしかないのでしょう。

征人は少し素直になって帰ってきた加奈太と話しながら、この島のことを書くことにしました。
一夏の友情を得て少し大人になった加奈太は、東京に戻っても中二病かもしれませんが、少しはやわらかくなっていることを願います。


いかがでしたでしょうか?
天徳島という風習や言い伝えがたくさん残っている自然豊かな島でのキャンプ生活。
精霊や怪物なんかも出てきましたが、一番は少年たちの友情物語です。
思春期特有の複雑な心情などもテーマにあるようなので、そういうところにも注目しつつ読んでいくと面白いかなと思います。
夏をぎゅっと詰め込んだような物語です。

それでは、また
次の本でお会いしましょう〜!













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