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『辺境の老騎士②新生の森』を読んで

こんにちは、ことろです。
今回は『辺境の老騎士②新生の森』について、感想を書いていきたいと思います。

『辺境の老騎士』は、著・支援BIS、イラスト・笹井一個のファンタジー冒険小説です。

2巻は、第三部と第四部、エピローグが収録されており、第三部は第9章(9話)、第四部は第7章(7話)あります。

今回は巻頭に簡単なマップもついており、おおよそですがバルド達がどのような道を進んだかわかるようになっています。


主人公バルド・ローエンは、メイジア領主ゴドン・ザルコスと盗賊のジュルチャガと共に旅を続けます。
はじめは1巻の終わりで仲間になったルジュラ=ティアントという種族の子と精霊を棲家に送り届けますが、そのあと偶然助けることになるドリアテッサという姫騎士がこの巻ではメインとなるキャラクターとなります。

基本的にバルドは誰かを助ける宿命にある気がしますが、ドリアテッサもその一人で、助けたことにより思いがけない展開が起こり、その途中でさらにヴェン・ウリル(のちのカーズ・ローエン)という流れ騎士も仲間になり、この5人は固い絆で結ばれていきます。

森の奥に滝壺があるのですが、そこで過ごす時間というのがこの5人にとって大切なものとなっていくので、ぜひ読んでほしいエピソードです。


バルドの愛馬スタボロスは前回亡くなり、新しい相棒はユエイタンという名の白馬です。以前は白羅王(びゃくらおう)と呼ばれる野生馬で、大勢の野生馬を率いている群れのボスでした。「白くて大きくて速くて強くて、ずる賢い」と言われているほど、大きくて賢く強い馬です。

バルドの剣も折れてしまい、新しい武器と出会うのですが、何の変哲もない村の雑貨屋で買った何の変哲もない武器のはずが、魔剣(エルグォードラ)という特殊な武器だったことに後で気づきます。ちなみにこの剣はおかしな形をしており、鉈剣(なたけん)と呼ばれています。

そんなこんなで馬も剣も強い、仲間も強いパーティーで旅をしているバルドですが、相も変わらず事件に巻き込まれていきます。

前回話したバルドが仕えていたテルシア家と、対立しているコエンデラ家、さらに1巻でも出てきたパルザム王国や今回から出てくるゴリオラ皇国、大オーヴァ川の東西を行き来しながら、たくさんの大領主領や村と関わり、それぞれの国や貴族達の思惑やしがらみに巻き込まれつつも、同時に仲間達の新たな一面を見たり一筋縄ではいかない闇や事情をそれぞれ抱えていることにも気づいていきます。

仲間だったゴドン・ザルコスは、ある事件のため自分が治めているメイジア領に帰還し、その後始末もあるため、バルド達とはお別れすることになります。
この時のゴドンの領主たる姿は必見です。


歳を重ねて60歳になるバルド。
彼が、若い仲間や相対する貴族達に何を思い、何を語り、どう示していくのか。
心の中で語るに留めるときもあれば、騎士として稽古をつけてあげるときもあり、年の功で導くときもあれば、若い者の未熟さを敢えてそのままに突き進ませるときもあります。
経験しないとわからないこともあるからです。

バルドだけではありませんが、「強い」とはどういうことなのか考えさせられたりします。優しさや厳しさが伴うこともありますし、正しさとは何なのかということと同義なこともあります。

何かを導き守る立場にある者の思慮深さと胆力は、清らかな国や人を作る上で確かに必要なものだなと思います。


さて、今回の食べたい料理はこちら!(唐突)
イゥエン・ナー・オプのコチュ
チャゴと炒りプランのスープ
コルコルドゥルの油ゆで
揚げカスゴのワイン・ビネガーあえ
プリックの漬物
スイフ鳥のぶどう焼き

ではでは、また!
次の本でお会いしましょう~!

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