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カレーのこと

以前にも軽く触れたけど、昔好きじゃなかった料理としてカレーがある。

私は『母が作る』カレーが苦手だった。いろんな野菜がたっぷりと煮込まれたドロドロのカレー。
美味しい、でもなんとなく重く感じていた。大嫌いではないけどカレーの頻度が上がるほどテンションは反比例して降り続ける、みたいな感じ。

そしてなぜか学校で出る薄い給食のカレーが好きだった。カレールーを節約したようなシャバッと水っぽいことが多かったのだけどそれがちょうど良く美味しく感じた。

大人になって初めてスープカレーを食べて
(…っ!?)と大興奮してしまった。
こんなにシャバシャバしたカレーが存在するなんて!どストライク!!
もちろん欧風カレーも大好きなのだけど、たまに食べるから美味いんよね〜という気持ちが強い。

実家を出てからじょじょに自分好みのカレーが判明して、必ず買っていたカレールーをカレー粉にし、カレー粉も何種類も試し、さらにスパイスカレーを知り感動し、今ではカレー粉もやめた。

ある日のことりカレー

家でスパイスを揃え、調合してカレーを作っている。
これを人に言うと相手の一言は『本格的だねぇ』
いやいや、全然そんなことはない。
その辺のスーパーやなんなら100円ショップで買えるようなスパイスがメインだ。それも一度に使う量はたいしたことないので一度買えばかなりの期間もつ。

鍋でご飯を炊くことも、カレールーを使わずカレーを作ることも、やったことない人からすれば本格的に聞こえるかもしれない。
でもやってみたら意外と簡単である。そして奥深く面白い。

誰に教わったわけでもないので最初はわからないことが多くネットで『スパイス カレー』を検索しまくった。
いろんな先生のいろんな知恵が学べてとても参考になった。でも基本は大抵同じようなことが書いてあるので、慣れてくると自分の感覚でスパイスを扱えるようになる。

クミン○g、ターメリック○g…のような配合もあるけどキッチンスケールを持ってないので配合は目分量だ。ザ・適当!
適当でも案外美味しいカレーができるのである。

一時期やってた写真にイラストを合わせる練習

先日久々にカレーを作った。
カレーから少し離れていたのだけどその理由はただ一つ、玉ねぎが高いこと。
カレーを作る最初の段階でみじん切りの玉ねぎで自家製カレーペーストを作る。これは便利でまとめて作って1週間程度は保存できるし、それ以上なら冷凍するようにしてる。
だけどスーパーに行くたび玉ねぎが高いので私のカレーに対する情熱の火が値段を見るたび鎮火するのだ。

でも玉ねぎを使わなくてもカレーはできるわけでお裾分けで沢山大根をもらったので『大根の和風キーマカレー』を作ることにした。
ホールスパイスとパウダースパイス、大根、炒めて冷凍していた挽肉で適当に。

大根キーマカレー

キーマカレーの良いところは素早く仕上げられるところ。長時間煮込まなくて良いので楽ちん。
大根×カレーは人によっては嫌悪感があるかもしれないけど細かめに刻んでしまうと見た目も味も気にならない。デカ目のおでんのような大根が入ってるのは私も最初抵抗があった。

今ではそれもアリ!となってきてむしろいろんな食材の組み合わせの面白さを楽しむ方が実験のようで楽しいと思えるようになった。
昔すりこまれた正しいカレーライスの呪いから解放されたらとても自由になった。

鍋で米を炊くことも、スパイスでカレーを作ることも、全部含めて料理は実験のようだな、と思う。
ワンプレートで副菜も一緒に盛れるのも楽しい。
ほかほかごはんにカレー、簡単な和物やサラダ、らっきょにゆで卵。
楽しみながら配置して完成したカレーは私のささやかなごちそうなのだ。

何事も過程を楽しめるといいなぁ。
人に趣味を聞かれたら『カレー実験』と答えてもいいかもしれないな、と撮りためたスマホの自作カレーを見て思うのであった。

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