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クリスマスごはんのこと

今年の12月は23日にちょっといい和食屋さんで贅沢ディナーをした。

和食大好き

お刺身盛り
たら菊酢
カキフライ
ニシンと海老芋の炊き合わせ
胡麻豆腐、ぎんなん etc.
〆の土鍋ご飯と筋子

クリスマスなんも関係ない。ただただ美味しい和食である。和食大好きなので最高の夜だった。

お酒はビールから始まって日本酒で十四代、伯楽星、綿屋など。この和食屋さんだと毎度カウンターに座って親方の丁寧な仕事を見るのが楽しい。人気店なのでいつも忙しそうではあるが、合間に親方とおしゃべりするのも贅沢。そして全てが本当に美味しくて細やかで何度行っても感動する。

イブはお昼にお蕎麦を食べた。
お蕎麦も好きで、一定の期間があくと何故かわからんけど激しく蕎麦が食べたくなる。
昔はそんなことなかったのに2ヶ月に一回くらい自然と蕎麦!蕎麦!と騒ぎ出す。体が求めるとはこういうことなのだろう。

私はそもそも『クリスマス』というイベントにさほど興味がない。昔はどでかい肉を食べたいとかもあった気もするがここ数年はめっきりそういう気持ちにもならない。
ターキーは食べたことがないので食べてみたいけど、わざわざ混み合うレストランに行って食べるような体力を使うことをしたくないなぁと思ってしまう。

『異国のママンがバカでかいお肉をおうちのオーブンで焼いてみんなで食べる』そんな集会があったら参加してみたいな、とは思っている。
ただその為に異国に行くつもりもないので、たまたまそんなママンが近所に住んでいて何故か仲良くなってホームパーティーに参加する権利を獲得する…みたいな妄想になってくるのであまり現実的ではない。そんな都合のいい話、ないと思うし。

イブの夜はお出かけから帰宅して、ちょっともう自炊する元気もなかったので生協でお惣菜を買った。
売り場にはクリスマお約束のチキンレッグが半額になって大量に並んでいた。
お寿司があればなぁ、と思ったのだけどお寿司やお刺身は綺麗に売り切った後のようでチキンレッグだけが悲しそうにひしめき合っている。

まぁ、せっかくだからね(半額だし)と無言のチキンレッグをひとつ、連れて帰ってレンジでチンして食べてみた。表面は照り焼きのような、よくある感じで先端に申し訳なさそうな白いペーパーの飾り?がついている。

こういうチキンってかたくて食べにくいんだよなぁ…と思いつつナイフで適当に切り分けてつまんでみた。
これがなんと、柔らかくて美味しかったのである。あれ、思ったよりかたくないなぁ…ホロホロ程ではないけれど、ナイフを入れると骨と身も意外と簡単に外れて今まで食べたお惣菜のチキンレッグの中で一番美味しかったと思う。

一度圧力鍋などで処理をしてから味付けして焼いたような感じだ。
昔のイメージの『思ったより美味しくないクリスマスのチキンレッグ』で挑んでしまったので想像の何倍も美味しく感じた。期待して食べたら固いゴムみたいなお肉ってつらいよね。

ゴムみたいなお肉、といえば思い出す料理がある。
小学生の頃の給食でクリスマスにだけステーキの特別メニューがあった。
私含め、子供たちはわーい!と喜んでクリスマスステーキをひとり一枚、お皿に盛り付ける。
今思えばペラペラで冷えたステーキなのだけど、年に一回の特別なオカズなのでクラス中が盛り上がっていたと思う。

いつもより弾んだ声の挨拶で給食を食べ始めたのだけど、そのお肉はかたくてかたくて味も無かった。
タイヤ……?
かたすぎて噛みきれない、飲み込めない。
子供心に食べ物じゃないものを噛み締めてる気持ちになった。
給食なのでかなりしっかり火を通してあってガチガチだったので仕方なかったとは思うけど。

クリスマス、年一回の特別メニュー。
期待が高まりすぎた私は無言で目の前のタイヤの断片を見つめる状態になってしまった。

タイヤステーキ、小学生の頃2回ほど食べたけれどあんなにかたいお肉は今の時代ならすぐ炎上しそうだな、と思う。
私のクリスマスの料理にまつわる思い出不動のナンバーワンだ。

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