ことばの発達【4歳・5歳・6歳】
0歳・1歳・2歳・3歳のことば発達の続きとして4歳から就学するまでのことばの発達についてお話しします。
5歳の子どもになると日常生活での会話が出来始めていると思います。(5歳の時期は幼児後期とも言います。)
3歳くらいの会話では話を聞いてみるとイマイチ話が通じないことがあったかと思いますが、その頃と比べるとだいぶ話が上手になっていると思います。
5歳になるとひらがなの読み書きができる子どももいます。
そんな就学に向けての段階で必要なポイントを紹介します。
4歳・5歳のことばの発達のポイント
話の理解力を深める
話の理解力を深めるってどういうことでしょうか?
「◯が欲しい」など2〜3歳の話言葉は実際に目の前にあるものに対して言葉を発することが多いです。
しかし、4〜5歳の子どもになると目の前にないことを話言葉にする能力が求められてきます。
例えば保育園や幼稚園での出来事を話すこと、来週の予定など。
特にこのような時間を示す言葉や「どこで」「何を」のような5W1Hの理解力が求められてきます。
そのため日々の生活の中で
「どこで」=人
「何を」=目的物 の会話を取り入れて見ると良いかもしれませんね。
時間を示す言葉は時計やカレンダーを使って実際に見せてあげるとことばの発達である理解力が深まります。
自然な会話を身に付ける
やりとりの中で会話のキャッチボールが頻繁になっているかと思います。
話自体も1文で終わることはなく、2文以上連続して会話をしているかと思います。
1文→みかん美味しかった。
2文→みかん美味しかった。それに大きかった。
3文→みかん美味しかった。それに大きかった。でも食べきれなかった。
↑のように「それに〜」や「でも」のように言葉を付け加えて自然な会話が出来るように意識してみましょう。
ひらがな習得に向けて
就学に向けて意識し始めるとなるとひらがなを思い浮かべる人がいるのではないでしょうか。
ひらがなに興味が出た子どもはもっと早く読めることが出来る場合があります。
しかし5歳になるとひらがなが読めるようになってくることが多いです。
そしてひらがなの習得には順番があります。書けるようになるには読めるようにならなければなりません。
そしてひらがなを読めるようになるには言葉の音を意識する必要があるのです。
ひらがなは1文字=1音の関係性にあります。
この音を意識するためには、
“言葉が何文字か” みかん=3文字
“最後の文字は何か” りんご=ご
このように音を意識した音遊びに取り組むとひらがな学習に役立ちます。
まとめ
4〜5歳の子どもは日常生活での会話の中からことばの発達が進んでいきます。
思い出話や未来(将来)についても少しずつお話出来るようになってきます。
そしてひらがな学習のように就学に向けての準備も始まっていきます。
この就学前準備は子どものレベルに合わせながらゆっくりやらないと苦手意識が染み付いてしまうので子どものペースに合わせて準備していきましょう。
6歳のことばの発達のポイント
6歳はまさに学童期です。
これから学校を始め数多くの学習が始まってきます。
5歳までのことばの発達をフル活用して新しい学習に取り組む段階となります。
文の学習
6歳での文の学習(ことばの発達)として躓きやすい所は、受動態と言われる部分です。
受動態とは対照的な言葉として能動態という言葉もあります。
能動態・受動態は以下のようなものを言います。
能動態→〜が〜する
受動態→〜が〜される
能動態は馴染みのある文であり、日常生活でよく使われる文であるかと思います。
一方で受動態は名前の通り「〜される」という受け身的な文となります。
6歳の子供はこの受動的な文に対して躓くことが多いのです。
能動態→AがBを叩いた
受動態→BがAに叩かれた
能動態と受動態は異なる文法体系ですが、どちらも意味は同じです。
文は違うのに意味が同じという部分が子供にとってわかりにくいポイントのようです。
説明する能力の獲得
5歳のポイントに5W1Hのようなことばの発達の大切さを示しました。
6歳ではその5W1Hの回答に加え、実際の目の当たりにしていない状況に対して説明できなければなりません。
例えば
なぜご飯を食べるの?→お腹が空くから。
この問いはご飯を食べなければお腹が空くことを知っているからですね。
しかし
なぜ泥棒を見かけたら警察を呼ぶの?
→悪い人を捕まえないといけないから
この問いは泥棒という普段見かけない状況です。(泥棒という概念が学習していない場合)
このような場面を想像して考えなければこの問いには答えられません。
実際には
泥棒=いけない人
警察=いけない人を捕まえる人
このような概念をつなぎ合わせて考えなければなりません。
ひらがなの習得
6歳になるとひらがなの読み書きが出来るようになっている時期です。
数字の読み書きや概念も習得しなければなりません。
ひらがなの読み書き習得に躓いてしまうと国語の授業のみならず他の授業に対しても理解することが難しくなってしまいます。
ひらがなの読み書きを習得できるようになるためには音遊びを取り入れると良いかと思います。
まとめ
この時期は就学として新たな学習に取り組んでいきます。
この時期に躓いてしまいやすいポイントは“語彙力”“説明する能力”“ひらがな”が圧倒的に多い印象でした。
そのためこれらのポイントを意識した学習がことばの発達において大切なことかと思います。
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