生成AIとインスタ投稿〜言語学的知見でアイディア不足と時間不足を解決〜
生成AIと協力して、インスタ投稿
InstagramなどのSNS投稿を初めてみたけれど、なかなか続かなかったり、いつも似たような投稿になってしまってマンネリ化してしまっている。そんな悩みの解決手段として、生成AIが活用されるようになってきました。今回の記事では、インスタなどのSNS投稿を生成AIに手伝ってもらうときに、生成AIとどう話せば良いのか説明します。前回投稿した「生成AIを使って文章を編集してみよう」と一緒にご覧ください。
生成AIと投稿する?
Instagramに投稿する際、写真や動画に添えるキャプションの作成に関して悩みを抱える人が多いと感じられます。キャプションは写真や動画に深みや文脈を与える重要な要素であり、投稿の魅力を高めるためには欠かせません。継続的に効果的なキャプションを作成するために、以下のような悩みは早急に解決したいものです。
アイディア不足: 写真は準備できているものの、適切なキャプションが思い浮かばないことがあります。考えたキャプションがありきたりで、他の投稿と似通ってしまうこともしばしばです。
時間不足: 魅力的なキャプションを思いつくことは時間を要する作業です。最初は質の高い投稿ができても、時間が経つにつれて同じレベルの内容を維持するのが難しくなることがあります。
生成AIを利用することで、アイデア不足の問題を解決し、時間を節約しながらインスタグラムへの投稿が可能になります。生成AIを使って、あなたの写真に深みを与えるメッセージを織り交ぜ、フォロワーを引きつけるキャプションを作成しましょう。
例えば、次のようなシチュエーションを考えてみましょう。あなたは以下の写真を投稿する予定であり、そのためのキャプションを考案中です。
この画像を、GeminiやChatGPTといった生成AIに見せて、キャプションを考えてもらうと、例えば以下のような案を提案してくれます。
これらのキャプション案は、複雑なプロンプトを書いて作成されたものではありません。Geminiはカフェのお客さん視点で、様々なアプローチを考慮して複数のキャプション案を提案します。一方で、ChatGPTはカフェの店長がInstagramに投稿することを想定したようなキャプションを提案しています。キャプション案に行き詰まった時、生成AIはアイディア出しのお手伝いをしてくれます。
生成AIを活用してキャプション案を作成し、さらに磨きをかけて、アイディア不足の時も、時間がない時でも、インスタ投稿を続けられるようにしましょう。
Instagram投稿の言葉の選択肢と選び方
では、生成AIを活用してインスタ投稿文を考える際に、どのように生成AIと話すのが良いのでしょうか。ここでは、前記事と同様に、『生成AIスキルとしての言語学』で紹介している言語学的知見を使って、Instagram投稿に生成AIを活用するための対話法を見ていきましょう。
選択肢1:まずはシンプル
まず、一番シンプルな話し方は、以下のように、生成AIに指示として「この画像をインスタグラムに投稿しようと思ってます。投稿文を考えて」と伝え、画像と一緒に生成AIに伝える方法です。まずは、シンプルなプロンプトからスタートしてみましょう。
単に「この画像をインスタグラムに投稿しようと思ってます。投稿文を考えて」という指示を出すだけでも、生成AIは"よしなに"キャプション案を考えてくれます。先ほどのGeminiとChatGPTの編集例も、「投稿文を考えて」と伝えただけで、生成されたものです。
なお、GeminiでもChatGPT (現在ChatGPT4では対応)でも、画像をアップロードするには、プロンプト入力欄にあるアップロードボタンを押すだけで、テキストと一緒に画像をプロンプトに含めることができます。
選択肢2: アカウントの背景や趣旨を生成AIに伝える
しかし、Instagramで投稿する際には、フォロワーの心を掴み続けられるように、複数の投稿を通じて一貫したテーマやメッセージを持つことが重要です。そもそもインスタ投稿とは、トピックやフォロワー層、投稿する目的を考慮して、自分の気持ちやメッセージを表現し伝えるための行為です。したがって、自分のインスタアカウントの背景や趣旨に応じて投稿案の方向性を調整することが、フォロワーに響く投稿文を作り上げることにつながります。
トピックやフォロワー層、投稿する目的のような背景、もしくは、「コンテクスト」を伝えてあげることで、生成AIのキャプション案の方向性を調整してあげることができます。ここでも、『生成AIスキルとしての言語学』で紹介されているコンテクストを生成AIに説明するためのテンプレートを利用して、生成AIにインスタ投稿の背景について、話してみましょう。この本で紹介されているテンプレートは以下の通りです。
では、背景の説明をしたうえで、生成AIにキャプション案を考えてもらいましょう。ここでは一例として、以下のように[ ]を埋めてみました。[ ]に入れる文言に合わせて、少しテンプレートもいじってあります。自分でも、テンプレートの[ ]に、様々な表現を入れて、どのように生成AIのキャプション案が変わるのか、試してみてください。面白い組み合わせが見つかったら、ぜひ、共有してください🐈⬛。画像は先ほどと同じものを使用しています。
まずは、Geminiで試してみましょう。
次に、ChatGPTでも試してみましょう。
GeminiとChatGPTで、投稿文から受ける雰囲気はだいぶ異なっていますが、ともに、背景やお店の趣旨を考慮した上で、キャプション案を考えてくれています。記事冒頭で提示したGeminiとChatGPTのキャプション案と比べてみると、状況設定を伝えたことで、提案されるキャプションの方向性が調節されていることがわかります。
なお、カフェなどのお店や場所を含むプロンプトを作成する場合、Geminiは拡張機能でGoogleマップと連携して回答を生成する場合があります。もし、Googleマップとの連携が必要ない場合は、マップの拡張機能をオフにして、回答を生成してみましょう。
選択肢3: 例を伝えて、さらに投稿間の統一感を
生成AIに背景と趣旨を伝えることで、キャプション案の方向性を調整できましたが、今まで書いてきた投稿文とはスタイルが違ってしまっていて、既存の投稿との一貫性が保てなくなってしまう場合があります。それでは、生成AIにキャプション案を出してもらっても、利用しにくいこともあるでしょう。
既存の投稿文と一貫性のあるキャプション案を生成AIに考えてもらいたい場合は、プロンプトに既存のキャプション例を付け加えて、生成AIに伝えましょう。例えば、既存の投稿では、カフェの看板わんこ「むぎ」ちゃんの視点で、キャプションを作成していたとしましょう。「むぎ」視点のキャプション例をプロンプトに追加してみます。
このプロンプトに対して、GeminiとChatGPTはそれぞれ、例を参考にしつつ以下のようにキャプション案を考えてくれます。
「ワン」を文末表現として使ってくれていないので、続けて「文末をワンにして」とお願いすると、以下のように編集してくれました。
もっと挑戦、インスタ投稿プロンプトスキル
本記事では、生成AIを活用してインスタ投稿のキャプション案を作成するための生成AIとの話し方について説明しました。生成AIを活用することで、アイデア不足の問題を解決し、時間を節約しながらインスタグラムへの投稿ができるようになります。ちょっと投稿が滞ってしまいそうなときに、試してみてはいかがでしょう。
ここで紹介した以下の3つの選択肢「まずはシンプル」「アカウントの背景や趣旨を生成AIに伝える」「例を伝えて、さらに投稿間の統一感を」はSNS投稿文アイディア出しプロンプティングの出発点です。この他にも、例えば以下のような選択肢が活用できます。
選択肢4: キャプションのスタイルに条件をつける(絵文字のみで作成)
選択肢5: 大好きなインスタグラマーさんのキャプションを参考にする
選択肢6: 生成AIとの対話を通じて、徐々に編集(例「文末をワンにして」)
選択肢7: 写真のどこに注目したキャプションにしたいか伝える
生成AIの力で、写真に秘められた物語を解き放ち、フォロワーの心を揺さぶるキャプションを紡ぎ出しましょう。AIとの共創で、あなたのメッセージを届けましょう。
参考文献
佐野大樹 (2024) 生成AIスキルとしての言語学 かんき出版
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