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和歌・年の暮れにあなたとの出会いを思う

「隔て行く世々の面影かきくらし
雪と降りぬる年の暮れかな」藤原俊成女
(数々の時を経て出会い過ぎ去っていた人たちの面影をかきくらすように、雪が降る。そんな年の暮れかな。)

今年ももう、年の湊(みなと)。

2020年もたくさんの人との出会いがあった。


こうして年を重ねるごとに
たくさんの出会いがあるが、
同時に自然と会わなくなった人たちもいる。


むしろ、長い間一緒にいられる人のほうが少ない


長い人生を思えば、
ほんの一瞬だけ
かりそめのように一緒にいるに過ぎないのだ。

まるで
通り雨が降り止むのを待つ間だけ、
同じ宿の下で過ごすように。


この歌の優しいところは、
これまでの人生で過ぎ去っていった人たちのことに想いを馳せているところ。

想い出はすべて、静かに降り積もる雪の中に消えてゆく。

それを詠者はただただ見つめている。


出会いというものはとても不思議で儚くもあるけれど、だからこそ美しい。


2020年、出会ってくれたみなさんありがとう。

あなたと出会えて良かったです。

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