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和歌・春よ、来い

「冬ながら空より花の散りくるは
雲のあなたは春にやあるらむ」
古今和歌集・清原深養父(きよはらのふかやぶ)

冬だけれど空から花(=雪のこと)が舞い散るのは、雲のかなたは春なのでしょうか


世界のすべてを包み込むように、
しんしんと雪が降った。


百花繚乱の花が咲く春が
わたしには待ち遠しく、
春の花に毎日想いを馳せているくらい。


もしも
この真っ白な雪が花であったなら、
この雪ぐれの空のかなたが春であったなら…


雪は美しく、
息を吐く寒さも愛おしく思えてくる。

この冬を越えて
春よ、来い。

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