和歌・あなたのように冷たい雨
「数々に思ひ思はず問ひがたみ
身を知る雨は降りぞまされる」
伊勢物語
(あなたはわたしを想ってくれるはず、
いや想ってくれていないわ…と
あなたに聞けずにいると、
わたしのこの寂しい身を知っているかのように雨がますます降るのです。)
雨でわたしのもとへ来れないというあなた
それは言い訳ではなくって?
わたしはこんなにもあなたを恋しく想っているのに…
冷たい雨は、わたしのこの寂しい身のほどを思い知らせるように降り続ける…
まるであなたのように非情な雨。
そしてその雨は、わたしの涙となって頰を伝っては流れてゆくのです。
つれないお方に恋をしてしまったものです…
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