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古今和歌集

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#詩歌

和歌・夏の物思い

夏の物思い まるでわたしは蝉のよう。 昼はあなたを想って泣き暮らす。 声が枯れるまでいつま…

lily
3年前
9

和歌・切ない夜の恋涙

「夢路にも露やおくらむ  夜もすがら通へる袖のひちて乾かぬ」  古今和歌集・紀貫之 (夢の…

lily
2年前
9

和歌・あなたがくれた愛を噛み締めながら

「あはれてふ言の葉ごとに置く露は  昔を恋ふる涙なりけり」  古今和歌集・よみ人しらず あ…

lily
3年前
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和歌・恋の炎に身を焼き尽くされる

飛んで火にいる夏の虫を なんて愚かなのかと人は言うだろう。 さりとてわたしも同じこと。 …

lily
3年前
16

和歌・この恋のためだけに生きよう

「郭公(ほととぎす)鳴くや五月のあやめ草 あやめも知らぬ恋もするかな」 古今和歌集・よみ人…

lily
3年前
9

和歌・舞い散る桜

「久方(ひさかた)の光のどけき春の日に   しづ心なく花の散るらむ」  古今和歌集・紀友則…

lily
3年前
11

和歌・桜に心奪われずにはいられない

「世の中に絶えて桜のなかりせば   春の心はのどけからまし」  古今和歌集・在原業平 (この世の中に桜がなかったのなら、人々の春の心はのどかなものであるだろうに)  毎年、桜の季節が近づいてくると 花が咲くのは今か今かと 人々の心はせわしなくなる。  いざ花が咲くと なんて綺麗なのだろうと魅了され、 人々の心は浮き立つ。 桜の命はとても短いので、 散り始めると 人々は名残惜しさに まだまだ散らないでくれと哀願する。 桜の花がなければ、 人々の春の心は

和歌・夢の中で逢えたあなた

「思いつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」 古今和歌集・小野小町 (愛…

lily
3年前
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和歌・春よ、来い

世界のすべてを包み込むように、 しんしんと雪が降った。 百花繚乱の花が咲く春が わたしには…

lily
3年前
9

和歌・何よりも嬉しい出会い

「別るれどうれしくもあるか  今夜より逢ひ見ぬ前になにを恋ひまし」  古今和歌集・凡河内躬…

lily
3年前
7

和歌・愛した人とつながりのあるものはみな愛しい

「紫の一本(ひともと)ゆえに 武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る」 古今和歌集・よみ人し…

lily
3年前
6

和歌・紅葉の色は

「秋の露色いろことに置けばこそ 山の木の葉のちぐさなるらめ」 古今和歌集・よみ人しらず (…

lily
3年前
5

和歌・秋の月の光の色は

「ひさかたの月の桂も秋はなお  紅葉(もみじ)すればや照りまさるらむ」  古今和歌集・壬生…

lily
3年前
7

和歌・秋にこんな思いをしているのはわたしだけだろうか

「わがためにくる秋にしもあらなくに 虫の音(ね)きけばまづぞかなしき」 古今和歌集・よみ人知らず (わたしのためにやってくる秋ではないのに、虫の声を聞けばまっさきに悲しくなる) 秋にこんな思いをしているのは、 わたしだけのように思える。 秋の虫たちの声と、 わたしの悲しい心はまるで響き合っているようだ。 ますますやるせない。 秋は感傷的になる季節。 秋にする物思いをあらわした「秋思(しゅうし)」という大和言葉もあるくらい。 この歌を詠んだひとは、 一体何を物思いし