上橋菜穂子「狐笛のかなた」
どこか懐かしい日本情緒あふれる雰囲気のファンタジー
人の心の声が聞こえる少女「小夜」と小夜に助けられた霊狐「野火」
ふたりは持つ力のために いがみ合う二つの国の争いに巻き込まれる
憎しみからは憎しみ以外のものは何も生まれないのに
昔の恨みや憎しみをつのらせ次々と呪いをしかけてくる隣国の領主
小夜の母や自国の領主を守る大朗たちは 自分の命をかけて
大切な人たちを呪いから守る
小夜と野火は お互い ちがう生き物で
生きるべき場所もちがうことも
ふれあうことも許されないことも 知っているのに
それでも相手が愛しくてたまらない
ふたりのひたむきな想い お互いを思いやる気持ちが胸を打つ
最終章 桜の花びらが舞う春の野を駆けてゆく狐達の姿が心に残る
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