恩田陸「光の帝国」
「常野」とは 権力を持たず群れず常に在野であれ という意味だそう
常野からきた特殊な能力をもつ人たち なみはずれた記憶力や遠くの出来事を見る力など さまざまな力を持ちながらも 普通の人々の中でその力を生かしながら穏やかに暮らす常野一族
彼らをめぐる連作短編集
彼らはみな穏やかで優しく 自分の能力を受け入れ 人のために使い生きてゆく
その能力ゆえに辛いこともある 『光の帝国』の結末は痛ましく残酷だ
それでも最終話の『国道を降りて…』ではまた明るい光が射してくる
読み終わったあとには胸に安堵が拡がる
やさしい
とてもやさしい人たちの話だ
私にもできるだろうか
自分の力を 自分のためだけではなく 他の人たちのために果たして使えてるか これから使えるようになるか
読みながら自分にそう問いかけた
私も 権力を持たず群れず常に在野でありたい
常野の人たちのようになりたい
やさしく そして強く そう思う
人の想いを「しまう」「響く」話の『大きな引き出し』が特に好きだ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?