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加納朋子

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#本紹介

加納朋子「ななつのこ」

とても優しい雰囲気のミステリー
連作短編集だが 最後の話を読むとひとつのストーリーがふわっとできあがってくる

文中に出てくる若山牧水の短歌 

白鳥は哀しからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ

真っ白な白鳥の凛とした姿が目に浮かぶ 静かな強さを感じる歌がいい

作中の少年はやてのセリフ 

海が青く見えるのは…空を映しているからなんだ!

科学的にはホントは違うけど こういう子どもの感

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加納朋子「ささらさや」

加納朋子「ささらさや」

新婚で子どもが生まれたばかりの幸せな夫婦
ところが夫は事故であっけなく死んでしまう
残された妻「サヤ」が赤ちゃんを抱え「ささら」という新しい土地で暮らし始める

初めはサヤのあまりの甘さと弱さに読んでいてイライラしてしまった
でも優しい素直なサヤの周りには いつの間にか人が集う
サヤはそんな周囲の人に支えられ 
時々心配して 他の人にのり移って現れる死んだダンナさまにも助けられ 
だんだん強くなっ

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