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第98回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会4次R島根スサノオマジック対群馬クレインサンダーズの個人的な試合展望

サッカーW杯で日本代表は多くの感動を与えてくれました。スポーツが伝える感動の大きさを体感した方もいらっしゃるかもしれません
バスケットボールも高校生年代のウインターカップや、W杯に向けた戦いや、もちろんリーグ戦も白熱しています

今週の水曜日は第98回天皇杯の4次Rが行われます
昨季は両チームともに3次Rで敗退。今季はリーグ戦も好調だけに、チームとしてのタイトルを取りに熱い試合に期待しましょう

12/7(水)の19時~松江市にあります松江市総合体育館で行われる島根スサノオマジック対群馬クレインサンダーズの一戦を実況担当します

現在12勝4敗で西地区3位の島根と11勝5敗で東地区3位につける上位勢の対決
島根はアウェイの連戦から中1日というかなりタフなスケジュール
群馬もアウェイ戦から中2日、更に両チームリーグ戦次節は上位との試合となるだけにチームとしても総合力が試される一戦になりそうです

解説はバスケットボールコメンテーターの朴航生さんと共にお届けしていきます。水曜日のナイトゲームですが、是非会場またはバスケットLIVEでお楽しみください

解説:朴航生さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

今季の両チームについて(12/6時点)9節終了時点

島根スサノオマジック【平均83.3得点(リーグ6位)平均73.6失点(リーグ5位)】12勝4敗で西地区3位

昨季悲願のCSにも進出。今季ここまでリーグ戦は連敗はなくホームでは無敗。昨季同様アウトサイドからのシュートに加え、今季は守備での強度も向上した
プレータイムの方よりは昨季と同じくであり、トラビスの不在は大きいが、チーム一丸となって戦っていきたい

今季ここまで平均83.3得点、失点は73.6点とリーグの中でも高い水準を攻守でキープしている
3Pの試投数は1試合平均30.6回(成功数の平均は10.6回で34.5%)でリーグ2番目に多い回数だ。安藤、津山、ビュフォードにニックケイ。白濱や阿部、新加入の谷口も隙あらば狙ってくる

今季はDRが平均28.3回でリーグ2位。トータルのリバウント平均数も39.0回でリーグ4位と守備の強度も高い

11/20の仙台戦以降となるホームでの一戦。その前は琉球、FE名古屋、川崎とアウェイ連戦が続き、この天皇杯は中1日という厳しいスケジュールで臨む
だからこそ前述した通り、チーム力が試され、誰が出ても自分たちのやりたいバスケットを展開できるか注目したい

群馬は平均得点85.6点でリーグ3位と島根を上回るオフェンスの結果を出している。失点こそ81.1点とリーグ18位だが、スティールも多くチームで上手くボールをシェアしながら確実に得点を積み上げてくる
TOも少ないチーム同士、緊迫感のある試合に期待したいところです

★今季の天皇杯

昨季は3次Rで敗退した島根。今季は3次Rで佐賀に92-70で勝利
そして同じB1リーグで戦う大阪とは91-87と接戦を制し4次Rへ進んだ

佐賀戦ではプレータイムの少ない北川や後藤も長くプレー。また大阪戦では谷口が3Pを5本決めて勝利にも貢献している。中1日とタフな日程だけにチームとして一丸で勝利に向かいたい

リーグ戦と同じく、自分たちのバズソースタイルを見せ東地区上位の群馬相手に勝利を飾りたい

群馬クレインサンダーズ【平均85.6得点(リーグ3位)平均81.1失点(リーグ18位)】11勝5敗で東地区3位

メンバーを大きく入れ替えることなく、臨んだ今季は好調だ
特に攻撃面で平均85.6点(リーグ3位)と得点を取れる選手が多く揃っている

失点数は81.1点でリーグ18位ではあるが、守備の意識は高くスティール数は1試合平均で7.8回とアグレッシブな守備もあり、平均アシスト数もチームで23.2回とリーグ2位の数値を残している

今季から加入している並里の影響も大きいが、人とボールも動きながら自分たちの得点の形を見せて、リズムよく試合に入っていきたい

FGの成功率は48.9%とリーグ1位を誇る。直近の試合だった宇都宮戦はダブルOT、そして前節の茨城との一戦も含めると3試合連続で3点差以内の接戦
戦績は1勝2敗。タフなスケジュールだけに勝利で飾りたかった部分もあるが、この天皇杯で再び勝利し次節の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦に繋げていきたい

島根の平均TO数が12.2回で8位。群馬が12.3回で9位とお互いに安定もしている。今季の群馬は3Pの成功数が1試合平均で7.2/22.1(成功率32.5%)となっている
昨季も成功率は33.6%と大幅には変わらないが、昨季高い水準を誇ったキーナンや山崎の復調があれば更なる上昇も狙えるかもしれない
守備の固い島根相手に自慢の攻撃力でペースを握る事ができるか?楽しみにしたい

★今季の天皇杯

昨季の天皇杯では西宮に敗戦し4次Rに進むことができなかった。今季は京都、三河に勝利して4次Rに進んだ

山崎は天皇杯京都戦は13得点の活躍。そして菅原は三河戦で12得点と奮起。群馬は日曜の試合後の一戦だが、宇都宮戦はダブルOT、茨城戦も接戦かつアウェイでの連戦となる(宇都宮→茨城→島根)

コンディション状況もだが、島根と同じくチーム一丸となって一発勝負のトーナメントを戦いきりたい

両チームのメンバー編成(★は今季加入)

島根スサノオマジック(HC:ポール・ヘナレ)
後藤翔平
ペリン・ビュフォード
安藤誓哉
ニック・ケイ
北川弘
リード・トラビス ※インジュアリーリスト入り
阿部諒
白濱僚祐
★津山尚大
ウィリアムスニカ
★アンドリュー・ファーガソン
★谷口大智

ポールヘナレHC体制2季目はメンバーの入れ替えは最小限に抑え、昨季のスタイルの上積みを選択。ボールコントロールに加えシュート精度も高い津山に、3Pの精度も高い谷口を補強
島根のスタイルの浸透と共に、新戦力との融合にも期待がかかるシーズン
ここまでは特に津山がアウトサイドからのシュート、更には守備の強度も高く存在感を放っている

谷口は昨年在籍した茨城よりもプレータイムを伸ばし、スタッツ外のところでもチームに貢献。あとは積極的に打つ3Pが決まり始めればリーグ戦にもより勢いを持って入れるはず。プレータイムのシェアに偏りがあるのは1つの特徴ではあるが、不測の事態をチームでカバーしていきたい

群馬クレインサンダーズ(HC:水野宏太)
星野曹樹
マイケル・パーカー
トレイ・ジョーンズ
五十嵐圭
八村阿蓮(昨季特別指定選手。今季プロ1年目)
野本建吾
菅原暉
アキ・チェンバース
★並里成
★ケーレブ・ターズースキー
山崎稜
ジャスティン・キーナン

今季はアルバルク東京から水野HCを招聘。レバンガ北海道でもHCを務め、直近ではアルバルク東京でACとしてタイトル獲得にもう貢献
HCとしてチームを1から指揮を執るのは5季ぶりとなるが、ここまでチームを上位に引き上げている

琉球からファンタジスタとして名高い並里が加入し、名門オリンピア・ミラノでプレー経験もあるケーレブ・ターズースキーを補強。昨季からのベースを維持しつつ、新たなHCと共に新シーズンを挑んでいる

そして先日星野曹樹が練習生から基本契約を締結。現在11勝5敗と東地区3位につけている

アシスト数も昨季同様高い水準を保ち今季は平均23.2回でリーグ2位
チームの底上げを図り、昨季よりもより高い成果を目指したい

過去の対戦成績(島根4勝・群馬2勝)リーグのみ

2021-22シーズン(島根1勝・群馬1勝)
群馬 65-106 島根   2022.01.08
群馬 93-85   島根   2022.04.13

2018-19シーズン★B2(島根1勝・群馬1勝)
島根 70-86  群馬   2019.03.02
島根 82-79  群馬   2019.03.03

2016-17シーズン★B2(島根2勝)
島根 95-54  群馬   2017.02.04
島根 69-49  群馬   2017.02.05

昨季初めて両チームがB1の舞台で戦いお互いに1勝ずつという結果を残している
過去はB2でも戦い、リーグ戦での対戦成績は島根の4勝、群馬の2勝と島根が勝ち越している

松江市総合体育館で戦うのは約3年ぶり。昨季はGAME1は安藤を中心に100点ゲームで勝利。GAME2はキーナンはじめ外国籍選手に加えアキチェンバースも2桁得点をマークし勝利を飾った

今回の天皇杯は1発勝負。勝って来年1月4日のQFに進むのはどちらのチームか?楽しみにしたい

個人的な見どころ

youtubeでもほぼ毎日Bリーグの情報を発信している「ズッボンさん」が水曜日の天皇杯の見どころを寄稿している

youtubeも配信されています。興味ある方は是非!

ハードな日程だ。島根はアウェイ連戦を戦い中1日でホーム開催
群馬も宇都宮戦は延長戦。茨城とも接戦。関東の比較的移動しやすい地域とはいえアウェイ連戦から中2日で遠方の島根で戦う

特に12月は連戦が多く、リーグ戦次節は両チーム上位との対戦が控えている
天皇杯も大切なタイトルである以上どのようにコンディション調整を行い、どの戦力で戦っていくのか注目したい

特に島根はトラビスの怪我もあり、アンドリュー・ファーガソンを補強するもすぐに同じような活躍を見込むことは難しく、チーム内でプレータイムをシェアしなければいけない
もちろんニカが戻ってきており、前節もGAME2で素晴らしい活躍をしてくれた事は大きな材料だ
しかしながらニックケイ、ビュフォードと外国籍選手と安藤のプレータイムは昨季同様長い
勝利のためには彼らの活躍に加え、彼らがベンチで休む時間をつくるためにチームとしての奮起が必要だ

トレイ・ジョーンズを中心としたトランジションはリーグ屈指の攻撃力を誇る群馬。またケーレブターズースキーは高さもあり、ハーフコートのオフェンスでも十分に組み立てる事ができる
戦いの焦点となるのはリバウンド争いと守備の強度だ
平均リバウンドでは優位性を保っている島根相手に、得意の展開に持っていきハイスコアな展開で勝ち切りたい

島根はアウトサイドからのシュートも精度が高いため、できる限りシュートコンテストやローテーションを意識しできる限り相手のシュート精度を落とし良い状態で攻撃を仕掛けたい

お互いの良い部分を出して戦うか?それとも相手の良い部分を消しにかかるか?タフな日程だけに試合の入り方やその戦略も楽しみにしたいところです

他にもアルバルク東京時代に共に戦った水野HCと安藤、津山の再開や
マイケルパーカーはbjリーグ時代に島根でプレー
ウィリアムスニカ、白濱、谷口と秋田で共に戦った野本やキーナンもいる

様々な縁も繋がる一戦。タフなコンディションですが、怪我無くフェアで熱い試合に期待しましょう!

19時~松江市総合体育館でTip Off!現地、もしくはバスケットLIVEでお楽しみください!


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