『今、スポーツにできることってなんだろう?スポーツの現状って今どうなっているの?』のオンラインセミナーに参加してみた
2020年5月25日(月) 17:55~19:00と1時間弱ですが、セミナーに参加しました
豪華なメンバー
レバンガ北海道プロバスケットボールチーム / B.LEAGUE(B1)
折茂 武彦氏(代表取締役社長)
千葉ロッテマリーンズプロ野球球団 パ・リーグ
大石 賢央氏( BtoB本部 法人営業部 第1グループ グループ長)
株式会社識学(福島ファイヤーボンズ親会社)
プロバスケットボールチーム / B.LEAGUE(B2)
井上 剛氏(営業3課 課長)
株式会社インターパーク
高井 伸氏( 取締役COO)
スポーツという切り口について、「今何ができるか?」について話し合われました(ざっと160名弱視聴)
予定していたプログラム内容
・ いきなり本題から外れて、折茂さんに現役引退の想いを直撃
・今、スポーツにできることはなんだろう?プロスポーツの現状って今どうなってるの?
今のチームの現状は?
選手たちは今どうしているの?
営業面など今のチーム運営の現状は?
今、プロモーション活動とかスポンサー営業とかやってるの?
これから考えているプロモーションは何かある?
応援してほしいことは?私たちにできることは?
これからの動きについて
スポーツビジネスの今後の展望について
逆にスポーツチームが今できることはなんだろう
等を予定
参加しての所感
現状やはり、まだまだ手探りな状況であることを感じた1時間ではありました
もちろん言える事、言えない事もあるものの、スポーツに対しての参加者の皆さんから強い想いは随所に感じました
同時にビジネスとしてどのように展開していけばよいか?についてはまだまだ不透明な部分(手探りで色々実践している)が要素として強いと思います(こればっかりは本当に難しい)
大石氏のコメントにもありましたが、「スポーツは不要不急に弱いという側面を感じつつも、スポーツの持っている力は大きい(勇気や元気を付与する)」という部分は自分自身もですし、多くのファン、サポーターの皆さんにとって共感する部分だと思います
とりわけロッテが取り組んでいるコンテンツの取り組みは興味深かったです
youtubeコンテンツでは過去の試合は配信し、UU(ユニークユーザー数)としても休場来場者の数倍を記録。SNS上でもファンの盛り上がりを見せた
こうした配信×企業協賛の掛け合わせはマーケティングの要素としても今後増える可能性はありますね。ただ、チームというブランド力に頼る部分も多いので、他のスポーツやチームに横展開できるかはすぐには成果は出ない気もします。
ただ、こうしたモデルが成功しているという点は参考になるなと思いました。
現状は手探りだからこそ色んな知恵の出し合いや、色んな人たちと考えて取り組んでいくことへの価値を一人の視聴者としても感じました
また、こうした状況の中でも支えるファンサポーターの存在は、各チームや業界においても重要な存在であるなと・・
1つのアクションは小さくても、そのアクションが派生して新たな価値や、サービスを生んでいく要素や可能性も充分にあり得るでしょう
そういった意味ではある意味1人のファンサポーターが新しいコンテンツや価値を生み出していく可能性も十分にあり得ますし、チームや企業もこうしたエンゲージメントを高めていくことが結果的に大きな成果を今後生み出す機会にもなるかもしれません
だからこそ、個人としても誰かがやってくれるではなく、自分で考え発信や行動をしていきたいなと思いました
まずは国内として大きな動きとなるプロ野球開幕までの動きや、取り組みを注視しつつ、考えていきたいと思います
さて、ここからは簡単ですが当日配信されていた内容の概要をざっくりですがまとめています。良ければ参考にしてみてください
いきなり本題から外れて、折茂さんに現役引退の想いを直撃
折茂さんの今の心境について
ファンへの感謝「プロ選手として幸せな時間だった。ここまで継続できたことは奇跡だと思っている。コロナ影響もあり、直接伝えられていない部分もあるので実感がわいていない部分もある」
勝負の世界なので「やり残したことがあるのも事実。これからは若い世代に託していこうという想いもある」
Q「社長という特殊な立場もあるが、その点も含めて引退という意味は?」
選手と社長の線引き。そして選手との距離感が非常に難しいと感じていた。なので、選手としてプレーする以上、選手の評価はしないというルールを設けていた
(社長として)失敗を多く重ね、これまで経験した。これからは経営1本で進めていきたい
Q「現役選手にかける言葉は?」
これだけやっていてもあっという間。悔いなくやって欲しい。悔いのないプロ生活は実在しないと思っている。なので、まず全力でお客さんのためにプレーもして欲しい。これから発展していくために、プロ選手がどうあるべきか?を考えて取り組んで欲しい。
バスケットだけやっていれば良いわけではない」
Q「2011年厳しい状況だったが、その時の経験は?」
北海道に来てから「想い」という部分が変わった。トヨタ時代は優勝も含めて良い経験をした。そのときは「自分にベクトルが向いていた」北海道に来てから、「ここまで応援してくれているんだ。その気持ちに応えたい」と感じた
Q「今後も北海道で活動する?」
ビジョン的にはバスケット界のために幅広く活動したいとは思っていたが、まずはレバンガ北海道の足元を高めて詰めていきたいと思う
今、スポーツにできることはなんだろう?
プロスポーツの現状って今どうなってるの?
Q「今のバスケットボール業界は?」
自主トレを各選手行いつつ、来シーズンのスタートに向けて立て直しの設定をしながら動いている状況。
選手については開幕に向けて動いているが、チームとしては制限がかかっているため個人の目標設定を明確にしてトレーニングしている。
Q「スポーツ業界に事業会社が参入しているメリットは?」
識学:1,500社以上の組織コンサルティングを提供している企業
なぜスポーツに参入したか?⇒経営者の想い。社長や社員がスポーツとのつながりが強い
どんなコミュニティでもパフォーマンスを上げる原理原則がある。それをもっとより知って欲しいし、必要とされると思って欲しい
チームとしては単年黒字ではあったが、設立当初の負債もあり、連携をすることに決めた(相手から求められて、そこに応えていくという想いもある)
まずは福島から、その後社会へ有益性を発信していきたい
Q「これまでやっていないことで、新たな一手として取り組みたい事は?」
組織を形にしていくためには体制づくりはセットになる
この体制づくりに対する認識が弱いと感じる部分もある
そこから地域、社会性、公共性にどのように戦略を打っていくかが重要で、その体制づくりの要素は識学の強みでもある
どれだけいい戦略、戦術があっても体制づくりがおろそかであると結果が出ない部分もあると考えている
Q「レバンガ北海道の営業が評価を受けていた。どのような事を行っていたのか?」
1つは地域密着。マイナスからのスタートで、厳しい状況ではあった
レバンガ北海道はBリーグの中で1番イベントが多い。地域の連携も密に行っている(空中戦ではなく地上戦)知ってもらうための努力を10年間ひたすら行ってきた
スポンサーとの関係もWINWINでなければいけない。そのために時間を使って考えていた
営業スタイルはカスタマイズしていて、企業に合わせて変えて提案を行っていた
自分たちはバスケットを通じて何を与えられるか?(感動・勇気)
レバンガは”ガンバレ”の反対
そうした思いが時間をかけて反映されてきている
Q「今のコロナの状況で取り組んでいることは?」
北海道は緊急事態宣言含めて厳しい状況。本来はシーズン終了後の御礼もするが、それもできていない。現状温度感含めて見えていない(電話などはするが)
スポンサーになってもらうにあたり、地元やバスケットや子供たちへの想いはお伝えをしている。想いのある方と仕事をしたいと思っている。厳しい状況ではあるが、自分たちにできることはするし、自分たちを思ってくれるスポンサーさんがいるのも事実
なのでみんなで取り組むことが重要だと思っている
Q「個人でできることはあるのか?」
レバンガ北海道に対しては寄付やオークション等もある。選手たちを起用したコンテンツも拡充はしているが、なかなかお金に繋がっているわけではない。
10月に今シーズン開幕を迎えるが、まだ先は本当に分からない。ただ、選手やクラブは準備をしていかなければならない。なので難しさがあるのは事実
ロッテは過去の試合をyoutubeに配信して、スポンサーをつけている
Q「選手たちは今どのような状況か?」
全体練習は計画はしておらず、自主トレに留めているのが現状
この後チーム練習や紅白戦などが行われ開幕を迎えていく予定
Q「チームを運営する側は、自宅勤務ですか?」
基本的に在宅勤務。メールや電話でコミュニケーションを図っている状況
Q「3月、4月ロッテさんの取り組みについて」
Marines Watch Party(週に1回名試合:金曜か土曜に配信)
Twitterで募集して、youtubeで配信をする(当時の試合と同じ時間に配信)
12万5,269人のUUとして記録(スタジアムの4倍のお客さんが観覧してくれた)
ハッシュタグの投稿数も8,840件を超えて、インタラクティブな関係性を築けた
Q「6月19日、無観客になると思うがどのように施策を考えているか?」
お客様に対しては打つことは難しいと考えている。TVやインターネットの媒体で視聴いただく形になると思う
正直初めての事でもあり、手探りな状況で迎えることになりそう
Q「今、面白いなと思う他のチームやスポーツの取り組みはあるか?」
①格闘団体の技が繋がっていく動画は面白かった。選手の迫力もあった(ONE)
②ブンデスリーガの観客席の席に顔がついているような取り組みは面白かった
できるのであれば、無観客でも声が聞こえるような疑似体験ができると面白いと思う
Q「VRやテクノロジー的な取り組みについてはどうか?」
バーチャルを利用したサービスも考えている(千葉ロッテ)
Q「ファンの方にこんなこと手伝って欲しいという部分ってありますか?」
川崎フロンターレ時代について)企画名についてはダジャレをいれるという取り組みが当初あった。それをすることによってサッカー知らない人に対して巻き込むためのツールになったこともあった
全然スポーツを知らない人に対して、ハッシュタグをつけて投稿してプロモーションをして欲しい部分もある
Q「ファンな方が自発的に活動してくれていることはある?」
Twitterを見ていて嬉しいことがあった。(ロッテ大石さん)
Twitterのユーザーさんが、スポンサーさんを紹介してくれていた
本来であれば、自分たちがやらなければいけないことをファン、サポーターさんが行ってくれたことは嬉しかった
各チーム、各ブースターさんには感謝している(折茂さん)
ファン、ブースターの方や運営の方が特別な取り組みを行ってくれて、本当に「熱い」と思った。北海道でも、ブースターの皆さんが様々な取り組みを自発的に行ってくれていることをSNS上でも拝見している。
折茂の花道プロジェクト(クラウドファンディングも)
プロ野球の取り組みについては注視している)折茂氏
野球がここではじめてくれるからこそ、どのように展開していくかの指針にもなると思っている
Q「スポーツビジネスについての未来は?」
大石氏「密をつくるビジネスではあるので、前提が崩れている状況を理解して進めなければいけない。観客に依存しないビジネスをつくっていかなければいけない」
「顧客を入れることがビジネスとしては大きかった。動員ビジネスからライブ配信や新たなサービスを構築していく必要がある。そして、その後は動員ビジネスと並行して、2軸で進めていきたいと考えている」
「露出型だけだと反応が悪い。企業のニーズに合わせた(アクティベーションの部分も考えて)サービスを展開していかなければいけない」
井上氏「一体感に価値を見出してくれていたと思っている。なので密には現実的にはなれないが、どのように一体感や熱狂を創り上げていくかを考えていかなければいけないと思っている」
「スポーツの社会的な価値や、日常的に寄り添う。地域への密着と熱狂をつくっていかなければいけない」
折茂氏「スポーツビジネスは広告協賛とチケット収入の2本柱。チケット収入が主のバスケットチームは多い。レバンガ北海道はホーム9試合残していたがそれもすべてなくなった。なので、これを転換しなければいけない。チケット収入に頼らなくても良い環境や状況をつくっていかなければいけない」
「一体感や熱狂が伝わりやすい競技でもある中で、ビジネス的に成りたたないのでは?という側面も正直ある。それくらいバスケは入り込みやすい競技性でもある(一体感が生まれやすい)。だからこそ、考えなければいけないが難しい課題でもある」
Q&A
Q「定点カメラ等色んな視点からの映像の販売等はある?」
やりたいことは山々だが、初期投資がかかる分難しいかもしれない。放映権の問題などもあるが協賛する企業等もあるかもしれない
Q「観客席のスペースを利用した活用法は?」
ロッテでは検討している部分もある。プロ野球はシーズン143試合(ホームでは約70試合:今回は60試合になる)当初より10試合契約よりも減少する
当初の契約に対してのフォローや代替案として提案をしている状況なので現実的にあり得る
ということであっという間の1時間でした。(議事録的に記録しています)※全ての発言を一語一句記載しているわけではないのでご了承ください
サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。