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2024明治安田J1リーグ第13節セレッソ大阪対ヴィッセル神戸の個人的な見どころを紹介

5月のタフな連戦を乗り越えて、良い状況で中盤戦を戦いたい両チーム。5位と2位の上位対決は関西に拠点を置くセレッソ大阪対ヴィッセル神戸の一戦です

ホームのセレッソは今季素晴らしいスタートを切り、一時首位に立った

ただ、直近の4試合は勝利なく2分2敗。まだ連敗はないものの、ホームで5試合ぶりの勝利を飾り上位追随を狙いたい

同じ関西勢の神戸はアウェイ名古屋戦、ホーム新潟戦と連戦を勝利で飾り勝ち点を積み上げた

特に前節は先発メンバーを9人入れ替えながらも3得点を記録し勝利を飾った

節目のクラブ30周年の今季タイトルを目指すセレッソ大阪と、連覇を狙うヴィッセル神戸
同じ関西勢同士の一戦は、連戦ながら熱い好ゲームに期待がかかる

今回急遽な担当となりましたが、しっかりと準備して臨んでいきます。宜しくお願い致します

(J1リーグ 解説:橋本 英郎さん リポーター:江間 丈さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/5/10時点)(リーグ戦のみ)

セレッソ大阪:5勝5分2敗 勝ち点20の5位  16得点 11失点(+5)

悔しい敗戦だった。3試合勝利なしの中、G大阪のホームで勝利を飾り、流れを取り戻したかったセレッソ大阪。敗戦と共に、負傷者も出た事で連戦の舵取りはより難しくなってしまった

ただ、だからこそこの機会でチャンスを得た選手の躍動や、チームとしてより一歩上に上がるための試金石になるかもしれない

ガンバ大阪との大阪ダービーは試合前からお互いに負けられない強い気持ちが熱気となってスタジアムを包んだ

セレッソ大阪は札幌戦から為田と香川を先発で起用し、控えには清武の姿も。対ガンバ大阪戦はリーグで5連勝中。ここで流れを掴みたい一戦だった

立ち上がりはセレッソがボールを握りつつ、両SBが中盤やハーフスペースにも顔を出し、流動的に攻め込む場面もあった

しかし、徐々にガンバ大阪が攻勢を強め、後方からのパスをインターセプトした宇佐美が冷静にゴールを決めてガンバが先制

反撃に出たかったセレッソだったが、毎熊の負傷交代もあり攻撃のギアがなかなか上がらずに0-1の状態で前半を折り返す

後半の立ち上がりも攻撃を受ける形になったセレッソ大阪は後半12分に負傷した登里を含めて3人の交代で流れを引き寄せようとする

ただ、最後まで攻撃のリズムをつくりだす事ができず0-1での敗戦
チームを引っ張ってきた毎熊、登里の状況も気がかりだが、勝って勢いをつけたかった大阪ダービー。この悔しさを今節に向けて戦いたい

2024明治安田J1リーグG大阪VSC大阪の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

ヴィッセル神戸:7勝2分3敗 勝ち点23の2位  19得点 9失点(+10)

ノエスタが歓喜に包まれた。GWの連戦、アウェイ名古屋戦で勝利し、勢いを持って臨んだホームでの新潟戦は驚きの人選でもあった

名古屋戦から9名先発メンバーを入れ替えた。鍬先のJ1デビュー、そして菊地はSBでの起用。トゥーレルの累積警告での出場停止は加味していたものの、大迫・武藤・山口・酒井といった近年の神戸を象徴する4人は控えから戦況を見守った

その中でチャンスを掴んだ選手が輝きを見せる
岩波のロングボールに反応したパトリッキがスペースへ。クロスは少し流れるも逆サイドの飯野が丁寧にクロスを上げて、昨季躍動した佐々木が開幕戦以来のゴールを奪う

更に、CKのセットプレーでは菊地が競り合いを制し、こぼれ球を宮代がチームトップとなる5得点目を決めて前半で2-0とメンバーを代えながらもリードする展開に。前半ボールを保持する新潟に対してプレッシャーをかけながらチャンスをつくらせない時間をつくった

後半に入って、徐々に勢いが出てきた新潟は藤原が得点を奪い1点差に迫るり、少しずつ新潟も流れをつくっていく
しかし神戸も菊地が上げたクロスがオウンゴールに繋がり、神戸が再び2点差に

神戸は後半途中から大迫、武藤、山口、酒井を投入
新潟はCKから更に1点返し、1点差に迫るも神戸が戦い切り札幌戦以来の勝利を飾り連勝
今季初の3連勝、そして首位奪還を狙い戦う今節の一戦となる

2024明治安田J1リーグ神戸VS新潟の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)


過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、セレッソの17勝・神戸の14勝、引き分けが7回とセレッソが上回っている

昨季は6月にセレッソのホームで対戦し2-1でセレッソが勝利(C大阪:クルークス、北野が得点を記録 神戸:山口が得点を記録)
そして9月は神戸のホームで対戦し1-0で神戸が勝利(神戸:佐々木が得点を記録)

2023年シーズンはお互いに1勝ずつ。神戸は対セレッソ戦の勝利は2019年以来4年ぶりだった
セレッソ大阪はホームでは神戸に2014年以来負けなし

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手

セレッソ大阪:クルークス、北野、鳥海、山下、香川が得点を記録
ヴィッセル神戸:佐々木、山口が得点を記録

■古巣対戦:ヴィッセル神戸のみ
山口蛍: 2009-18年まで10年間プレー(2015-16は一部ドイツでプレー)225試合14点

ジェアンパトリッキ:2022年1年間プレー リーグ戦は28試合5得点記録

扇原貴宏:セレッソ大阪のアカデミー育ち。2010-16年途中までプレー リーグ戦139試合10得点

神戸は今季アウェイ対湘南戦、名古屋戦は6年ぶりに勝利(2018年以来)
昨季もアウェイ戦は10勝4分3敗と勝ち越しを決めており、アウェイ戦で強さを発揮している
セレッソ大阪も昨季はホームで9勝1分7敗と勝ち越している

お互いに得意な環境下の中で勝ち点「1」ではなく、「3」をサポーターに届けたい

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

セレッソ大阪:5勝5分2敗 勝ち点20の5位  16得点 11失点(+5)

先制試合:8試合 5勝3分(先制すれば負けなし)
先制された試合:4試合 2分2敗(現在4試合連続で先制を許している。横浜FM,札幌戦は追いつく)
スコアレスドロー:なし

ホーム:3勝3分0敗 勝ち点12  10得点 6失点 得失点+4
アウェイ:2勝2分2敗 勝ち点8 6得点 5失点 得失点+1

リーグ戦では8名が得点(レオセアラ9得点、北野・船木・カピシャーバ・ブエノ・柴山・香川・田中が得点を記録)

複数得点:5試合 
複数失点:3試合
無失点:4試合
無得点:1試合(前節の大阪ダービーで今季初の無得点)

<得点>前半4得点 後半に12得点 
<失点>前半は5失点 後半6失点
今季は16得点中セットプレーでの得点は7点の43.8%。FKとCK起点にそれぞれ2得点を記録。レオセアラはPKで3得点を記録

11失点中セットプレーからの失点4で割合は36.4%(CKとFKから2失点を記録)

ヴィッセル神戸:7勝2分3敗 勝ち点23の2位  19得点 9失点(+10)

先制試合:6試合 6勝(昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗)
先制された試合:4試合 1勝3敗(3節のFC東京戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦(昨季は1試合のみ)

ホーム: 2勝1分3敗 勝ち点7 10得点  7失点 得失点+3
アウェイ: 5勝1分0敗 勝ち点16 9得点  2失点 得失点+7

リーグ戦では8名が得点(宮代5得点、武藤4得点、大迫3得点、佐々木2得点・汰木・山川・山内・山口が得点を記録)

複数得点:6試合(現在2試合連続複数得点中)
複数失点:2試合 
無失点:5試合 
無得点:4試合(昨季は4試合のみ)

<得点>前半に8得点 後半に11得点   
<失点>前半は無失点 後半は9失点
前半開始15分以内に3得点、後半開始15分に4得点と出だしに強い

19得点中セットプレーでの得点は9点の47.4%。大迫直接FKで1得点
初瀬や扇原がFKとCKから起点をつくる(CKから5得点、FKから4得点内1本は直接)

9失点中セットプレーからの失点は3で割合は33.3%(CKから3失点:FC東京、京都、新潟戦)

セレッソ大阪は今季ホーム戦は無敗(3勝3分け)
そして神戸は今季ここまでアウェイ戦で無敗(5勝1分)

4試合勝利なしのセレッソ大阪だが、昨季はホームで神戸に対して劇的な勝利を飾る。ホームでは対神戸戦2014年以来負けなし

神戸は昨季ホームでは勝利。今季初の3連勝なるか?注目したい部分の1つです

個人的な見どころ

5位と2位の上位対決です。セレッソ大阪は大阪ダービーに次いで関西勢同士の対戦。中4日の試合の後はまた水曜日に試合が待っています

セレッソ大阪は2位神戸、そして次節は現状首位町田と上位との対戦が続きます。今季負けなしのホームで5試合ぶりの勝利を飾り、上昇気流に乘っていきたいところです

神戸は札幌戦以来となるホーム戦勝利を飾り、リーグ戦連勝中。今季初の3連勝を目指して戦う一戦。メンバーを代えながらも勝利を掴んだ状況の良さを、今季負けなしと得意なアウェイ戦で発揮したい

Jリーグ公式でも試合前の見どころが記載

個人的に注目したいポイントは以下の3つ

①先制点を取れば負けなしの両チーム。前半の動きに注目
②セレッソ大阪は両SBの人選と戦い方に変化は出るか?
③攻撃の変化に注目。柔よく剛を制すか?

①先制点を取れば負けなしの両チーム。前半の動きに注目
今季の両チームはここまで先制点を取れば負けなし

C大阪→先制試合:8試合 5勝3分(先制すれば負けなし)
V神戸→先制試合:6試合 6勝

セレッソ大阪側から見れば開幕から8試合続けて先制点をマーク。その結果開幕から8戦無敗という素晴らしいスタートに繋がった
セレッソ大阪はボールの平均保持率が52.5%でリーグ7位。ドリブル数はリーグトップとなっている
SBの登里選手は流動的なポジションで中に入ってくる部分もあり、インサイドハーフとの関係性も良く、ボールを握りながら前進するスタイルを見せていた
逆サイドの毎熊も高い位置を取り、フィニッシュまで絡んでいる
現状4試合負けなしも決して中身で見れば悲観的な内容ではない。ただ、先制を許し追いかける展開になっている
まずは自分たちでボールを握りながら先制点を奪いたい

一方の神戸は今季失点数がここまで9失点とリーグ最小失点
無失点の試合数も5試合とリーグ2番目に多い数字となっている
特に前半はいまだに無失点を記録し、良い守備が安定的な勝利に繋がっている
神戸は先制試合は6試合とセレッソ大阪と比較すれば2試合少ないが、先制試合は6戦全勝
高強度なスタイルは今季も健在。セットプレーにも強みを持ち、良い守備と攻守の切り替えで流れをつくっている
神戸の今季ここまで見るとクロスの数が1試合平均約22本でリーグトップ。そのクロスの成功率もリーグ2位を記録している
左は初瀬、右は酒井とどちらもクロスのスペシャリストであり、初瀬はセットプレーも含めてここまで3アシストを記録している

そして何より今季の神戸は先制点を取っている選手がここまで汰木、大迫、山内、武藤、山口、佐々木と個に依存しておらず色んなパターンを持っている
リーグ戦、カップ戦など多くの舞台を戦う中でチームの底上げも図りつつ良い結果に繋げていきたい

セレッソ大阪は今季ここまで前半無失点である、神戸の守備陣から先制点をもぎ取りたい。レオセアラの連続得点は6試合で途切れたが、ここまで9得点でリーグ2位の得点数を記録。決めれば4年連続での2桁得点を序盤にマークすることになる
どちらが先に先制点を取り、試合の流れを掴むのか注目したい

②セレッソ大阪は両SBの人選と戦い方に変化は出るか?
今季の神戸は積極的な先発起用の変化で勝ちながらチームの底上げを図っている
カップ戦の今治戦、前節の新潟戦など、もちろん連戦という部分を考慮しても昨季とは違う側面のようにも見える

セレッソ大阪は今節の試合は今後のチーム状況に大きく影響を与えそうだ
前節の大阪ダービーで毎熊・登里が負傷。両SBが代わる可能性が出てきている
恐らくは前節同様に右SBは奥田、左は舩木が予想される
前節はCBもプレーできる田中が急遽CBを務め、上門がアンカーでプレー
今節はU23の代表から戻ってきた西尾やジャスティンハブナーがメンバーには入る可能性が高い

今季のセレッソは両SBが大きな特徴を持ってプレーしていた
登里は中に入り、前線へ効果的な繋ぎや、レオセアラを上手くターゲットにできる攻撃を展開していた。また、毎熊も持ち前の攻撃力を展開し前線に厚みを持たせていた
スタイルをある程度踏襲するのか、それとも違う形での打開を目指すのか?
SBと前線との連携。更には代わるCBも強烈な個である神戸の攻撃陣を跳ね返す事ができるかどうか?攻守において、中盤戦を戦うために重要な一戦になりそうだ

③攻撃の変化に注目。柔よく剛を制すか?
神戸はロングボールを起点に、空中戦を制してそこから攻め込むスタイルや、高強度のプレスからショートカウンターで一刺しを狙う部分もある
そしてその部分は昨季を踏襲し、精度高くプレーができている

そうした個の良さを生かして、押し込むという部分もあれば、井出や汰木が中盤に入ればボールを握りながら違った攻撃の起点になる事もできる
更にはここまでチームトップの5得点をマークしている宮代はドリブル、パス、シュートと様々な部分で自分や仲間を活かすプレー選択を行うことができており昨季とは異なる要素も見せている

今節は恐らく前回控えからスタートした大迫・武藤・酒井・山口が先発メンバーとして名を連ねる可能性が高い
高強度なスタイルから、井出や汰木、宮代が関わる事での変化がより効果を発揮する可能性もある

セレッソ大阪はどのスタイルの神戸であっても、前述した通りしっかりと遂行力を持って臨み、昨季ホームで劇的な勝利を飾ったように粘り強く集中力を持って臨んでいきたい

お互いに今季ここまで上位に位置する中で迎える関西勢同士の対決
5月の連戦はここからもハードです(中3日で水曜日にもナイトゲームがある)が、勝利して勢いを持って連戦を戦っていきたい

5/11は16時からヨドコウ桜スタジアムから熱戦をお楽しみください!

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