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第97回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会の4次R大阪エヴェッサVSアルバルク東京の個人的な試合展望

代表ウィークもあり、リーグ戦は中断。12月からリーグも再開し、新たに熱い戦いが繰り広げられる

ただ、その前に12/1(水)には天皇杯の4次Rが各地で開催され、リーグ戦とはまた違う”負けられない戦い”を楽しむことができます

前回大会は3次Rで宇都宮に敗れた大阪エヴェッサはQFを目指して

一方のアルバルク東京は前回大会は天皇杯ファイナルラウンドで敗戦し3位に。10大会ぶりの優勝を目指して戦います

中断前最後のリーグ戦では共に勝利を収めている両チーム。この中断期間中にどのような取り組みをして、それがコートの中でどのように体現されるか楽しみです!

この試合はバスケットLIVEにて放送されます。解説は根間洋一さん。実況は能政夕介でお届けしていきます

※加執・修正を行う可能性もあります。また、全て個人的な見解です。ご了承ください。

今季の両チームについて

大阪エヴェッサ(6勝8敗で西地区7位:1,080得点/1,102失点)

大阪は中断前のホーム京都戦で今季初の連勝を達成。茨城、宇都宮と敗れて連敗中だっただけにチームとしての自信も取り戻しつつある

GAME1は88-71、GAME2は77-60と2試合とも17点差をつけての勝利を飾った。特にGAME2はベンチポイント42点と、DJニュービルの得点が伸び悩むもロスター全員が出場し勝利に貢献した

今季は平均得点が77.1点(リーグ5位)と昨季の84.5点と比較すると攻撃面での課題もあるが、平均失点は78.7点と昨季の82.5点より改善はされている

昨季チームをけん引したDJニュービルの平均得点は今季ここまで18.9点だが、昨季と大きくは変わらない。3Pの成功率が昨季と比較して4.3%ダウン。(37.1%→32.8%)現在のメンバーでより良い形をつくっていけるかは、シーズンを通じて楽しみにしたいポイントです

現在東地区3位とのアルバルク東京の固い守備をどのように破っていくのかスターティング5の起用やメンバー交代も含めて注目したい

大阪に今季から加入した竹内譲次は古巣対戦にもなる。前節のGAME2では後半だけで6リバウンドと存在感も見せた。Bリーグ加入後は1勝13敗という戦績だが、ホームでの利を生かしてQF進出を決めたい

アルバルク東京(10勝4敗で東地区3位:1,124得点/1,010失点)

昨季は32勝24敗で東地区6位となりBリーグ加入後初めてポストシーズン進出を逃した。今季は安藤周人やセバスチャンサイズの加入を含めメンバーも入れ替わった中でここまで東地区3位につけている

開幕の琉球戦こそ連敗スタートだったが、その後は連敗することなく5連勝、4連勝と着実に勝率を向上させている

特にここまで平均失点数は72.1点と前節も、今季大型補強を敢行した島根相手にGAME2は終盤にサイズの得点で逆転、小酒部も気迫のこもった守備を披露し64-61で勝利をおさめている

昨季はケガ人の影響や接戦を勝ち切れずもどかしい時期もあったが、ホーム戦は7戦負けなしとホームで負けない強さも見せている

天皇杯は3次Rから戦い、アルティーリ千葉・滋賀・香川と3試合を勝ち進みこの4次Rへやってきた。過去2007年、2012年には優勝にも輝いているアルバルク東京は10大会ぶりの戴冠を目指して大阪と対戦する

両チームのメンバー編成

大阪エヴェッサの2021-22シーズンロスター(★が新加入選手)
★青木龍史(岩手から加入)
★ケドリック・ストックマン・ジュニア ※特別指定(日本国籍:横浜より加入)
エリエット・ドンリー(日本国籍)
★ジャワラジョセフ(日本国籍:FE名古屋から加入)
★ザック・モーア(日本国籍)
中村浩陸
橋本拓哉 ※インジュアリーリスト(右足アキレス腱断裂)
★竹内譲次(A東京から加入:古巣対戦)
合田怜
★カイル・ハント(三遠から加入)
ディージェイ・ニュービル
★木下誠(名古屋から加入)
アイラ・ブラウン(帰化選手)
★ペリー・エリス(外国籍選手:愛媛から加入)

ヘッドコーチは天日謙作HCが指揮。bjリーグ時代には3連覇も達成。2019シーズンから復帰。過去2季で西地区2位へ押し上げている

アルバルク東京の2021-22シーズンロスター(★が新加入選手)

小島元基
★ジョーダン・テイラー(北海道より加入)
吉井裕鷹(2018-19シーズンは大阪に在籍)
★安藤周人(名古屋Dより加入)
ザック・バランスキー
★セバスチャン・サイズ(外国籍選手:千葉より加入)
菊地祥平
平岩玄
★ライアン・ロシター(帰化選手:宇都宮より加入)
田中大貴
★笹倉怜寿(仙台より復帰:2019-20はA東京で3試合プレー)
アレックス・カーク
小酒部泰暉

率いるのはルカ・パヴィチェヴィッチHC就任5年目。国際経験も豊かなHCが今季もアルバルク東京を率います

過去の対戦成績(Bリーグ加入後は大阪の1勝・A東京の13勝)

過去の対戦成績は大阪エヴェッサの1勝、アルバルク東京の13勝とアルバルク東京が優勢となっている

大阪は昨季アウェイ戦で73-67でBリーグ加入後は初めて対アルバルク東京戦で勝利をおさめた

2017-18シーズン(A東京の4勝) 

大阪 60-81 A東京
大阪   65-68  A東京
A東京 99-55 大阪
A東京 79-69 大阪

2018-19シーズン(A東京の2勝) 

A東京 85-70 大阪
A東京 83-72 大阪

2019-20シーズン(A東京の2勝) 

大阪 66-67 A東京
大阪    55-62 A東京

2020-21シーズン(大阪の1勝 A東京の3勝) 

大阪 69-97 A東京
大阪    77-85 A東京
A東京 83-79 大阪
A東京 67-73 大阪

しかしながら、大阪のホームでは過去のリーグ戦では勝利はない。今季は高さのある竹内も加入し、アウトサイドからのシュートでもリバウンドを取って自分たちのオフェンスに繋げる場面もある

今季の良い部分を両チーム出せれば非常に見ごたえのある一戦になるはず。タフな好ゲームになる事を期待したい

楽しみなポイント

アルバルク東京の守備を大阪のオフェンスがどのようにクリエイトをして上回る事ができるかは1つポイントになりそうだ

前節の京都戦ではリバウント平均は2試合で約40回、アシストも平均25回と京都を上回り、コンビネーションからの得点も多く見られた

もちろんアルバルク東京のインサイドは強力でリバウント争いはこれまで以上に熾烈になる事が予想される(大阪は今季平均37.9回でリーグ6位。東京は今季平均38.1回でリーグ3位)

大阪はシュート精度が上がるシチュエーションをつくりだし、確実に決めきり良い状況で守備ができる環境をつくり自分たちのペースでバスケを展開したい

アルバルク東京はピックプレーから多彩な攻撃を展開。個の力もあり、ディフェンスもエナジーを持って臨んでくる

前節のGAME2のようにロースコアな展開でも勝ち切るチーム力を持っている。また、前節GAME2に関しては3Pが1/12とふるわなかったが、今季平均得点は80.3点と決して低い数値ではなく爆発力もある

両チームTOも少なく、自分たちの主軸となるバスケットをどれだけ長い時間展開することができるか。また、そのためにどんなプレーを見せてくれるか非常に楽しみだ

個人的な注目選手

大阪エヴェッサ #31 木下 誠

木下は前節の京都戦で今季最多となる13得点をマーク
スターティング5からの出場ではなかったが、1Qの中盤からエリスと共にコートに立つと得意のドリブルからチャンスメイク。特にエリスとのコンビネーションは非常に良く、2人の連携で良いパフォーマンスを見せた

今季名古屋から加入した木下だったが「徐々にチームのスタイルにも慣れてきた」と語るように、プレータイムを伸ばしつつ活躍の幅を広げている。得点だけでなくリバウンドやアシストでの貢献度も高いマルチプレーヤー

アルバルク東京に今季加入した安藤周人とは名古屋D時代に共にプレーした経験を持つ。お互い新天地で活躍をしている中で、チームを勝たせるプレーを見せれるか注目したい

アルバルク東京 #24 田中大貴

先日自身のSNSで代表引退を示唆するコメントを発表していた田中は今季キャプテンとしてアルバルク東京での戦いに集中している
前節GAME1は島根に対して悔しい敗戦だったが、GAME2はチームの中心として立て直した
周囲とうまく連携を図りながら自身も得点を重ね、15得点7アシストと勝利に貢献。高さもあり、得点も取れるPGの田中はメンバーが変わった中でも冷静にチームをまとめているように見える

天皇杯3次Rの連戦となった初戦アルティーリ千葉戦では3P(5/6)と19得点を挙げる試合もあり好調な姿も見せた(リーグでは今季平均10.9点 3P成功率は41.2%と高水準)
アルバルク東京は今季のリーグ戦での敗戦は全てアウェイ戦ではあるが、10大会ぶりの優勝を目指すために田中選手の活躍は必須となるだろう

明日の開催可否は12月1日当日の14時に確定

代表戦、天皇杯、そしてリーグ戦再開と楽しみな中で12月1日(水)開催予定のおおきにアリーナ舞洲付近では先日起こった火災の影響が現時点でも続いている

安全安心な状態が確保された上で試合が行われる事を最優先とし、消火活動に当たってくれている関係者の方や、影響を受けている地域の皆さんへの配慮を忘れることなく無事を祈るばかりです




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