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2022明治安田生命J2リーグ第14節ファジアーノ岡山対水戸ホーリーホックの個人的な見どころを紹介

J2リーグも13試合を消化し、今節で1/3を終えるという日程に。J1昇格に向けてスタートダッシュが必要なのは間違いない中で今年も『J2は魔境』と思わせてくれる順位状況ではある

J2リーグ第13節終了時点の順位表
※山形VS岡山は再試合決定も4/3の結果1-0を現時点では反映

5位から16位までの勝ち点差はわずかに「3」という混戦ぶり。連勝すれば一気に一桁順位まで上昇できる可能性もあり、逆に連敗すればすぐさま2桁順位へと変動するタフなシーズンになっている

そんな中で現在の記録上では4月負けなしの岡山は前節の東京Vに勝利し今季初の連勝を飾り4位に浮上。横浜FCが2試合連続の引き分けと無敗ながらも足踏みした事で上位争いも混戦だ

そして、水戸も前節好調だった甲府を破り17位へ。この4位と17位だが、勝ち点差は「6」。GWの連戦で連勝を続ければすぐに埋まる勝ち点差になっている

岡山は連勝を継続しホームで3連勝を。水戸はアウェイ戦で連勝を飾り、勢いを持ってホームに戻りたい一戦。岡山にとっては中2日だがホーム連戦。水戸にとっては、中3日のアウェイ戦となる

タフな日程の中だがGW中ということもあり多くのサポーターが直接声を届けてチームを後押しするはず。シティライトスタジアムから負けられないシーズンの前半戦。熱い試合に期待したいと思います

(J2リーグ 解説:桂秀樹さん リポーター:加戸英佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(13節終了時点)

ファジアーノ岡山:5勝6分2敗で勝ち点21の4位 (18得点14失点)

岡山は5連戦のここまでを2勝1分と勝ち点を積み上げている。前節の東京V戦は2-1で勝利し待望の今季初となる連勝をホームで飾った
特に5連戦の3試合全てで先制の得点が生まれており、試合を優位に進める展開に持ち込めている

もちろん、熊本戦や東京V戦では後半に失点。秋田戦でも押し込まれる場面もあったが着実に勝ち点を積み上げる事に成功している

特に前節は得点を決めた田中やミッチェルデュークも見事だったが、そこに至るまでのプロセスにも注目したい

1点目は木村がこらえてボールを保持し中に流し込んだことで得点が生まれ、2点目は昨季多くの出場機会を得ていた河野が4試合ぶりの先発。ドリブルで駆け上がり、ピンポイントのクロスを送り得点をアシストした

チアゴアウベスやミッチェルデュークという強力な外国籍選手に加え、新戦力となる田中の3得点や秋田戦で待望の今季初ゴールを記録した柳など、この連戦で勝利しながらチームの底上げにも成功している
とはいえ、前節河井や徳元の負傷もあり今節は中2日ということで、チームとしての実力が問われる一戦になりそうだ

次なるチームを引っ張る選手は誰が出てくるのか?ホームの後押しを受けながらどのように戦うのかも楽しみな一戦になりそうだ

水戸ホーリーホック:4勝3分6敗で勝ち点15の17位(17得点18失点)

一方の水戸は5連戦を2勝1敗と勝ち越し。長崎戦は0-1で悔しい敗戦も、水戸らしさを見せる一面もあった。アウェイ戦は今季1勝のみだが、勝利して次節のホーム戦に繋げたい

前節は4連勝中と波に乗る甲府をホームで迎えた。先発メンバーをGKを除き10名入れ替えた水戸は立ち上がりはなかなか自分たちのリズムをつくらせてもらえない

甲府のパスワークやサイドチェンジに手を焼き、守備に徹する時間が長くなりサイドを起点に攻め込まれるも得点は許さず反撃の機会を待つ
すると、水戸らしいハードワークかつアグレッシブな守備からボールを奪いカウンターへ。安藤からのボールを、J通算100試合のセレモニーで祝福された曽根田が得点を決めて先制に成功

更に、その先制後すぐに、前線からの守備で相手のパスが流れたところを見逃さなかった安藤が待望の今季初ゴールを決めて水戸がホームで2点を先行し折り返した
後半は、甲府が選手交代を含めて流れを戻し1点を返すが、最後まで体の張った守備を見せて連敗せず、メンバーを大きく交代した中で貴重な勝ち点3を得た

今季は序盤に苦しむも、多くの選手を先発起用するなどチームの総合力で徐々に押上げを図っている水戸。過去の対戦成績では分がある岡山は、前節同様またしても上位相手だがアグレッシブなサッカーを90分間体現して勝利をつかみ取りたい

過去の対戦戦績(岡山の6勝・水戸の14勝・7度の引き分け)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると岡山の6勝、水戸の14勝で7つの引き分けと水戸はリード

昨季は岡山のホームでは2-1で水戸が勝利(岡山:下口 水戸:中山、松崎が得点)
水戸のホームでは1-1の引きわけ(岡山:石毛  水戸:松崎の得点)
特に水戸ホームの試合では後半アディショナルタイムに両チーム得点を奪い合う劇的な展開だったので印象に残っている方もいるかもしれません

岡山が対水戸戦最後に勝利したのは2020年のホーム戦。この時は3-1で勝利
水戸は2017-19年の間で行われたリーグ戦5試合で対岡山戦5連勝(全試合完封)を記録しています

過去、水戸は在籍している選手のなかでは、森が2020年にゴールを記録

また、岡山の木山監督は1999-2002年まで4年間選手として水戸に在籍し、2008-10年は3年間監督として指揮
1994年に共に選手としてJデビューを果たした木山監督と秋葉監督はJリーグデビューの同期とも言える

試合中の立ち振る舞いでは対照的な部分もあるが、指揮官のチーム編成や戦い方にも注目したい

今シーズンの成績

ファジアーノ岡山:5勝6分2敗で勝ち点21の4位 (18得点14失点)

先制試合:7試合 4勝3分0敗(先制すれば負けなし)
先制された試合:6試合 1勝3分2敗(開幕戦の甲府戦は先制を許すも4-1で逆転勝利)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 2勝3分1敗 勝ち点9  9得点  6失点 得失点+2
アウェイ: 3勝3分1敗 勝ち点12 9得点  8失点 得失点+1
リーグ戦では9名が得点(チアゴアウベス4得点、田中・ミッチェルデューク3得点)

複数得点:3試合  
複数失点:2試合(昨季も8試合のみと守備は手堅い)
無失点:3試合(12節の秋田戦が4試合ぶりの無失点) 
無得点:1試合(7節の岩手戦のみ)

<得点>前半に8得点 後半に10得点 
<失点>前半は8失点 後半は6失点

今季は18得点中セットプレーでの得点は7点の38.9%。バイスの直接FK(3節の栃木戦)
キッカーは田中、バイス、柳、河合、徳元など幅広い(PKはチアゴアウベスの1得点:5節の横浜FC戦)

一方14失点中セットプレーからの失点は3で割合は21.4%(FKから1失点、CKから2失点)
アグレッシブな水戸の攻撃に対して無失点で終えられるかも注目したい

水戸ホーリーホック:4勝3分6敗で勝ち点15の17位(17得点18失点)

先制試合:7試合 3勝2分2敗(2節の仙台戦、4節の横浜FC戦は先制も逆転負け)
先制された試合:6試合1勝1分4敗(11節の山口戦は劇的な逆転勝利)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 3勝1分3敗  勝ち点10  10得点  9失点 得失点+1
アウェイ: 1勝2分3敗  勝ち点5  7得点  9失点 得失点-2

複数得点:6試合  
複数失点:4試合(仙台、横浜FC、群馬、山口戦で複数失点)
無失点:1試合(6節熊本戦) 
無得点:3試合(3節秋田、7節栃木、12節長崎戦)

<得点>前半に8得点 後半に9得点  
<失点>前半に7失点 後半に11失点

セットプレーからの得点は3/17で17.6%(5節、松田のCKからや8節の木下のPK等)
18失点中セットプレーからの失点は6点(33.3%)でFKから1失点、CKから4失点、PKから1失点している

特に水戸は現在の登録メンバー32名中試合出場選手は28名でその内27名が一度は先発起用されている。(岡山は34名中23名が出場。先発起用は内21名)

個人的な見どころ

5連戦の4連戦目ということでメンバー編成は1つ注目があつまるところかもしれない。岡山で言えば前節のメンバーに加え、秋田戦で先発起用されたメンバーとの混合になる可能性も高い。とはいえ、負傷した河井、徳元の代わりも想定しながらのメンバー先行となりそうだ
現時点では、中盤は喜山や佐野が有力。SBは成瀬、河野、野口含めて誰が起用されるか楽しみにしたい

一方の水戸は正直全く読めない。前述した通り、今季は登録メンバー中ケガ人を除けば登録選手のほとんどが試合に起用され、しかも途中出場ではなく多くの選手が先発からプレーする事を経験している。チームとしての戦術の浸透度等を考えると様々な考えがあるものの、タフな日程で戦うJ2リーグを考えると、当然選手の質だけではない層の厚さが求められてくる。木山監督、秋葉監督共に前節勝利を挙げているだけに、どのように選手をチョイスしてピッチに送り込むかは楽しみなポイントの1つである

試合の展開で言えば、岡山は水戸のアグレッシブな前からの守備を外してサイドから早く仕掛ける事ができるかは1つポイントになるかもしれない
基本は4バックの水戸だが、相手によって効果的にシステムも変えてくる。秋田戦や横浜FC戦に続き、前節はスタートから3バックを採用。対岡山戦では4バックを組む可能性が高いと予想するが、高いラインを取る相手の裏を取りながら、高さや強さのあるCBが整う前に仕掛け切りたい

またセカンドボールに対しての反応をどちらが粘り強く取り切り、自分たちの攻撃へ繋げられるかはカギになるかもしれない

加えて、両チーム前節先制し2点リードを保つことで、試合の主導権を握った。岡山は3試合連続の先制、水戸は金沢戦以来4試合ぶりとなる先制のゴールだった

先制点が試合を優位にするのは当然だが、先制点を奪うタイミングと、そのプロセスにも注目をしていきたい。前節は共に「らしさ」が光った先制ゴールでもあった

セットプレーでは分がある岡山に対し、水戸は早い時間に先制ゴールを奪い、試合を優位に進めたい。メンバー編成に加え、前半の戦い方も楽しめるポイントの1つかもしれない

個人的な注目選手

ホームのファジアーノ岡山は#39白井陽斗に期待したい
前節は途中からのプレーも今季はここまで9試合で1ゴールをマークしている
ガンバ時代もサイドからの突破でチャンスメイク。また、J3リーグで戦っていたU23時代では高い得点能力を見せる場面もあった
怪我で苦しむ時期もあったが、新たなチャレンジとしてプレーする岡山の選手としてサイドからの突破から目に見える活躍でチームを押し上げるプレーを見せて欲しい

一方の水戸は前節得点も記録した#9安藤瑞季に注目したい
セレッソ大阪時代は白井と同じくU23でもプレーし2019年は11得点を記録するもなかなかトップチームで結果を残すことはできなかった
そこから、町田、水戸でプレーしシーズンを重ねる事に成長も見せていた
今季はなかなか得点を記録することができなかった中で、嬉しい今季初ゴール。とはいえ、チームトップの4アシストを記録している安藤はチームの中でも期待値は高い
ただ、持ち前のアグレッシブなプレーに加えて、強烈なシュートでゴールをこじ開け、チームに勝ち点3をもたらすプレーを見せたい

個人的には過去ガンバやセレッソのU23を実況担当していたこともあり、白井や安藤だけではなく、森や唐山、茂木などかつて見ていた選手たちが新しい場で挑戦している姿には様々な思いもある

岡山にとっては多くのサポーターがかけつけるこのGW中にホームで夢を与えるサッカーを。そして、水戸も中3日かつアウェイというタフな日程だが、応援してくれるサポーターに勝利を届けたい一戦

5月4日(水)14時からシティライトスタジアムでキックオフ!是非現地かDAZNでお楽しみください!

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