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Bリーグ2023-24シーズン第35節長崎ヴェルカ対大阪エヴェッサの個人的な試合展望

長かったレギュラーシーズンもいよいよ最終版。残り2節となった。残留争い、CS進出に向けても熾烈を極める今週末。各地での熱戦に期待したい

残留やCSに限らず1試合1試合の結果や成績がコートに立つプロのアスリートの未来に繋がっている。そしてそれを支えてくれるブースターの皆さんにとってはホームでの最終戦やシーズンのラストというのは感慨深くもあり、特別な思いもあるはず

盛り上がりを見せるバスケット。そしてBリーグの中でも、翌年全く同じメンバーで戦う事は稀有なこと。だからこそ、今シーズン、このメンバーで戦う姿を見る事ができるのは特別なことかもしれない

長崎は前節アウェイの地で琉球と1勝1敗。GAME1は敗戦もGAME2でしっかりと勝利を掴んだ。この勢いのまま、残り4試合は大阪、京都と同地区対決が続く。連勝でのフィニッシュを目指したい

一方の大阪はCSを目指す広島相手に連敗。ただ、4/17には名古屋Dに16点差で勝利するなど地力がある部分を証明して見せた

今季は対長崎戦連勝なだけに、ホーム最終戦の島根戦に向けて勢いをつけたい一戦となる

今年の秋には新アリーナ「HAPPINESS ARENA」も稼働。スポーツで盛り上がる長崎だが、それを支えてくれた体育館やアリーナに敬意を払いながら最終戦を見届けたい

今節はイレギュラーですがGAME2のみ実況を担当します。長崎の皆さんよろしくお願いいたします

解説:小林慎太郎さん 実況:能政夕介(GAME2のみ)
※資料は加執・修正の可能性があります

両チームの今季と前節について(4/26時点)34節終了時点

長崎ヴェルカ【平均80.6得点(リーグ8位)平均83.8失点(リーグ21位)】24勝32敗で西地区6位

長崎は前節GAME1、立ち上がりから苦しみ難しい試合にしてしまった
高確率で琉球にアウトサイドのシュートを許し、インサイドでも主導権を握られる

ただ、その中でも随所に長崎らしい守備のスイッチから得点を奪う場面もあった
GAME1で馬場は20得点7リバウンド4アシストに5スティールと活躍

今季はボールハンドリングも担う影響や、大切なところで託される部分、警戒される要素もありTOは4つマーク

それでも終盤に出場機会を増やしている小針も2桁得点で存在感を出し、榎田もスティールからの得点と短い時間でも「らしさ」を見せた

そしてGAME2では高比良に代えて、ディクソンJRタリキをスタートから起用。立ち上がりは互角の戦いを見せる

全体のスタッツでは3Pで上回り、リバウンドでは39回で並び、何より全体でのTOが4回と集中力高く1試合を戦い抜き勝利を飾った

前田HCもGAME2を振り返って「最初のワンポゼッション目から最後のワンポゼッションまで選手たちは素晴らしいマインドセットで戦ってくれました。そこが今日の1番大きな部分だったと思います」
と語った。西地区首位の琉球に勝利したこの勢いをホームの地にも継続させていきたい

大阪エヴェッサ【平均79.1得点(リーグ13位)平均83.2失点(リーグ20位)】22勝34敗で西地区7位(連敗中)

大阪にとっては先週水曜日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で飾った自信に繋がる勝利を継続したい広島戦だった

ただ、大阪も長崎と同様にGAME1の入りは難しい展開になった
7つのTOを与え、広島は約70%と高確率でシュートを沈めて主導権を握った

2Q以降は大阪もカムバックして接戦に持ち込むが、1Qでの16点差が響き、連勝とはならなかった

それでもGAME1はロングとカロイアロは存在感を見せた。加えて木下は3Pを5/6沈める活躍を見せた
大阪の起爆剤となったイヒョンジュンの調子が上がらない際に、チームとしてどう立て直していくかが問われた一戦にもなった

GAME2も入りの部分で同様に苦しい展開を迎える
GAME1よりもTOは4つと減らすも、広島のDF強度に苦しみ12点差で1Qを終える

第3Qにはカロイアロと飯尾が得点を重ね差を縮めるも、終盤に再びリードを広げられて連敗となった

この日はカロイアロがインサイド、アウトサイドで得点を重ねて25得点を記録。ただ、イヒョンジュンは両日2桁得点には乗らず、相手の対策やマークが厳しくなる中でもチームで良い循環を生み出したい

特に残り4試合は同地区対決。長崎戦で大阪は2勝を挙げれば順位を1つ上げる事もできる。残り4試合、ホーム最終戦に繋げる好ゲームに期待したい

両チームのメンバー編成

長崎ヴェルカ
HC:前田健滋朗(2年目)

■選手(継続)
松本健児リオン
小針幸也
狩俣昌也
マットボンズ
髙比良寛治
野口大介
榎田拓真

■新加入(IN)
森川正明(横浜BCから加入)
荒谷裕秀(宇都宮から加入)
チャンミンクク(韓国のクラブから加入)
ジャレル・ブラントリー(オーストラリアのクラブから加入)
馬場雄大
木林優(12/29に特別指定選手として加入発表)
ディクソンジュニアタリキ(熊本より再加入)
ジェレミーエヴァンス(3/19に契約)(アル・マナーマ(バーレーン)(2022-23)でプレー)

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
松井智哉(鹿児島へ移籍)
山本エドワード(香川へ移籍)
ウィタカケンタ(鹿児島へ移籍)
山崎凛(滋賀へ移籍)
パブロ・アギラール(福岡へ移籍)
近藤崚太(東京Zへ移籍)
ジョーダン・ヘディング
デボーンワシントン(1/30に加入発表→その後契約解除に)過去信州や仙台、新潟でもプレー経験
ニック・パーキンズ(イタリアのクラブから加入)→3/26契約解除もコーチとして引き続きチームに帯同

大阪エヴェッサ
HC:マティアス・フィッシャーHC(2年目)

■選手(継続)
橋本拓哉(9季目:2012-13のbjリーグ時代でのプレー含む)
竹内譲次(3季目)
合田怜(8季目))
飯尾文哉(昨季特別指定選手でプレー今季からプロとしてプレー)
木下誠(3季目)
鈴木達也(2季目)

■新加入(IN)
ショーン・ロング(北海道から加入)
西川貴之(佐賀から加入)
アンジェロ・カロイアロ(トルコのクラブから加入)
イアン・ハマー(ギリシャのクラブから加入)
土屋アリスター時生(三遠から加入)
多嶋朝飛(茨城から加入)
髙木 拓海(大阪産業大学より特別指定選手として加入)

■他チームへ移籍
エリエット・ドンリー(信州へ移籍)
星野零志(岩手へ移籍)
ショーン・オマラ(FE名古屋へ移籍)
アイラ・ブラウン(千葉Jへ移籍)
ディージェイ・ニュービル(宇都宮へ移籍)
カイル・ハント(新潟へ移籍)

両チームの縁としては、
野口と西川が北海道で共にプレー(2013-17)
森川・狩俣が西川が三河で共にプレー(2017-19)
馬場と竹内はA東京で共にプレー(2017-19)
松本と土屋は西宮で共にプレー(2016-17)
マットボンズとフィッシャーHCは2020-21シーズン西宮で共に戦う

コート上の再開、そのコミュニケーションにも注目したい

過去の対戦成績(大阪2勝)リーグのみ

今季は2023年の年末に週末で対戦し大阪が連勝
特に12月23日のGAME1は2点差で勝敗が決する、手に汗握った好ゲームになった

長崎は馬場が両日2桁得点を記録し、チームをけん引
ブラントリー、パーキンズも2桁得点を記録するも、チームの要であるマットボンズが1桁得点。流れを掴み切れず悔しい連敗となった

大阪はロングが両日のダブルダブルを記録。インサイドで圧倒的な存在感を見せた。カロイアロに加え、日本人プレーヤーの橋本、木下の活躍も前回対戦時の勝利に大きく貢献(橋本・木下共に両日2桁得点)
長崎にとってはホーム最終戦。しっかりと勝利で締めくくり、新アリーナで戦う来季に備えていきたい

大阪 97-95 長崎 2023.12.23
大阪 90-72 長崎 2023.12.24

★現状は大阪が今季初対戦で連勝中。いずれも大阪のホーム戦。大阪はアウェイ長崎戦は初めて

個人的な見どころ

今季で3度目の対戦となる今週末。私はGAME2の担当のみですが、GAME1でどんな戦いが繰り広げられるでしょうか?

個人的な注目点は3点

①立ち上がりの守備強度
前節は長崎はGAME1、大阪は両日、試合の立ち上がりで良い入りができなかった

良い流れから得点を取り自分たちのリズムをどのようにつくるか?そして、それをさせない守備の部分により注目していきたい

長崎と大阪は前回の12月の対戦時では両日大阪が勝利をしているがGAME1は接戦だった。GAME1では長崎は自分たちのバスケを展開し、大阪がそれに付き合う展開になりハイペースなバスケットに

ただ、GAME2は大阪の守備強度は上がり、長崎は自分たちのテンポでなかなかバスケットができない時間帯が増えた

長崎は今季アグレッシブな守備でボールを奪い、そして早い展開力でリズムをつくっている。展開は早いが良い状態で攻撃に成功し、しっかりと守備に入れば相手のオフェンスを止めながら、次の攻撃に繋げる事ができる

一方の大阪も、昨季程リバウンドでは優位性はないものの、インサイドでの強さはリーグ随一でもある
相手に難しいシュートセレクションをさせて、DRで粘りながらしっかりと得点を取り自分たちのペースを序盤からつくりたい

②インサイド&リバウンドの攻防
①を実現するために特に長崎目線で見れば、OFを良い状態で終わらせるためのORと大阪のインサイド、ロングとカロイアロとタイプの違う外国籍選手を抑える事ができるかどうか注目したい

一方大阪は、強みであるペイントエリアでの得点を取るために、長崎のオフェンスを粘り強く守りDRで活路を見出したい

そしてそこから自慢のインサイドアタックでリズムをつくりたい

両チームの平均得点と失点数は数字が近い

長崎:平均得点80.6得点(リーグ8位)平均失点83.8失点(リーグ21位)
大阪:平均得点79.1得点(リーグ13位)平均失点83.2失点(リーグ20位)

ただこの得点までのプロセスや構成は異なる部分がある
長崎は3Pの試投数と成功数はリーグ6位(9.6回/29.1回=33.0%)
※成功率はリーグ15位も積極的にアウトサイドのシュートを色んな選手が放ってきます

逆に大阪は3Pの試投数と成功数はリーグ22位と24位(7.5回/22.5回=33.5%)
※数は少ないが成功率は高い

大阪はインサイドに活路を見出し、2Pの試投数と成功数はリーグ随一(22.2回/41.4回=53.6%)
それぞれの良さを出すために、どのような流れをつくっていくのか?インサイドとリバウンドの対決。そこに至るまでのプロセスと、リバウンド後の展開にも注目したい

他にも長崎はスティール平均はリーグトップで1試合平均8.0回

一方でファウルの数は平均20.6回でリーグで2番目に多い

対する大阪はFD(ファウルを受ける回数)が平均19.1回でリーグ4位

大阪は決してFTの成功率が高いわけではないが、長崎は強度の高い守備でファウルをせずに流れをつくりたい
一方大阪は相手からファウルを奪い、コートで戦うメンバーの編成を難しくさせたいところだ

③鍵を握るキープレイヤーの活躍

今季のチームを支えたキープレイヤーが各チームにいる
長崎で言えばマットボンズと馬場雄大
マットボンズはチームトップの平均15.9得点。スタートからでもベンチからでも流れをつくることができ、インサイド・アウトサイドの両方で得点ができ、高い身体能力で攻守に躍動している

そして日本代表の馬場雄大は平均14.0得点。こちらもインサイド・アウトサイドで効率よく得点を重ね、アシスト・リバウントのバランスも良い
そしてスティールランキングはリーグ4位と守備のスイッチを入れる役目をはたしている

一方の大阪はやはりショーンロングとアンジェロ・カロイアロを挙げたい

圧倒的なインサイドでの存在感でロングはここまで平均19.1得点でリーグ4位、更にリバウンドも10.7回でリーグ2位

一方のカロイアロは途中負傷で離脱もあったが、平均17.2得点。3Pの成功率は40%に迫る勢いだ。バスケットIQも高く、アシスト平均も4.0回とロングと良いコンビネーションを見せている

長崎はここにブラントリー、大阪は途中から加入したイヒョンジュンと外国籍選手の存在感が光る

このキープレイヤーをどのように輝かせるか?個々の躍動ももちろんだが、それ以外の選手たちの活躍を見せて相手チームを困らせたい

長崎は今季チーム1番の成長プレーヤーと呼んでも良い小針や、前節タフな守備を見せたディクソンジュニアタリキ

大阪は木下、飯尾の奮起に期待したい。木下は広島戦で17得点を記録。飯尾は今季ケガ人が出た際に存在感を見せた

リーグ終盤。残り4試合。願わくば、ケガ人の復帰や、新たな負傷をすることなくタフで熱い展開を毎試合見ていきたい

4月最後のゲーム。GWなので初めてバスケットを見に行く方もいらっしゃるかもしれません。素晴らしい試合を届けていけるよう私も準備して臨みます

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