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備忘録的なもの「シャーデンフロイデとオキシトシン」

中野信子「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感」の内容を自分なりに噛み砕き、また、己の頭の中にあるものも含めて整理する為に色々とここに書き記しておく。


●シャーデンフロイデとは

誰かが失敗した時に、思わず湧き起こってしまう喜びの感情のこと。
他人の不幸は蜜の味。溜飲が下がる思い。自分にとってイヤな奴や邪魔な奴、嫌いな奴なんかが失敗しときに「ざまあ!」だの「ニヤリ」だのと思う感情。

【シャーデンフロイデはオキシトシンと深い関わりがある】


●オキシトシンとは

多幸感をもたらす脳内物質。
オキシトシンは愛情や幸せをもたらす。
オキシトシンは安らぎや癒しをもたらす。
オキシトシンは「愛と絆のホルモン」である。
人と人とのつながりを強めるのがオキシトシンの本質的な働きである。


●「愛と絆のホルモン」であるオキシトシンはシャーデンフロイデとも深い関わりがある

本来的に素晴らしいものであるはずの愛や絆にもネガティブな要素が内包されている(ネガティブな要素が内包されているのは仕方のないことである)。
愛憎表裏一体。行き過ぎた重い愛からの支配。
仲間意識と仲間外れ、差別、いじめ。
絆を裏切った者、蔑ろにした者に対する負の感情。
また、妬みについて、良性な妬みは憧れや尊敬を抱いて学習意欲を高める原動力となるが、悪性な妬みは相手を引きずり下ろしたい願望となる。
これらのネガティブな要素ともオキシトシンは深い関わりがある。


●シャーデンフロイデは人間である以上誰にでもあるもの

個体差(個人差)、程度の差はあるがシャーデンフロイデは我々人間には誰にでもあるものである。
シャーデンフロイデがオキシトシンと深い関わりがあるのは、我々サピエンスにとってシャーデンフロイデが生物として結果として必要であったということである。
シャーデンフロイデにより喜びを感じてしまうのは、生物あるいは生物種として生き延びる為に、我々サピエンスの脳に仕組まれたシステムがあるからである。


●シャーデンフロイデの役割

シャーデンフロイデは共同体維持の為に必要であった。社会を守る為に必要であった。
例えば、フリーライダー(ただ乗りする奴)のような自分達よりも不当に得をしている人間を引きずり下ろし排除することが出来る社会の方が、それがない社会よりも、我々サピエンスという生物種にとっては種の保存に適していた。
シャーデンフロイデが機能している社会の方が種の保存に適した社会を築くことが出来た為、シャーデンフロイデがある個体が進化の過程で自然選択されてきたと思われる。シャーデンフロイデは進化の過程で構築された脳のシステムの一つである。



●己のシャーデンフロイデとのつきあい方

シャーデンフロイデは人間には誰にでも備わっている脳の機能からの感情なのであって恥ずべきことではない。
シャーデンフロイデはあって当然である。それを踏まえた上での立ち振舞いが重要である。
また、我々人間はそういった生き物であるという前提で社会システムを構築していく必要があると思われる。

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