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53歳、これからのチャレンジ。

目の前のパソコン画面に25名の顔が並んでいる。そして、画面の右端には1/3の文字。つまり、あとこの画面が2画面あるということであって、いまこの瞬間に総勢75名もの人たちとつながっている。

「チャレンジパーティ」
これから、このパーティが始まろうとしている。総勢75名を超えるオンラインパーティ。そんじょそこらのオン飲みどころの騒ぎじゃない。

パーティの主催は「勉強を教えない塾 福幸塾」。すでに成人して数年たった娘たちが、中高生のときにお世話になったのがご縁。

このパーティに参加しようと思ったのは、今の自分の境遇がまさにチャレンジングな状況だからだ。去年会社を辞めてから、あれこれ一年間考えたすえ、自立の道を歩もうと決めた。

まったくゼロからの試み。これ以上のチャレンジングはないだろう。

とにかく、自分がこれから手がけようとするものについて語りたい、いろんな人と繋がりを持ちたい。

そんな気持ちでパーティに臨んだ。

「勉強を教えない塾」を創業からうたっているだけあって、画面の向こう側にいる人たちは、やはりいい意味で普通ではなかった。

日本全国周りながらお金に困ったら駅前てケツバットさせて稼ぐ人、かつてコミュ障だったのにコミュニケーションジムなるもの経営する人、「壁打ち」と称して事業スタートアップやコンサルする若い女性……、想像以上だった。自分のやりたいことを耳を傾け、カタチとして整え自分の事業をしている。「壁打ち」さんのお話などは、大学卒業後に就職したいと思える先がなかったから、自分の職を自分で創った、みたいな感じ。どんだけエネルギッシュなんだ。

ここで出会った人は、全て「はじめまして」だった。そして、聴くお話も「え、何それ?」と初めて聞くこと、驚くことばかり。世の中って、本当にいろんな人たちがいっぱいいる。

「世間は広い」とよく言ったもののだ。でも、ここで感じたのは、ただの広さだけではない。深さというか奥行きがあるというか、もっと立体的な拡がりを感じた。その人その人それぞれに、深さや奥行きがあるからなのかもしれない。


自分がこれからやろうとすることに、「ことはじめ」というタグネームをつけた。つけた、というか、正しくは最初まずタグネームが立ち上がって、そこからやりたいことがカタチになっていった、という感じ。

不思議なもので、漠然とした想いに名前がつくと力を帯びてくる。もやっとふわふわと浮かんでいた雲みたいなものに、薄墨でうっすらと輪郭が描かれて、なんとなくカタチ見えてきそうな感じになる。そして、いまはちゃんとひとつのカタチとなって自分のど真ん中にいる。

今やりたいことは、その「ことはじめ」のカタチを育み、深掘りし、そして拡げること。せっかく見えてきた自分の姿を差し置いて、他のことをするということが考えられなくなってきている。

そうは言っても、先なんてまったく見えていない。生活費を稼がなにゃならんのに、だ。そんなことに意識の焦点あてると不安感情の波が一気に押し寄せてくる。

だからといって、自分の気持ちが乗らないこと、向いてもいないことに背伸びして、自らを合わせていく、なんてことが考えられない。それはさんざん29年間してきた。そして、それをリセットしようと思って希望退職応募のボタンを押した。

そんな思いを行ったり来たりさせているなかで、「ことはじめ」が自分の中に居座りだしてきたら、意識のフォーカス先が変わってきた。

「不安になってアレコレ考えているヒマあったら、動けよ!」

何か拍子に立ち止まりかけたとき、その声が頭のなかで大きく響く。あーだこーだ言っているだけで動きを止まる時間がもったいない。そんな心境になってきている。自分のなかに不安は絶えずあるは間違いない。ただそれ以上に、不安がる前にやることやれよ、という気持ちが大きくなってかている。

実際に動くと、何かしらと次のことにつながるようなきっかけが生まれる。一足飛びに行かなくても、確実に輪が拡がっている手応えを感じる。その手応えを感じるとそこからまた次に手を伸ばそうとしたくなる。

とにかく、やれるところまでやるだけだ。

画面の向こう側と会話しながら、その気持ちがどんどん膨らんでいくのがわかる。


「アレ? これって、パーティを主催した福幸塾じゅくちょうの思惑にはまっている??」

たぶん、そうだろう。

でも、よくよく自分の心の奥底を見つめていくと、そうなることを望んでいた、という正直な気持ちがあることに気づく。欲しいのは、ただ人とのつながりだけではない。人と触れ合った瞬間に自分のなかで起こる「化学反応」だ。次の行動へとつながる「起爆剤」だ。

とにかく動き、「ことはじめ」を育み、そして今度は、自分が刺激となってもらえる存在になる。意識を向けるフォーカスは、そこ。

そこが、いまの自分の軸だ。








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