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大人になっても忘れたくないもの、忘れちゃいけないものは、大体少年ジャンプの中にある。

ありったけの夢をかき集めた長編漫画を、全巻セットで大人買いした。
両手いっぱいに紙袋に詰められた83巻の冒険物語は凄まじい速さで読み進められ、1週間後には再びブックオフへと戻って行った。
あっという間の出来事だった。

私が中学生の頃、まだ彼は魚人のアーロンと戦っていたというのに、読み進めると、今度は魚人と手を取り合って戦っていたりした。

女に好かれてみたり、兄が死んだり、仲間が抜ける抜けないでモメてみたり、懐かしの再会があったり。
彼は彼で楽しく冒険をしていて、その時々、別の誰かの正義と戦っていたり、差別や偏見と戦っていたり、なんかこうして読んでいると、あの夢物語もひょっとして現実と対して変わらないのではないかと思うんだけど、いつ何時もめちゃくちゃ楽しそうに生きている所が、彼のすごい所である。

あの素直さ、真っ直ぐさ、ひたむきさを、私たち大人は忘れてしまいがちだ。

「仲間を大切に」なんて、何万回も何千回も言われてきた事なのに、いざという時、身勝手なほどに自分を守ってしまったり、いとも簡単に傷つけてしまったり、大人になる程それが巧みに、さぞ自分は悪くないかのように振る舞えてしまうから悲しいものだ。きっと、入社式の時に飲んだエビアンの中に、悪魔の実・モデル人間の大人が入っていたのだろう。私たちはズルさと姑息さと卑怯さと、様々な能力と引き換えに、まっすぐなひたむきさを失った。そして社会という冒険の旅を続けている。

きっと、私たちが食べた悪魔の実も、あながち悪いものではないのだと私は思う。
多少ズルくても、自分のなりたいものや叶えたい夢などの目標があるのなら、それは立派な武器になる。
社会には能力者がたくさんいるので、それを面白おかしく観察するのもいい。資格や愛想という海楼石の手錠を備えておくのも便利だ。意外と努力で作れるものもある。

時々、能力者なのに素直でひたむきで真っ直ぐな人もいる。これが覇王色の覇気?!と思う時もあれば、ただのバカの場合もある。
素直でまっすぐだからといって、社会という名の海は渡れない。そういう人はどちらかというと誰かの出世の道具にされがちだから、その優しさを何のために使うかを決めておいた方がいい。七武海やら四皇の言いなりになって、過労死だけはしないでくれ。

新世界まで来ると、結婚やら出産やらのライフイベントの荒波が激しくなる。女だから剣士になれなかったくいなのように、女だからという理由で新世界に行けない人も沢山いる。
冒険を辞めて、私は家庭を守るわ!という選択もありだが、今のご時世は大航海時代ではない事だけは忘れないで欲しい。共働きじゃないと沈む船もこの世にはある。結婚しても、あなたの冒険は終わらない。

1人乗りでも楽しい船もあるし、奴隷船だって未だに存在している。どの船に乗るかも、どの船に乗り換えるかも、あなたの自由だ。

別に何が言いたいわけじゃないけど。
「ひとつなぎの大秘宝って、ここまでたどり着くまでに出来た仲間のことだ説」が昔からあるけど、
もしそうだとしたら、あなたの船は??船員は??仲間は誰??って問いかけられてるようで胸が苦しい。
その時々でメンバーは違えど、社会に関わろう、人と繋がって生きてる事を忘れずにいよう、そんな事を思った1週間だった。

あとサンジの結婚のくだりが最高過ぎて、全国の夢女永遠のテーマ「ゾロとサンジ付き合うならどっち?」の答えに十数年かかってようやくたどり着く事が出来た。

サンジだ、間違いない。

現場からは以上です。

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