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SONYのラジオだけが父親の友達だった!

亡くなった父親の唯一の友達は、SONYの小さな黒いラジオだった。いつも父親は1日中ラジオをつけたまま、過ごしていた。

職人だった父親は、ラジオを聴きながら仕事を暑い日も寒い日も外でしていた。唯一の楽しみが、このラジオだったのだろう。父親が病気で仕事を辞めてからも、父親のラジオ生活は変わらなかった。

いつも仕事に出勤する母親が、帰宅した時に、今日はどんな話を、雑談を、母親にしようか?と常にそのネタをラジオから見つけていたのだと思う。帰宅すると子供のような嬉しそうな顔をして、今日のラジオトークを一生懸命に母親に話すことが父親の日課だった。

父親が時々、若者のような言葉を使ったり、色々な雑学、知識豊富だったことも、人を笑わせる面白いことをよく言うのも、ラジオのおかげだ。ラジオを聴き続けた父親は、生涯、認知症にだけはならなかった。脳にラジオが良いことは当時は知らなかった。

身体のあちこち癌やパーキンソン病にまでなり、日常生活がとても不自由になっても、父親は、いつも誰よりもキレイ好きで、毎日身だしなみを整えて、母親と手をつなぎ一生懸命に歩き、生き続けた人だった。生涯、母親の前で最高にかっこいい、スタイル抜群のイケメンだった。

入院した病院でも父親はまるで有名俳優?芸能人のように、顔が美形、イケメンと周りに驚かれた。美しすぎる容姿の父親は、漫画に出てきそうな美少女だ。

父親に似ていたら?どれほどの美人さんか?

残念ながらうまくいかないものですね。家族であんな美形、美人さんは、父親のみ。おじさん、おじいちゃんにはならなかった。

父親は、私の友達や元彼にも驚かれたイケメンぶりだ。皆が、スゴイ!と、驚く容姿でも、人生はそれほど幸せではなかった。最後に残ったのは、父親の相棒、友達はSONYのラジオ君だけだ。父親の話し相手は、乾電池でおしゃべりしてくれる。

両親は、いつも手をつないで外出していた。お風呂もいつも仲良く2人で入浴、布団も毎日仲良く2つを横にくっつけて敷いていた。大昔のチャーミーグリーンのCM夫婦の世界だ。いくつになっても新婚さんなのです。夫婦の会話がなくならなかったのもラジオのおかげだ。ラジオがなければ、離婚していたかもしれない。

母親は、父親が天国に行き、その後SONYのラジオを父親だと思い、大切に枕元に置き、いつも寝る時も朝の目覚めも、ラジオを聴いていた。今も仏壇に毎朝、食事の準備をもう何年続けているのだろうか?

お見合い結婚、父親は今も1人の女性に愛され続けている。

父親は娘よりも世界一、母親が大切で生涯大好きな女性でした!いつも毎日、ありがとうを母親に何度も何度も感謝の言葉を贈り続けた。

母親は何があっても別れなかった。

父親は黄色が大好きな人だった。

今夜も素敵な夜を♡

私はあなたの時間泥棒☆彡

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