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昔々ある山に二匹の化け狐が住んでいた。 春も終わりの夏の入り、 二匹は一つ化け勝負をしよ…
事故直後、 親兄弟に連絡が入るのは不思議じゃないが、 友人にまで連絡が届くというのは、 な…
→もし、最初から読まれる方はこちらから← 床一面に敷き詰められた赤色の絨毯は、 素直に『…
(とても期間が空いたのでこれまでのあらすじ) 友人、柴田光司。 彼は産まれながらに不幸な体…
(→中編がまだの方はこちらから←) 陽が昇れば起き出して、 陽が沈めば夢を見る。 そんな生…
(→前編がまだの方はこちらから←) 誰も居ない筈の場所で声が聞こえてくる。自分以外の。 …
対(つい)。 右と左、もしくは上と下、その他もろもろ。 中心とした位置を挟んで二つ物があれば、 それを対と人間は呼ぶらしいが、 それを美しいかブサイクかと論議するなどは、 また幾分ややこしい話になる。 人体の対と言えば。 目、耳、鼻の穴が二つずつ。 手足が合わせて四本、 両の指はニ十本。 外側の肉を剥げば肺や骨にも話は及ぶが、 今回は外から見える部分のみで勘弁願いたい。 いざ外に目を向け肌に風を受けてみれば、 涼しさがやんわりと訪れ始めた秋の入り、夏のすぼみ。 大権
中学の友人に面白いのが一人いた。 他にも面白いのは居たが、 そいつの威力が強すぎて他は四捨…
パッサスのおじちゃんは凄いんだ。 パッサスのおじちゃんの手はね、 人の心を読み取れるんだよ…
「17日の夕方に何をしていた?」 「彼女の家に行きました」 「男女の間に恋愛感情を挟んだ交際…
「Next station is うえの うえの」 きっと声の主は金髪の女だ。 紅い口紅をしながらマイク…
クリスマスは何もしたくない。 そういう主義を持っている友人がいる。 仕事も有給休暇を使って…
借りてた漫画、返す。 それが桑野の連絡だった。 ただし六年振りのこと。 世の中は三連休らし…
刀研ぎ屋(かたなとぎや)、 は、聞こえはやたらと不細工だが、 まるっきり客が来ない訳ではない。 刀を腰に差したお侍様方が、 「石を買え」 とからかわれながらも、 途絶える事無くやってくる。 それで、 その刀研ぎ屋の中では何をやっているかというと、 そりゃあ勿論、刀を研いでいるには違い無いが、 砥石(といし)は一切使わない。 実のところ、石の一つも店には無い。 刀を研ぐのはただ一つ、それは女の背中だ。 今は静岡、昔は遠江と呼ばれる佐鳴湖(さなるこ)。 この湖で満月の晩