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【詩/詞】漂流

小船に乗っている
そして、大海を漂流している
凪いでなどくれない
うねる波の高い ひろすぎる海を

エンジンは壊れかけている
舵にいたってはとっくに壊れてしまっている
どこに向かったら良いのかなんて
かなり前からずっとわからない

見える範囲に
陸地や安全に停泊できそうな港は
なにひとつ見当たらない

制御できなくなった舵を眺めて
指でそっと触れてみて思う
どっちに向かって進めばいいの?
このままでいいの?

壊れかけたエンジンの
様子を伺って考える
あとどれくらいもつだろうか?

救助なんか来やしない
そう思いながら
愚かにも
奥深くでは助けを待っている

このままではいけないことも
わかってはいる
ただ対処法を持ち合わせていない
予備のエンジンは未搭載だし
舵の治し方はとっくの昔に忘れてしまった
習得したのかどうかさえ思い出せない

地味な壊れ方をしたのだろうか
大破した方が良かったのだろうか

漂流していたらどこかへ辿り着く?
そこは
安全な場所?
それとも
この海よりもさらに危険地帯?


見つけてくれてありがとうございました。
そして、拝読感謝いたします。

この詩は、回診時の主治医の先生がしてくださった例え話から、インスピレーションと影響を受けています。謝辞。

琴🍀でした。
また書きます。

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