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読書日記〜ストレッサー高い「妊娠」「出産・幼児期」関連で心に残った本(随時更新)

本や漫画で情報を得るのが性に合っている。
そのため、割と本(漫画コミ)で妊娠・出産の体験記を入手してきた。基本的に共感が多い。
子どもの誕生は(少なくとも私にとっては)人生でベスト3に入る変化だ。
「よかった」「悪かった」ではない。生活の変化、という意味だ。
私的な変化の大きさでいくと

  1. 出産・育児

  2. 上京(一人暮らし)

  3. ここは並列で、「同棲(そのまま結婚に連なる)」「就職」「中学進学(※電車通学になったため)」

だろうか。そういえば、学生時代、心理学の授業で、「人間はそれ自体がポジティブな事象でもネガティブな事象でも、できごとでストレスを感じる」という話があった。とても印象的だったのを覚えている。どこかに元の論文がないかな、と思ったら、あった。これだ。正確には、「事象」ではなく「ライフイベント」だった。

職場におけるライフイベント(大塚泰正・小杉正太郎)
https://core.ac.uk/download/pdf/197292526.pdf

これだけで何かを書けそうなので脱線しそう。ただ、この一覧にある通り、「妊娠」「乳幼児の育児」(結婚も)はポジティブな事象とされるが、ストレッサー(ストレスを与える要因)の非常に高いライフイベントだということだ。
多くの人々が、有名・無名にかぎらず(私も含めて)発信したくなる大きな変化なのだろう。


<主に妊娠〜出産と、女性、母親>


「きみは赤ちゃん」(川上未映子)

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35歳で出産された、芥川賞作家・川上さんの妊娠〜出産〜育児体験記。
小説は一冊くらい読んだことがあったかもしれない(すみません)。ただ、こんなにいろんなことを考えこんでいらっしゃるのだなあ、と共感した。
妊娠すると「選択」を求められることに一つ一つ、どう考えたかが書かれていて面白かった(割と同意することが多かった)。私が迷ったことのある(進行中も含め)ものはこういったものだ。

  • 出生前診断をするか、しないか

  • 無痛分娩を選ぶか(痛みがないと、母になれない?)

  • 母乳か、ミルクか、併用か

  • 小学校受験は考えているのか

等々。小説家の方ならではの心理描写も、観察も、非常に面白かった。この本で、小説、もっと読んでみようかなあ。

「自分で名付ける」(松田青子)

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これも小説家・松田さんが妊娠、出産、育児の経験を書いている本だ。
事実婚で出産された、ということもあり、手続きに当たって感じたことも書かれている。この本を読んだことも、「フェミニズム」(女性学?)ってなんだろう、と思った発端だ。

松田さんの思考は、独立した(自立した)女性に見えて、当時、私が“勝手に“(ここがミソだ)思っていた「フェミニスト」っぽい方に見えた。その松田さんが、いわゆる「お母さん(女性)の大変さ」を本で表現していることにやや驚いた。

このあたりの自分の思い込み(=恥ずかしいが、フェミニストとは、「妊娠・子育てのような女性特有の経験よりも社会的な立場を希求すべきだ」と思っている人々だろうという勝手なもの)への気づきがなかったら、フェミニズムを考えなかったかもしれない。

漫画:
ヒゲの妊婦(43)(ひうらさとる) 
https://amzn.asia/d/gA0jhS1
もともと、ひうらさとるさんは大昔「なかよし」で連載していた頃から読んでいた。「ホタルノヒカリ」でブレイクされたイメージもあるけど、「レピッシュ!」なども好きだった。

そんなひうらさんの43歳での出産体験記は、長女妊娠がわかってパラパラめくっておりました。生肉食べたり、お寿司食べまくったり、と、なかなか「ピリピリモード」な妊婦さんには「それっていいの!?」もあるけど、元気すぎる妊婦さんだったのでしょう 笑。

妊娠経過に問題がない&妊娠・出産にあたって、「一度しかない経験>お金」の方は、ストレスなく読める気がします。 

<産後〜1歳くらい>

ママはテンパリスト(東村アキコ)

ママはテンパリスト コミック 全4巻完結セット

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人気漫画家・東村アキコさんの出世作。愛息・ごっちゃんの成長、育児をコミカルに書いた本なので、重くなく読める。
ギャグ風に書かれているが、実際のところ、寝かしつけも、断乳も、渦中にいるときは、本当にしんどくて、頭が禿げそうになる悩みだよね…。

たまご絵日記(なないろペリカン)

「こどもチャレンジベビー」についていた、親向け冊子の4コマ漫画を書かれていた「たまご絵日記」さん。
夫婦でハマってしまい、たまご絵日記を上下巻で購入。

たまご絵日記 ~新米かあちゃん奮闘記~
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産後〜1歳くらいまでの、もう笑うしかない白目な日々。なないろさんに救われていたなあ。冒頭の「牛になりました」で心をわしづかみにされた。

文字通り、24時間、おっぱいのことを考えていたし、常におっぱいの前に赤子。

<その他:母親って?>

母親になって後悔してる(オルナ・ドーナト)

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1年くらい前かな? 日本でも話題になった本。
これはサブタイトルというか、関連する文章と合わせてタイトルは見た方がいいなと感じる。

「子どものことは愛してる。それでも母でない人生を思う」

母親になって後悔してる

この一文は、「だよね」と思う母親の割合は多い気がする。
だけど、保育園のママたちとそういう話にはならない。
職場の女性、学生時代の友人 とは話せるテーマだ。
「母親」ではない自分から入った存在だからなんだろう。

本はなんでもそうだと思うが、中でも誤解を招きやすいというか、正解がないなかでも「母性」というもっとも、感情に話を持って行きやすいテーマのなかでも、センセーショナルなタイトルだと思う。
ので、読んでみて、自分が感じたことを本と対話するのが良い一冊だと感じた。

この本でインタビューに答えた23人の母たちは、「母親になって後悔しているか」と問われ、「YES」と答えた人たちだ。

個人的には、母親になって後悔してますか? と聞かれたら、速攻で「NO」という。その時点で、私は少なくとも、この本でインタビューされた母親たちと、少し 違うことになる。

答えの理由は、本当にない。ただ、反射的に「NO」が出た。「⭕️ちゃんのお母さん」といわれたら、この世に現時点で私しかいない。世界一子どもはかわいい。私は、そういう母親だ。ただそれが、「やっぱりお母さんなのね!」とか、「母性」とかいわれても、よくわからない。

明日の食卓(耶月美智子) 2024年4月13日読了

誰もが、登場してくるお母さんたちのようなリスクの前に生きている。

母親、そして子育てというものを美化しすぎてはいまいか。
そう思わされた。でも、やっぱり、わたしはわたしの母親に、そしてきっと娘はわたしに、多く期待するのが人情かもしれない。

子育てに限らないが、小さな疑問がある。ネットなどで批判する人たちは、なぜ、「自分はちょっとしたことでどん底に落ちるかもしれない」と思わないのだろうか。糾弾できるのだろうか(わたしは有名メジャーリーガーの通訳のかたに対する批判にも、そう思っている)。

このお母さんたちだって、子どもを日頃から虐待していた母親ではない。そんなことを思っている。

<徒然なる思い;子どもが好きじゃなかった私が思う、母親ということ>


自分の分身だとは思わない。はっきり、別の人間だと思う。私が親として最大限にできることは何か、いつも悩んでいる。自分の毎日、毎日の小さな選択が正しいのか、ずっとずっと悩んでいる。

少なくとも、爆笑している娘を見ると幸せになる。誰よりも幸せを願っている。
子どものことを思うと、胸がキュッとなるくらい愛おしい。

でも、今はママ、パパ、とやってきてくれるかわいい娘は、いずれ、世界が広がり、親にかくしごとも出てきたり、親より大切なものが生まれてくる。
想像すると、ちょっと(いやかなり)寂しくなった。私は、18で家を離れたのにな。ずっと、そばにいていいよ という夫は、あながち冗談ではないんだろう。

 「魔女の宅急便」をキキよりも、キキの両親の目線で見るようになってしまった。

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