読書日記(20240405)〜「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴)※越えられなかったわたし
第一子出産後から第二子妊娠で母(私)が休むまで という35歳〜40歳、我が家は戦争だった。夫も、「この数年間は暗黒だった」という。同意だ。
苦悩した39〜40歳のとき、手に取ったのがこの「「40歳の壁」をスルっと超える人生戦略」だ。
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結論から言うと、私はまったくスルッと越えられなかった。暗黒期のまま、休みに突入しました。でも、41歳は暗黒で生きたくない。今自分の塩梅を探っている途中。その助けを、ワーママはるさんこと、尾石さんに助けてもらった形だ。
1.35歳フルタイム復帰
経済的なことを考えた…というより、流されるまま、多数派の意見を聞いてフルタイムで復帰した。当時でもパソコンを持ち帰る空気があり、いざとなったら仕事ができてしまうから、女性正社員の大半は、フルタイムで復帰していた。
復帰後、1〜2年はしんどかった。
とはいえ、理解あるフリーランスの夫に甘え、私は仕事に邁進させてもらえた。
子どもが風邪をひいたり、うつされたり、お迎えに行ったり。
けれど、夫と協力(今考えると、夫にかなりの負担をかけていただけ)し、なんとなく、回っているような気がしていた。
ところが、現実は甘くなかった。
考えてみると当たり前だが、性別は関係なく、35歳から40歳の中堅社員に会社が期待することは何か。ベンチャーは別だけど、そこそこの規模の企業の場合、「現場からチームリーダーになる管理職手前〜管理職」ではないか。
わたしはその時期にちょうど、出産と未就学児の子育てがぶつかった形になる。
飲み会こそセーブしていたが、ずるずると気がつくと深夜まで働いていた。コロナ禍でも関係なく、むしろ在宅勤務を活用してずっと働いていた(保育
園休園は病んだ)
途中、少し仕事が拡張した形で現場のチームリーダーになった。
これは、ごく普通の流れではないだろうか。しかし、「未就学の子どもがいる」ときと、「子どもがいない」ときの働き方、優先順位、何よりその価値観を、根本的に変えなかった。変えられなかった。それが私の大きなミスだ。
仕事に邁進する自分。気がつくとじわじわと仕事はありがたいことに増え、それなりの責任ある仕事も任せてもらえるようになっていた。小さな落し穴にはたびたび苦しんでいたけれど、もっともっとパックリと口を開けて待っていた、大きな落とし穴に気がつかなかった。どちらかというと、すでに小さな穴が大量に空いていて、堪えきれずに大きな陥没になった。という感じだ。
大きな穴。それは、心身の健康と、家族の安定だ。
2.35歳出産ってマイノリティではない
35歳といえば、高齢出産に入る。全国平均を考えると35歳で第一子出産年齢って遅く見える。ただ、周りは結構、多かった。肌感覚で、20代のママより30代のママが多い。
それは統計的にも正しくて、厚生労働省によると、第1子出生時の母の平均年齢は令和4年は30.9 歳。東京都のデータだと、平成 10年からは 25~29 歳に代わって、30~34歳の出生数が最多となり、更に、平成 21年からは 35~39歳の出生数が 25~29歳の出生数を上回っている。
わたしは東京の母親というカテゴリでは、マイノリティとは言い難い。
しかし、この35〜40歳は、繰り返すが、会社にとって性別関係なく、育ててきた現場に、管理職としてのポジションを目指してほしい、という時期だ。
母であること、そしてキャリアにおいて、管理職手前に意識を変えること。
私はどっちも取りたい、と思っていた。
結果、目の前の仕事の方に追われた。仕事優先になりつつ、後ろ髪を引っ張られるように家族のことも思った。精神的にも身体的にも追い込まれ、まさに40歳で高血圧やら帯状疱疹やら、慢性的な病気に悩まされる。眠れないし。
全然、スルっと越えられんやん(涙)
3.人生の後半戦をどう考えるか
そこで、このはるさんのメッセージだ。
40歳前後、という「人生の後半戦スタート」をどう考えるか。
私は、正直、ノウハウ本的な本はあまり好みではない(ごめんなさい)のだけど、はるさんのメッセージは、一言ずつが、参考になる。
同じように「40歳の壁」にぶち当たったご経験から書かれているからだと思う。
はるさんも私と同じ、16年会社を務めてフルタイム勤務で復帰されたとき、
「このまま、女性登用の波に乗ってキャリアを目指すのか」
「子どもの成長に合わせて、仕事を調整するのか」
と迷いに迷った、と書かれている。
まさに今の私。「2020年4月、新しいことを始める」とはるさんは書かれて、結果、独立をされている。その独立までのノウハウなども、この本には書かれている。紹介されている自分業の始め方や、育て方も非常に参考になる。ぜひ、苦しんでいる人には、手に取ってほしい。
4.中長期のキャリアブレイク(サバティカル)は絶対に必要
苦しんでいる人に。もううつ病寸前、という人がいたら。
強く言いたい。「まず2週間でいいから休もう」。
わたしも心ある会社の先輩に、2週間なんて大したことない! 早く休みなさい!と何度もいわれたのに、止まれなかった。
思いがけず妊娠し、「産休」と言う形をもらえたことで、仕事から離れられた。それまでは、「自分の好き」を探す余裕さえなかった。
周りも「休んでいい」と言ってくれるこの出産までの1カ月強のお休みは、「自分に向き合う」意味でも、絶対に必要なものだったと思う。
会社は、冷たいようだけど、どんなにやばくても、自分が叫ばないかぎり、休みをくれないものだ。「自己管理」という美しい言葉がある。
しかし! 「サバティカル」でも名前はなんでもいいんだけど、可能なかぎり、限界が来る前にストップする「お休み」はとったほうがいい。
そんなに人間、走り続けられない。これは女性だろうが男性だろうが、子育てしていようがしていまいが、関係ない。
わたしの場合、子どもを育てながら、仕事でもフルパワー。
今振り返れば、そんなの、超人の所業だ。また、仮に外から見て、できているように見えている人も、実際は「毎日、戦争状態」「もうダメ・…・」という人のほうが多いのではないか。
半径5メートルくらいの見方だけど、40前後は、健康な人もガタが来る。
というわけで、「40歳の壁」をスルッと越えられなくても、ヒントをくれて、今も手元に置いている一冊として書いてみました。