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『ヘルプマーク』使うことを迷っていませんか?

突然ですが、『ヘルプマーク』を知っていますか?

私は介護士をしているので、どういう意味を持っているものなのか、ざっくりとは知っていました。

ある時から、自分もこの『ヘルプマーク』を持つことになったのですが、
使うことには迷いがありました。

これを読んで、

使うことを迷っている人に、使う勇気をあたえられたら…。

そんな思いをこめて、書いていこうと思います。

『ヘルプマーク』って何?

外見からはわからない援助や配慮を必要としている人が、周囲に配慮を知らせるためのマークです。

内部障がいや難病、妊娠初期、人工関節など、このマークをつけている人の理由はさまざまです。

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カラナビなどを付けると着脱が簡単


これが、私が使っている『ヘルプマーク』です。

一緒に付けているのはラゲッジタグで、中に、病名やかかりつけの病院、飲んでいる薬などを書いた紙を入れています。

自治体によっては、それらを書くためのカードやシールを一緒に配布しています。

では、どこでもらえるのか?

各自治体によって異なりますが、私の住む札幌市では、市役所・区役所や、地下鉄駅の事務室、薬局などでもらえます。

特に、申請する書類はありません。
私は、通っている病院のとなりにある薬局が、配布場所になっていたので、
直接窓口で、「ヘルプマークください」と言って、もらいました。

自分の住んでいる所は、どこで、どうやってもらえるのか、
ヘルプマーク 〇〇市“のように検索すると、詳しい情報が出てくると思います。

『ヘルプマーク』を持った理由

私が『ヘルプマーク』を持とうと思ったきっかけは、がんの摘出手術をしたことにあります。

自分はがんになってしまった。
ただ漠然とそう思うと、今までとは違う生活をおくらなければならないのか、
普通の生活をおくることができないのだろうか、という不安におそわれました。

退院後、初めての受診。
自分の順番がくるのを待合室で待っていると、前に座っていた人の、
リュックに目が止まりました。
白い十字とハートがついた赤い札のようなもの。
それが『ヘルプマーク』でした。

その人は、松葉づえをついているわけでもなく、
車いすを使っているわけでもなく、
受付から名前を呼ばれると、元気よく歩いて行きました。

「そうだ。この不安を周囲に知ってもらうのに、これを付けて歩こう」

帰ってから、もらえる場所やもらう方法を調べ、
受診に行っている病院のとなりの薬局が、配布場所になっているのがわかり、
さっそく、もらいに行きました。

私なんかが使っていいの?

さて、もらってきたのはいいが、私なんかが使っていいのだろうか?
そんな思いがよぎるようになっていきました。

もらうために調べた『ヘルプマーク』についての情報が、
逆に、使うことへの迷いを持たせることになってしまったのです。

調べれば調べるほど、
私よりも、もっともっと、大変な思いをしている人たちが使っている。

心の病で苦しんでいる人。
難病を抱えている人。
がんの治療をしながら、一生懸命に働き続けている人。

そんな情報がどんどん飛び込んできました。

「ん? 待てよ? 自分はどうだ?」

抗がん剤の治療はまぬがれ、飲み薬だけで済んでいる。
再発の確率も少ない。
そう思うと、使うことへの罪悪感が湧いてきました。

日常生活では、たいして困ることもなく、
仕事も続けられている。
そんな私が、はたして使うべきなのか、使ってもいいものなのか?
それから『ヘルプマーク』は、リュックのポケットの中へ。

『ヘルプマーク』= 重い病を抱えている人のためのもの

頭の中にそんな公式ができあがっていました。

「助けてほしい」”使うこと”を決心したある出来事

記録的な大雪にみまわれた日、いつもは車で通勤していましたが、
除雪状況も悪く、バスと地下鉄を使って通勤することに。
大幅に遅れて来たバスはすでに大混雑。
必死になんとか乗り込みました。

満員御礼のバスの中、
「……。なんか、気持ち悪い」
吐き気と頭痛、さらに、変な冷や汗がダラダラ。
急に、経験したことのない体調不良におそわれました。

「座りたい、座りたい、座りたい」
しかし、まわりを見渡しましたが、空いている席などあるわけがありません。

「早く駅に着いてーーー! 神さま! ヘルプ!」
普段からたいして信じてもいない神さまに、そんな時だけ神頼みをするほど、
切羽詰まった状態でした。

なんとか駅に着くまで耐え抜いた私は、こんなことを思いました。

もし、『ヘルプマーク』を付けていたら、
席を譲ってもらえたのかな?
席を譲ってほしいと、助けを求められたかな?

その後の定期受診で、手術による影響で、ホルモンのバランスが崩れていたことが
わかりました。
薬の量を増やし、体調は安定しました。
しかし、疲れやすくなることが多くなり、
外出するのがおっくうになっていきました。

「『ヘルプマーク』を使おう」
「元気なうちに好きなこといっぱいやろう!」

リュックのポケットから、しまってあった『ヘルプマーク』を取り出しました。

”使うこと”を迷っている人へ

『ヘルプマーク』について書いてある、ある記事をみつけました。

そこには、『ヘルプマーク』を使うことをためらっていた人が、
勇気を出して使うことを決意するまでの、苦い経験と苦しんだ思いが
つづられていました。

2018年に書かれた記事なので、この頃からみると、
2022年の現在、認知度は格段に広まっていると思われますが、
『ヘルプマーク』を使う側の思いと、
『ヘルプマーク』を知る側の思いは、
今も変わらない、そして、考えていかなければならないものだと
思っています。

私はこれを読んで、使うことに迷うのは、自分だけではないんだと、
知りました。
そして、迷う理由も、さまざまな思いがあることも。

【ヘルプマークをつけて外出してみたら】
https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/tag/help/

もし今、使うことを迷っている人がいるならば、
迷わず使ってほしい
と言いたいです。

それは、『ヘルプマーク』を手にした時、
すでにあなたは、自分を守ろうという気持ちがあったのだから。

最後に

私は今、何かあった時のお守りとして『ヘルプマーク』を使っています。
常に、カバンやリュックに付けて外出しています。

バスや地下鉄で、立っているのがつらい時など、
『ヘルプマーク』を見えるようにしながら、優先席に座っています。

「助けてほしい」
私は、この『ヘルプマーク』に、そう伝える勇気をもらいました。

自分を守るために、
自分を大切にするために、
自分を思ってくれている誰かのために、

さあ、使おうよ! 『ヘルプマーク』!

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