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SNS社会で自分を強く保つために必要な事

はじめに。記事の概要。
①数字に追われて眠れない
②身内に心配されてしまった
③SNSでの成果の根源は数人の個人の力
④結局信じられるのはリアルなつながり
⑤最後に

SNSというものを、今まで僕はきちんと「運用しよう」と思って使ってきませんでした。それは元来、「自分が多くの人に理解される必要がない、リアルに繋がっている仲間と楽しく生きていられればそれが一番自分の幸せだ。」と信じてこの道を歩んできたからです。今もそう思っています。

それが今回、自分のアルバムをリリースするタイミングで、そうではいけない!と思って急に活用しはじめました。試行錯誤も散々繰り返して、つい先日、いいえ、実は今もなお、情報と情報の渦の中に呑み込まれたままの心の自分がいるように感じています。自覚していても、なかなか抜けられないからすごく怖い世界です。

これをここに書くかどうか悩んだのですが、仲の良い友人たちに僕の姿を心配させてしまっていることを知りました。自分の気持ちを整理し、今後活動していく上で「戻れる場所」を指し示すため。そして僕と同じように、あるいはこれから自分自身を発信していく立場にある人たちにとって、微力でも参考になったら良いなと思い、感じたことを正直に記します。


数字に追われて、眠れない。

Spotifyのおかげで、僕の音楽は今まで自分が知ってもらい得なかった沢山の方々に聴いていただけるようになりました。昨日も実は、とある友人に職場に僕の作品「秒の間」を毎晩聴いてくださる方がいると教えていただき、それはそれは嬉しい気持ちになりました。今回のプロジェクトを機に、少なからずそういうお声をいただく機会ができたことは、純粋に音楽家冥利に尽きます。本当に、ありがとうございます。

ところが、そんな中僕自身はといえば、寝ても覚めても考えることはその日にどのようなコミュニケーションを取っていくべきか、ということでした。とっても皮肉なことに、僕の曲「秒の間」は夜のチルアウト系プレイリストとしては国内最大級の「眠れぬ夜の音楽」に3週目に入った今も先頭曲を飾っていただけているのですが、その反面僕はというと、「秒の間」「Brainstorm」が次の日のチャートでどうなるのかを考えていたら、全然眠れなくなってしまう日々がずーっと続きました。バカですね、皮肉すぎ 笑

昨日はこれのおかげでぐっすり眠れました。ありがとうございます。ようやくこのプレイリストの本当の恩恵を受けられたように思います。

ここにずっと書いていた「好きな音楽を純粋に作り進めた」という気持ちは本当のことです。けれど、いざリリースして、自分ができるリリース前のプロモーション活動を行った後に待っていた数々のラッキーな出来事に、僕は心身ともに翻弄されてしまったように思います。完全に、自分の心が数字に負けてしまっていました。本当にお恥ずかしい。


身内を心配させてしまった。

僕がインスタやTwitter、Facebookを通じて盛んに「バイラルチャートに入った、上位に行きたい。」と叫んでいたことを見ていた大切な友人たち、そして家族。普段の僕の人となりをよく知る人たちは、僕の作品が沢山の人たちに聴いてもらえていることを心から喜んでくれた一方、日を追うごとに僕自身が狂ってしまっているんじゃないか、と案じてくれた人もいました。

「気持ちは分かるが、あまり順位のことを言うのはよくないと思う」
「あなたの中に、人に対する感謝を忘れた一面を感じて心配になった」
「戦略的を語るコータローくんには、一種の壁を感じる」
「仕事だからそうしないといけないのは分かるけど、心配」

これらの言葉を、自分では想像し得なかったスピードで沢山のリスナーの方々が聴いてくれている最中にかけてくれた人たちは、間違いなく僕に対して愛情を持って接してくれている方々。そして、僕にそういう感情を抱きつつ、僕がそれを濁流の中で言われてどう思うかよ〜く知る前提で、何も言わずに見守ってくれた方々にも、今になって全ての人たちへの感謝、心配をかけてしまって申し訳ないなという気持ちが芽生えてきます。

冷静さを失ってしまうこと。これは、僕のようなフリーランス業でセルフプロモーションする立場にある人が、一番やってはいけないことだと思います。全ての決裁が自分自身でできてしまうことはスピード感を高めていくためにはこれ以上ない意思決定が可能となります。しかし、一歩間違えれば、「誰も歯止めが効かない状態」に成りかねなくなる。

僕には幸運なことに、僕自身のせっかちな性格と一度決めたら曲げられない頑固な性格を知った上で、面倒でもちゃんと自分の意思を伝えてくれる人たちに恵まれました。きっと、僕一人ではこのままどんどん数字や日々の戦術に呑まれて、大切なことを忘れてしまっていたように思います。みんな、本当にありがとう。そして、ごめん。


2曲がバイラル2位という成果は、完全なる個人の意見が由来。

僕が今回「BRAINSTORM」というジャンル横断型のアルバムをリリースして一番思っているのは、沢山の方々に聴いてくださっているキッカケをくれたのは、極めて人由来の「たった一人のピックアップ」に依るものだという事です。顔も知らない(結局お会いしたので顔は存じておりますが)Spotifyのプレイリストエディターの方が僕の曲「Brainstorm」「INOCHI」「秒の間」をピックアップしてくださった事で、みるみるうちにSNS上で聴いてもらえるように成り、現在も2曲がバイラルトップ50の上位にいます。

じゃあ何故、ここに入ったのか。そりゃ勿論、入れてもらうにはまず聴いてもらわなければいけない。そこを最低限クリアするための戦術は、リリース前に万全の準備をしたつもりです。けれど、一番の決め手になったのは「僕の音楽を好きだと思ってもらえたから」これ以上の理由はないと思います。

再三になりますが、僕は音楽を作ることに対して、作り出したら戦略なんて一切考えません。目の前の音に対して、あるべき方向に導かれたことを信じて突き進みます。特にアルバムなんてそう。僕が「好き」と思えないことは絶対にやらない。プレイリストに取り上げてもらえていない他の楽曲だってそう。僕がいいと思ったことだけを追究した作品が「BRAINSTORM」です。

他の方に何と言われようと、僕はここに「残した」全ての楽曲には絶対の自信があります。ここに至るまでに残念ながら削った曲もある。作り進める上で、ここ5年で公私ともに作ってきた楽曲を選び抜くのにも膨大な時間を使った。「BRAINSTORM」と銘打っているのに相反して、実は選び抜くことの方がアイデアを散りばめるより遥かに難しいことです。選曲、アレンジ、REC、ミックス、そしてマスタリングに至るまで。無限の可能性の中からこの組み合わせ、曲順、各楽曲の仕上がりを選んだことは、僕にとって数多の可能性を捨てることと等しかった。

その残した可能性を選んでくださった個人の方々のセンスに心から感謝していますし、逆に今はまだ選ばれていない作品にも僕は胸を張って自信があると言えます。そこに迷いは1ミリたりともありません。今後、今光を当てられていない僕の作品にも大いなる飛躍が訪れることを信じてやみません。数字が音楽の価値では、間違いなくない。心からそう言えます。


僕は、リアルを信じている。

もともと人を信じやすい人間なので、本当に心を開くまでは結構用心深い性格の僕。今自分の周りにいて、日々連絡を取り合う仲の仲間たちのことを、僕は分け隔てなく信用しています。ある意味、僕の周りにいてくれる人たちを見てもらえれば、それは僕の価値じゃないかとさえ思えます。

SNSは時に、人を本来の自分から大きく変えてしまうこともあります。度重なる加工は、もはや人のルックスだけじゃなく、ライフスタイルや性格にまで浸透し始めている、そんな風に思うことがあります。日増しに、SNSを信用仕切る自分を心のどこかでセーブしたがる節があります。

一方、今回のアルバムを機にSNSで知り合い、膝を突き合わせて相談させていただいたり、メシに行って意見交換した方々もいます。それは本当に感謝だし、こういう人間的なつながりのキッカケにできることは魅力だなと思いました。


SNSで乱心しないために。

僕はやっぱりイマイチ顔が見えない方々とやり取りするのは得意でないことがわかりました。良くも悪くも、顔が見える方相手の方が色んなことを言葉以外のニュアンスでも伝えられるし、何より楽しいです。

僕の音楽を必要としてくださる方にこそ、僕の音楽を届けたいと思います。だから、まず優先すべきは今僕の曲を聴いてくださっている方々。そして、僕の音楽性をご自身の表現で活かしたいと思ってくださる創作家の皆さんです。僕の音楽を待ってくれている人がいる。それは有難いことに、まぎれも無い事実です。

今興味を持っていただけていない方に必死でアプローチしようとするのはもうやめます。そこに時間、いえ寧ろ時間以上に「メンタル」を酷使するくらいならば、今僕の作品を愛してくださっている方々を想い、音楽を作り、メッセージを発信します。その輪は、絶対に強い。そう信じて今日のお話を締めたいと思います。


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