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終身保険は貯蓄のために入るのではない、自分が死んだ後、残される人のために入るのだ。

(目安:約7分)

今まで、プロフィールでは金融機関と書いてました。
シンプルにいうと某保険会社で働いています。
こんにちは、コタニです。

各金融機関では、いろいろな決まりがあります。
私の働いている会社は、インターネットをつかっての営業は基本禁止。働いている保険会社名を出すのも厳禁。

そのため、noteは趣味で書いています。
やりたいことをしているだけ。

でも、私の友達も見てもらってるし、間違ったことは書きたくない。なおかつこの仕事では、コンプライアンスに関してはとても厳しく言われます。

お客様に信憑性のない情報や、
誤解を与える情報を伝えてはいけない

この部分には特に厳しいです。
だから、noteでもできるだけ公式の情報を引用し、なるべく公平・正確で、多様性のある情報を伝えることを意識しています。

しかし!

今回の記事は完全に
私の実体験と経験に基づく内容です。
なので、がっつり私の主観が入ります。


終身保険は貯蓄のために入るのではない、
自分が死んだ後、
残される人のために入るのだ。


というコタニの主張・意見です。
それでも「読んでも良いかな」と
思ってくださった方は、ここからどうぞ!

そもそも終身保険とは?

終身保険は、死亡保険の一つです。
保険の対象になる人が亡くなったときに、まとまったお金が入ってきます。
保障は一生涯、死ぬまで続きます。

そして、保険料は一定の期間、毎月や毎年など定期的に支払います
保険料を支払う期間は人によって異なり、死ぬまで払い続ける人、60歳まで払い続ける人、10~15年で終わる人、商品や内容によって様々です。
また、中には一括で払ってしまう保険などもあります。

でも、一つ共通していることがあります。
それは、若ければ若いほど、保障に対する保険料が安いこと。

例えば亡くなったときに500万円もらえる保険に入ろうと思ったら、40歳の人よりも20歳の人の方が安く加入できます。

そして、自分が支払う保険料の総合計も、若ければ若いほど安いです。
例えば、40歳の人が保険に入り、500万円の保険を買うのに、合計で400万円必要だとします。

しかし、20歳の人が全く同じ条件で入ったとき、支払う保険料の総合計が200万円ですむ、というようなことが往々にしてあります。

ここまでが終身保険の説明です。





貯蓄としての終身保険

ひと通り、終身保険の概要を説明しましたが、
実は終身保険にはもう一つの機能があります。

それは「貯蓄機能」です。

終身保険の場合は、保険料の一部を保険会社が運用していることがほとんど。
そのため途中で保険がいらなくなって解約すると、お金がいくらか戻ってきます。

そして運用期間が長いと、解約したときに払った金額より、多くのお金が戻ることもあります。
銀行に預けるよりもお金が増えるケースもあります。

そのため、終身保険は貯蓄の代わりに入る人も多いです。
知り合いに「お金貯まるから!」とお願いされて、終身保険に入ったという人もよく見かけます。

でも、保険は保険。

では、実際使うときがもしきたら、
人が亡くなったら、
どんなことが起こるか、ご存じですか?





人が亡くなったときに起こること

これを読んでいるアナタは、
もし自分が亡くなったら、
「葬式はあげてほしい」と思いますか?
また、家族が亡くなったときは
「お葬式をあげてあげたい」と思いますか?

では、その“お葬式”いくら掛かるかご存じですか?

お葬式(通夜・葬儀)の後には、初七日、四十九日、初盆、一回忌など三回忌まで様々なイベントがあります。
(近年は省略されがちなところもあります。)

そして、大体の相場が50~200万円くらいと言われています。
(お墓などは別でかかります。)

えっ、そんなん貯金でなんとかなるわ!」と思いませんか?
実はその貯金、使えないことがあります。





貯金がつかえないとき

人が亡くなった場合、銀行がそれを知ると銀行口座が凍結されます。
つまり、お金が下ろせなくなり、引き落としも対応できなくなります。なぜなら、相続財産になるから

金融機関は相続の権利が侵害されることを防ぐため、適切ではない一部の相続人が勝手に預金を引き出すことがないよう、口座を凍結するのです。

なので相続が確定するまでは、基本的に口座のお金は使えません

例外として、預貯金の仮払い制度があります。
しかし、これも亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本または、法定相続情報一覧図などが必要になり、かなり時間を要することもあります。
(戸籍謄本の取り寄せがネック。マジで大変です。)


この、相続の確定は、

・有効な遺言書がある
・相続の話し合いがスムーズにいく

こういったケースでは上手く行きますが
相続=争続と書かれることもあるくらい、揉めることもよくあります。
または、相続人の中に音信不通者がいると書類がそろわないということも起こります。

あるいは、相続財産の確定が遅くなるケースもあります。

私の父は約4年前、交通事故で亡くなりました。
交通事故で亡くなると実況見分などがあり、損害額が確定し、その後に保険会社との交渉が行われます。

私の父の場合は11月に事故がありましたが、
保険会社との交渉の内容を聞いたのが、年が明けた5.6月ごろ。
それまで半年以上、相続が確定できず銀行口座などは凍結されたままです。
ずーっとお金は引き出せない。

相続で揉めたり、相続以外の問題が発生すると、預金をしっかり残してくれていてもつかえないことが、往々にして起こり得るのです。




それでもお金は払わないといけない

銀行が凍結されてお金がないからお金は払えない」とはいえ、いつ凍結が解除になるか分からないため、葬儀社入院していた病院などが、支払いを待ってくれるケースはあまり考えられません。

たとえば葬儀費用の場合、葬儀終了直後から、一週間程度の間に支払うことが一般的です。

また、故人が生前賃貸に住んでいれば家賃の支払いがあったり、荷物の整理や片付けのために費用を支払うケースもあるでしょう。

そして日本の場合、約7割の人が病院で亡くなります。また、老人ホームや介護施設で亡くなる人も約1割いらっしゃいます。

そういった、病院や施設の費用の精算も必要になるでしょう。

人が亡くなると、故人の貯金は一定期間は使えません。
しかし、出ていくお金がいろいろある
突然、数百万円が飛んでいく場合も全然あります。
というか、個人的な肌感覚ではその方が多いです。

そうなると、残された人が費用を負担する必要がでてくることもあるでしょう。

そしてたとえば、これが子どもの進学等と被った場合などを想像してみてください。
一時的な出来事が、残された人の人生の選択を変える可能性もでてきます。




生命保険は受取人固有の財産

ここから生命保険の話に戻ります。

生命保険(死亡保険)には、受取人固有の財産という決まりがあります。

生命保険は受取に指名された人、個人の財産になるため、基本的には相続財産に含まれません。(例外もありますが)

つまり、受取人が受け取ってすぐ自由に使えるお金ということになります。

そのため生命保険(死亡保険)を活用して、ある程度お金を残しておけば、「銀行が凍結されてお金がないからお金は払えない」というようなことは回避できる可能性が高まります。




死亡保険には2種類ある

死亡保険は保障が続く期間で2つに分けることが出来ます。
一定期間保障されるもの(定期保険) と 一生涯保障が続くもの(終身保険)です。

ちなみに、掛け捨ての死亡保険はほとんどが定期保険です。(収入保障保険含め)
そのため、いつかは保険がなくなるケースが多いです。

けど今は、人生100年時代と言われています。
平均寿命もドンドン延びてきています。

仕事をする中でも、50代後半~80代の定期保険の保障がもうすぐ切れる人たちや、切れてしまった人たちに会うことがあります。 

みなさん口をそろえて仰るのが、


「家族に迷惑をかけたくないから、
終身のものに変えたい」



いや遅いねん!前からいうてたやん?
もうちょっとはよいうてーーーや!

と、毎回思っています。
まじで。ガチのやつ。

50代を超えてくると、亡くなるリスクが高くなるため、保険料もとても高くなることがほぼ毎回。
しかも、薬飲んでて条件悪くなったり、そもそも保険に入れないこともざらにあります。
(コンバージョンってのもあるけど、年齢制限あるかんな!言っとくけど!笑)

しかも、もらう保険金よりも、支払う保険料の合計額のほうが高くなることとかも、めちゃくちゃあります。
亡くなったときに100万円置いとくために、120万払います!なんてことも。
端から見たらシンプルに損やんって感じ。


「聞かれるから一応内容は話すけど、損になることもあるから、ちゃんとご家族と話し合ってね。」
とかなり念をいれてお願いしたり、私自身がご家族に直接ご説明することだってある。


つまり、若いときは終身保険なんていらないって思ってても、いずれ長生きしたら気にし始めて、どーーーしても欲しくなるときがでてきます。

しかし、保険は欲しいと思ってから入るのでは遅いのです。
(これは営業マンの実力不足の問題もある。もちろん。)

これ毎回仕事でみとってみ?
しかも、実際に家族亡くなって「ヤバイ!」っていうのを経験してみ?

末恐ろしすぎて、
見事に終身保険はいったがな!笑


 




終身保険は貯蓄のために入るのではない、自分が死んだ後、残される人のために入るのだ。

ちょっとヒートアップしすぎたのでまとめます。

若い頃は、元気だし、死ぬことを想像することはほぼないでしょう。
なので、あまり生命保険の必要性を感じることはないかと思います。
25歳の私だって、明日死ぬとは思てへん。

だから、若い人に共感される
「お金が貯まる」
を強調されて、終身保険は販売されることが多いです。

「お金が貯まるんやったら、付き合いで1個入っとこか」というような話もよく聞く話。

しかし最近は、その貯蓄ばかりに目が行って、投資と比べられることも多々あります。

しかも、めちゃめちゃ嫌われてる。笑
そんなん、保険ついとるねんから投資だけの方がお金増える可能性はあるよ。(リスクはあるけど)

ちなみに、実際に貯蓄としての保険を、活用できるときもあります。「銀行よりも多く、確実にお金が増える」というのは、他の資産と組み合わせると、有能だったりもします。(これはまたの機会に)


ただ本当の注目すべき力はそこじゃないんです!
まあお金貯まるし、とか付き合いだし、と思って入ったその1個の終身保険が将来、実は絶大な効力を発揮するのです


しかも、冒頭でお伝えしたとおり、

終身保険は“早く入れば早く入るだけ、安くすむ!

大事なことなのでもう一回言いましょう。


終身保険は“早く入れば早く入るだけ、安くすむ!”のです。

なので今、守りたい家族がいる人はもちろんのこと、
将来的に

・結婚や子どもを考えている
・家族に迷惑をかけたくないと思っている

こういう人には、
お金を使う・貯める選択肢の一つに、
終身保険をぜひ仲間に入れてほしいです。
お金が必要になったら貯蓄としてつかっても良いし、余裕があって置いておけるなら、将来的に保険として使えば良い。

それが、未来の大きなムダやトラブルを減らすことに、つながるのです。
(ただ!入りすぎも良くないけどね!)


終身保険は貯蓄のために入るのではなく、自分が死んだ後、将来残される人のために入るもの

そんなことを一つ、頭の隅に置いていただけると嬉しいです。

そして願わくば、この記事を読んだ人が、終身保険をチョットでも好きになってくれたら幸いです。


終身保険が好きな営業マンより

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