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小説 Jugdement Time 第1話 二人のハーモニーと始まりの歌。

「ようこそ、ここはブラッサオンゼ、ここではどんな音楽でも許される、素晴らしければ。」

作者:音無正臣(本村幸太)

門番が僕に言ったシンプルな単旋律。
僕は狭い意味で悲観的で、大きい意味では楽観的だったので、すんなり受け入れる事ができた。
門の中に入って前に進んで6マイル、その時
後ろから、クリスタルの様な透明な声がした。

「ねぇ、あなた。曲の筆が滑ってる、まるでショパンとチャイコフスキーね。」
「まあね、君はクラシックに詳しいね。」
「詳しいも何も、コレ完全に白鳥の湖と別れの曲のマリアージュじゃない。」
「(笑)」小説で(笑)を使うな。(作者:音無正臣のツッコミ。)
「ふふふ。」
彼女は突然喰言。になった。
「改めまして、ようこそ、ここはブラッサオンゼ。
私は、村上雨音。この学舎へ、よくぞいらっしゃいました。
あなたを同級の仲間として受け入れます。」
「既にご存知でしょうが、ここは音楽が全て。地位も名誉も金も、音楽のみの素晴らしさによって上書きされます。」
「そう、より多いお金が欲しければ素晴らしい演奏するか素晴らしい曲を作曲して下さい。」
「あと、ここでは機能和声の基本概念だけでは殆ど通用しないと考えて頂いて結構です。高度なメチエによる作曲。」
「絵に例えるなら、ロシア構成主義位はなんなくこなして頂きます。」
「ピカソのアビニョンの娘のような、アフリカ民族音楽と空間の自由移動のような物でも結構です。ただし正直ここはクラシックとJAZZが基本それを考えた上でのポリリズムをお願いします。」
「つまり、申し上げれば4/4と3/4の簡単なクロスリズムではこの学校では通用しません。」
「この学校で過去最も優秀な主席だったのは、岩倉明真です。あの方の独自の円形楽譜からつらなる、旋律は。音程感はとれても、リズムはわかりませんでした。聴いた所は彼は4/4の定義を変えたリズムでメロディを作曲していらっしゃいました。」
「彼のIQは標準偏差20で198です。」
「そして、過去にこの学校に在席していた、本村幸太という生徒がケニアのルオー族の「リズムとハウス」というかなり下世話なリズムを取り入れて。
あろうことか、クラブという低俗B級グルメよりも下回る場所で、その音楽がかかった事はポップな話であり、同時に嘆かわしい事でもあります。」
「簡単ではありますが説明はここまでで以上となります。」
彼女の喰言が消失した。そして突然甘い蜜のような声になった。
「では、私の事は、あ、ま、ねって呼んでいいですよ。あなたの事はなんとお呼びすればいいですか?」
彼女の片目の黒点がなぜか一瞬ハートの形になった気がした。
その時僕は最終ページの結末をまだ予想していなかった。
あの日、あの場所、あの瞬間に僕らの未来を決める。、、、なんて。

続く。

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