投資用語としての「ポートフォリオ」から学ぶリスクマネジメント
私のブログを読んでいる人の多くは「ポートフォリオ」と聞くと「作品集」みたいな意味合いだと感じる人が多いと思います。
例えばWeb開発系の企業に就職したい人だったら、ポートフォリオを作っておくと有利だよ! みたいな話は聞いたことがあるかと思います。
しかし、業界によって「ポートフォリオ」の意味合いが結構変わることをご存知でしょうか?
ということで今回は
・ポートフォリオを投資・金融目線で話すとどうなるのか
・ポートフォリオから学ぶリスクマネジメント方法
について、以下の書籍を参考に話していきたいと思います。
ポートフォリオってなに?
ポートフォリオのもともとの意味をご存知でしょうか?
ポートフォリオを日本語に訳すと「書類入れ」みたいな意味になるそうです。
これはファイルみたいにきれいに閉じられたものではなく、雑多に色々な紙が入ったケース……という感じです。
例えばお得意先に営業をしている最中、相手が不意に「こんな感じのもの、そちらにありますか?」と聞いてきたときに「あぁ、それならここに資料が…」とポートフォリオ(書類ケース)から資料を取り出す……みたいなイメージです。
ポートフォリオは「相手に合わせて内容を差し替えていく」ような意味合いがあるので、業界によってポートフォリオの内容は大きく変わったりするのです。
例えばクリエイター系だと、ポートフォリオは「作品集」になります。
そして、金融・投資系だと「株式や不動産など、投資家が保有している金融商品の一覧」となります。
投資家のポートフォリオを覗く
ということで投資家のポートフォリオは金融商品なわけですが、賢い投資家はそのポートフォリオづくりにおいて、あることに気をつけています。それは
「すべての卵を1つのカゴに入れるな」
です。
もし卵を1つのカゴに入れていたら……そのカゴを落としたら、今日の晩御飯はオムライスではなくチキンライスになってしまいます。
もしそんな悲劇的な状況を回避したいのであれば、卵を1つのカゴに入れるのではなく、他のかばんにも忍ばせておくべきでしょう。
いや、そもそも卵が完全に無くなる前に買っておくべきだったかもしれません。
ということで卵の話を熱くしたいわけではなく、悲劇が起きてもその影響が最小限になるように「リスクマネジメント」をしっかりしておくべきだよ、という話なわけです。
この賢い投資家のように、1点集中ではなく、金融商品をいくつかに分けておくことを「ポートフォリオ分散」といいます。
例えば投資だけではなく、現金で持っていたり、海外の銀行に保管しておいたり、保険や不動産等々……様々な方法でバランスよく金融商品をもっておくことが良しとされています。
また、投資一つ見ても、一つの会社や一つの業界だけに投資するのではなく、様々な業界で投資をしたほうがリスクをさけることができます。
投資家はリスクを適切にとることに長けていなければ収益を得続けることができません。
そんなリスク分散のプロに習って、一度きちんとリスク分散ができているか確認してみてはいかがでしょうか?
リスク分散はリスク回避ではない
リスク分散の例をあげると、先程少し話したお金の分散はもちろん投資家でない方にもいえる話です。
日本円で銀行に預けているだけでは、リスク分散という意味ではもちろんあまりよろしくありません。
また、お金以外の話でいうと、仕事も多くの人が一点集中しているかと思います。
変化の多い現代において、その仕事をこれから一生継続していくのは難しいかもしれませんし、やはり副業や専門的な勉強をしたりなど、もしその仕事がなくなっても現状を維持できるような準備はしておいたほうがいいかもしれません。
このように副業や勉強を勧めると一定数出てくるのが
もし失敗したらそこでかけた時間が無駄になるのではないか?
もし起業でもしようものなら、そのリスクはかなり大きいのではないか?
という意見ですが、気をつけなければいけないのは「リスク分散」と「リスク回避」は違うということです。
リスク分散とは、どれかが潰れても他のものが残っているから、全体としてはあまり損失がないような状況を保っておくこと。つまり、ある意味失敗する前提なのです。
それに対してリスク回避は、もちろんある程度は必要なものの、過剰にしてはチャンスまでも失いかねません。
この考え方はもちろん投資家のポートフォリオにも反映されていて、賢い投資家は、安定した投資、少し攻めた投資、ハイリスクハイリターンな投資にバランス良く分けているものです。
もしあなたがなにかにチャレンジできないのであれば、それはこのバランスがうまく保てていないのかもしれません。
しっかり安定した基盤はもちつつ、余力で挑戦し続けるのが投資も人生も成功のコツなのです。
参考書籍
ps
私は安定した職業につきながら、業務にも役立つ「プログラミング」を勉強し、実際に仕事に役立てつつ、最終的にはエンジニアとして転職することになりました。
いきなり転職することも可能だったかもしれませんが、安定した基盤があったおかげで心に余裕があったことは確かだと思います。
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