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異例から本質を炙り出す

完全に文系なわたしが、話が長いが非常に魅力的な物理の先生がお薦めしていた図書を読んでみました。

ペンギンが教えてくれた物理の話
著者 渡辺佑基

物理という教科に触れてみたくて、難しそうな話を覚悟していましたが、すごい面白くあっという間に読んでしまいました。物理の話というよりは、登場してくる動物がなぜその姿形をしているのかを物理を通して解明していく。物理というのがこんなところからも感じられる。そんな一冊でした。

もう一つのキーワードが「計測」です。物理を通して解明していくと書きましたが、そんな簡単なものではなくて、ものすごい苦労に苦労を重ねて動物たちの生態を測ったんですね。そしたら、それぞれのものすごい根源的な問いの答えにも辿り着くというものでした。

根源的な問いというのは、例えば魚類から進化して肺呼吸を獲得した動物がなぜまた海に潜るのかとか、なぜ大きな魚が存在するのかとか、鳥はなぜ飛ぶのかとか。

それらの完全なる答えではないのかもしれませんが、それぞれの動物たちの姿形の理由が、その生態を測ったことで見えてくるんですね。そこに物理があるという。

おすすめです。動物とか、その進化とかに興味がある人にはおすすめの一冊ですね。ちなみに過去に校内の読書感想文にもなったこの本を図書館より借りました。にもかかわらぶ、なんとわたくし、借りた人第一号でした…

後書きにあった言葉が印象的でした。

生物学には2通りのアプローチがあります。
一つは、典型を掘り下げる。
もう一つは、異例から炙り出す。
どちらも正しいアプローチであり、優劣はつけられない。でも、わたし個人としては、後者のアプローチに強く惹かれる。…と。
そして、その理由はその技法に人類の知恵を感じることと単純にエキサイティングだからということ。

研究が達成されたわけではないようですが、これらの研究によって、より本質に迫る理解へと繋がっていること、そしてそれらは異例を異例で終わらせず、受け入れるところから始まっているんだなと感じました。

異例を受け入れるにはやはり、好奇心が必要だと思います。なぜそうなったのか?たまたまとか偶然で片付けるのは簡単ですが、その理由に迫ってこその本質を導き出す活路になるんだなと文系的な解釈になってしまいましたがそう感じました。

おすすめです。
ぜひ読んでみてください。

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