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スタートアップの海外展示会出展 -準備編-

アダコテックがドイツの国際的展示会「VISION」に出展することになりました!今回は「準備編」として展示会に出展するまでの経緯や具体的な準備内容について共有したいと思います。海外への展示会出展を考えているけど、どこから手を付けていいのかよくわからない!そもそも今って海外の展示会行けるの?という方々の参考になれば幸いです。

VISIONの概要

そもそもVISIONって何?という方々が大半だと思います。かくいう私も調べる中で初めて知りました。VISIONはドイツのシュトゥットガルトという都市で開催される国際的展示会です。画像解析分野では著名な展示会で、アダコテックの光王子こと井上さんが「VISION行くんですか?」と私に聞いた時の目の奥に光る輝きは今でも忘れられません。

シュトゥットガルトという都市、サッカー好きの方なら一度はお聞きになったことがある名前だと思います。東京オリンピックでも活躍されていた遠藤航選手が活躍しているチームの本拠地です。その他にも、メルセデスベンツやポルシェの本社があり、古くからドイツ内では屈指の産業都市として有名な街です。

JETROのホームページに展示会のデータがわかりやすくまとめられているので、展示会について調べる際にはとても役立つと思います。


今年VISIONへの出展を決めた背景

今の時期に海外の展示会に出ることは賛否両論あると思いますが、アダコテックの事業フェーズやVIISONの開催時期を鑑みて行くことを決めました。もちろん安全面への対策は万全の状態で準備をしています。

一般的にSaaS企業を含めたテクノロジーカンパニーは海外ビジネスとの相性が良いと言われています。確かに、物理的な製品を届ける場合には輸送に関わる手続きや費用も掛かりますし、建築や工事関係のサービスを提供する場合には優秀な職人や資材をまるっと海外に送りこまないと仕事が成り立ちません。

その点、インターネットを介してサービスが提供できる場合はそういったコストをかけなくて済みます。出来上がったプロダクトを多言語化して全世界に提供すればOK!やった!楽勝! …なんてことは残念ながらありません。全世界の人が共通の課題を抱えていて、同じ文脈でサービスを利用することが出来る場面というのは非常に稀です。

ことアダコテックの事業に関して言うと、おそらく、日本とは違う商習慣で仕事が進み、労働環境や従業員の仕事に対する考え方も異なるなかでモノづくりが行われ、出来上がった品質に対する顧客の基準も違う、はずです。そして今回VISIONへの出展を決めた背景の一つはこの「おそらく」を確かめるためです。インターネットで調べられる情報もたくさんありますが、二次情報から得られるものには限界があります。お客様から得られる一次情報を集め、海外事業の解像度を高める必要があります。

VISIONは2年に1回開催される展示会で、今回の参加を見送ると次回の参加は2023年になります。変化の激しいスタートアップにおいて2年間という期間は非常に大きなものになります。海外事業が実を結ぶまでには国内事業以上に時間がかかる可能性も十分にあるため、今回のタイミングで出展をすることに決めました。

展示会準備

前置きが長くなってしまいましたが、具体的な準備の内容になります。出入国の規制確認、出展枠・航空券・宿の確保、展示企画の3パートに分けて記載します。

出入国の規制確認

参加枠の確保やフライトの確認よりも、第一に渡航先と日本の出入国の規制状況を確認することをオススメします。日本から目的国へ渡航した後に何日間の隔離期間があるのか、そもそも日本からの入国を受け入れているのかを確認し、日本への帰国後もいつまで隔離期間があるのかを計算します。自主隔離期間中はリアルでの面談が難しくなるので予め調整しましょう。

また、国によって入国の際に必要な書類が異なります。PCRの陰性証明が必要なのか、ワクチンパスポート(2回接種した後に自治体への申請で入手できます)が必要なのかは抑えておきましょう。今回の展示会で言えば、ドイツの入国時にはPCRの陰性証明またはワクチンパスポートの提示で隔離期間が免除されることがわかりました。

一方、日本への入国の際にはPCR検査の陰性証明が必須で、しかもその検査は渡航先の国で出国前72時間以内に実施する必要があります。ドイツ側で陰性証明を取得出来なければ日本に上陸することすら出来ないと厚生労働省のサイトに記載されています。そして一番気をつけて頂きたいのが、日本はPCR検査の検体に制限があることです。ドイツで一般的な喉のぬぐい液は日本では有効と認められておらず、咽頭ぬぐい液を用いた検査を行う市内のテストセンターまでわざわざ行く必要がありました。上記の内容は頻繁に更新されるので都度確認することをオススメします。

出展枠・航空券・宿の確保

出入国の確認が済んだら出展を計画している参加枠の確保をします。展示会によって予約方法は異なると思いますが、VISIONは出展したい区画ごとに担当者のメールアドレスが記載されていて、直接連絡を取る方法でした。展示会によっては一般の区画とは別にスタートアップ専用の区画がある場合もあるので確認してみると良いかもしれません。スペースは限られますが、条件を満たせばコストを抑えて出展できる可能性があります。

参加枠確保の際には、どの時点で予約完了とみなされるか、という点は事前に確認することをオススメします。予約が完了するタイミングが、出展ブースの物理的な場所が確定したタイミングなのか、請求書が発行されて支払いを完了したタイミングなのかは確認した方が良いでしょう。支払い完了するまで実は予約が完了しておらず、先に航空機と宿を抑えてしまった、みたいなケースを避けるためにも事前に確認することをオススメします。

航空券と宿の予約については一般的な出張とほぼ同じ流れですが、経由国がある場合には出入国の規制確認が必要になります。実は今回もシンガポール経由でドイツへ行く可能性がありましたが、シンガポールは日本からの入国を認めていないことがわかり、計画を変更しました。

展示企画

展示内容の中身については各社内容が違うと思うので省略します。準備にあたって事前に確認することをオススメするのは、ブース費用の中に何が含まれているか、ということです。今回アダコテックが参加する区画はスタートアップ専用のパッケージプランだったのでテーブルや電源、企業名のパネルなどはセットになっていましたが、ブース費用は場所代だけ、というケースもあります。

また、細かい話をすると、用意されている家具の数量や展示用壁面のサイズ、電源の本数なども確認する必要があります。下の画像はパッケージの内容として記載されていたものですが、具体的な計画を立てようとすると不明点がけっこうあります。最低限の出展費用と渡航費用で最低どれくらい必要で、貸出備品や装飾にどれだけかけられるのか、展示スペース的にどれくらいのキャパシティがあるのかを事前に確認しておくと、展示企画の議論も効率的に進めやすいと思います。

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海外展示会の「準備編」は以上になります!次回は海外展示会の「本編」として実際に出展した際の内容をレポートする予定です!
アダコテックでは今回ご紹介したように、日本発の技術で世界に勝負をしようと日々挑戦しています。チャレンジングな環境で一緒に働きたいという方、アダコテックに興味を持って頂いた方はまずはカジュアル面談にお越しください!


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