アムステルダム断然おすすめ博物館
旅をすると、そのまちの博物館を訪れるのが好きだと書いたことがあります。
アムステルダム周辺だけでも美術館・博物館めちゃくちゃいっぱいありますよね・・・。どこから攻めたらいいか分かんない。そんな人に是非立ち寄っていただきたいイチオシスポットがあったので、参考になれば&個人的な指折り博物館の備忘用に記録しておきたいと思います。
アムステルダム運河の家博物館
運河がまちをぐるっと取り囲むように作られたアムステルダムは、街の秩序が当事者同士の話し合いで決められ、信教の自由が確保されるなど、寛容だったため16世紀の混沌としたアントワープやブリュッセルなどから大量の移民が押し寄せます。
そのため、波止場は住む場所もなく働く場所もない状態になり、市議会が提案したのは城壁を取り壊した広いリング状の都市計画であり、これがアムステルダムの運河地域が世界遺産に登録された所以でもあります。
水路と風車で制御する運河と共存するよう美登里豊かな運河沿いと美しい庭を作ることが義務付けられたカナルハウス(運河の家)
かつては汚水も各家庭からそのまま垂れ流し状態で、それはそれはひどい衛生状態だった運河も時を経て再開発と浄化を繰り返し泳げるレベルにまで改善されたそうです(かといって泳ぎたいレベルとは程遠い)
そんな歴史や運河の家の作り方、そこに暮らす人々やまちの様子をほんとーーーに面白い展示方法で見せて(魅せて)くれるのがこの博物館なのです。(熱弁)
美術館と博物館のハイブリッド感
博物館って大抵その当時使っていた衣服や化石、暮らしを再現した蝋人形が展示されていることが多いですが、この博物館にはそれが一切ありません。
例えば、カナルハウスの建て方の展示はクレイアニメでめちゃくちゃポップに説明されます。
一つひとつの展示の芸術性がとても高く、きっとその世界では個展をしたり名が知られた人が作ってるんだろうな〜と思うほどのクオリティです。
今まで見たことのないインスタレーションの仕掛け
この模型、ただのカナルハウスの模型じゃありません。
近づいて中を覗くと・・・
なんとホログラムで当時の人の暮らしが映写されてるんです。
他には「運河の都市計画が会議されている様子」を再現するために、見学者が座れる椅子と机だけが置かれている部屋なんかもありました。
(机の上では当時使われた図面がプロジェクションマッピングでストーリーに沿って展開していきます)
仕組み化されたオペレーション
展示のクオリティの高さもさることながら、私はそのオペレーションがとても気に入りました。
まず、入場すると7ー8人が集められ、いくつかある展示部屋をオーディオガイドを聞きながら進んでいきます。
これが日本語にも対応しているオーディオガイドなので、参加者の国が違ってもなんの問題もなくみんな一緒にその展示を楽しむことができます。
しかも、各自が自由に部屋で展示を鑑賞する時間も確保されているものの、次の部屋へ進むタイミングはグループ全員で一斉にという感じなので、運営としては15分刻みでお客を回転させられるという運営上のメリットもあるんじゃないでしょうか。
巨大なスペースが必要なイメージの博物館ですが、これだけコンパクトに無駄な人件費をかけずにシステム化されていて、素晴らしいなと感心しきりでした。
展示を見に行くのではなく、語り部と歩いている気分
トータルの所要時間も45分〜1時間と博物館や美術館にしてはライトなので、ふらっと隙間時間に訪れるのも良さそうです。
何より、オーディオガイドにありがちな”一つ一つの作品の前で端末をかざす必要がある”&”その内容同士に繋がりはない”タイプのオーディオではなく、隣にガイドさんがいて、その人と歩いているかのような情報のインプットが感じられて、とても居心地よく鑑賞を続けることができました。
ちなみに価格は€16.25/大人(2023年7月時点)でした。日本円にして約2500円。正直ケチの部類に入る私でも、学んだことでその後の街歩きの視野が広がったことと単純にとても楽しい時間を過ごせたことで、その金額の価値は十分あったと思えるお値段でした。
2018年には€15だったみたいなので、興味がある方は今後さらにインフレが進む前に行かれた方が良いかもしれません!
では〜
すちゃ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?