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環境先進国オランダにて思うこと(後編)

前回のつづき

オランダでの感想は、夫婦でかなり意見が違いました。

夫のオランダの第一印象はこちら

「なんか・・・まちが汚いな・・・」


ええーーー環境先進国なのにー!!!
どゆことーーーー!?

と思いましたが、それもそのはず。
オランダ(に限らず欧州全般に言える)は地震もないから建築の自由度も比較的担保されており、街並みに統一感がありつつも、それぞれの建築物の個性が際立っており実に美しいのです。が、目線を下げるとゴミやタバコの吸い殻散乱していることがよくあります。

石畳の隙間にタバコの吸い殻とか入り込んじゃってるしね

自転車大国だからって、自転車駐輪に長けているわけではなかったり。
(もちろんちゃんと駐輪場を整備しているところもあります)

自由がすぎる・・・
そしてどこでも必ず落書きされている

いや、どれもこれも日本でも見かける光景ですが、その量が全然違うのです。

一応資源ごみ・・・なのか?

よく日本に来る観光客が
「日本はキレイ」っていう
じゃないですか。
それってこういうことなんだと思います。

道を歩いていても、電車に乗っていても、ゴミが落ちてないし壁に落書きもない。(まれにあるとものすごく際立って目立つ)


これって実はスゴいこと

誰にも何も言われていないのに、衛生観念が高く、ゴミが落ちてないのは何故なんでしょう。

国民性だって声をよく聞きますが、その国民性はどこで育まれたんでしょうか。

その答えは日本の初等教育にある気がしてなりません。

ほら、日本の小学校ってみんなで掃除とか給食の配膳したりするじゃないですか。

あの時間って何気に結構大切だと思っていて、「男」とか「女」とか性別の役割を意識し出す前に、誰もが食事や教室のメンテナンスになんらかの役割を持ったり、責任を持つことを期待されるって、社会秩序を保つ上でとても重要な意味がありそうです。

いや、まぁ実務的には掃除の時間で実際に掃除”スキル”が上手になるとは思いませんし、掃除は機械がやったほうが綺麗になることもある。

街中でよく見かける清掃車。これがないときっと地獄絵図


実際、海外の小学校は教科ごとに教室を移動したり、ランチもカフェテリアでとったりと、「自分の教室」という存在が日本に比べて希薄と聞きます。

でも、物心ついた子どもにとって小学校は家庭以外の最初の「居場所」であり「パブリックスペース」です。

そのような公共の場所を「綺麗に保っておくべき。誰かが汚すと誰かが綺麗にしなきゃならない」ということを、学校での掃除体験を以て学習しているのではないでしょうか。


日本の学校教育も捨てたもんじゃない

日本の小学校というと、こんなネガティブポイントがすぐに浮かびますが、

- 宿題も多いしとにかく小学校でいろいろやらせすぎ
- それに対して先生が少なすぎて疲弊してる
-「答え」がある訓練は得意だけど「考える力」が伸びない
- カリキュラムが一様すぎて個性(個人の強み)が伸ばせない
- 小学校が合わない時、代替案がなさすぎて親子ともに詰む

一方で、海外暮らししている日本人や、日本で暮らしている海外の人と話すと、驚くぐらい小学校への評価は高いのです。

  •  公立(基本タダ)なのにどの小学校に行っても一定の質が担保されてる

  • 国民の識字率の高さは日本の小学校教育の賜物

  • 学校にいろんなイベントがあって楽しい(運動会とか入学式とか)

  • 給食が素晴らしい

オランダまで来て、まさか日本の小学校に思いを馳せるとは想定外でしたが、

共同体としての動きに長けているオランダの先進性、
個人の意識の高さの総和がもたらす日本の美観

アプローチの仕方が180度異なっていてほんと面白い。





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