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「缶切りへの手紙」

「缶切りへの手紙」

缶詰の発明と缶切りの発明は
50年近く空いているという

約50年のあいだ
缶詰は缶切りなしに開けていた
一生懸命

缶切りが発明されたってことは
「これ不便じゃない?」ってだれかが思ったということ

でも約50年ものあいだ
「そういうもの」だと見過ごされてもきた

缶切りは教えてくれる

いまの世の中にも
缶切りのない缶詰が
どこかにあるかもしれない

「そういうもの」だと見過ごされている不便が
この世の中にはあるのかもしれない

缶切りは教えてくれる

「手紙を読む」とは?

作家・菊池良によるシン・人類な朗読番組。
身近な「もの」たちにカジュアルな手紙をおくることで、新たな発見を楽しむ実験的なプログラム。
非生物な「もの」に愛着を持つことで、ニュースタンダードな共生の世界を描きだす。
人間同士が激しくチャットが交わす現代社会で、「手紙」の新たな可能性を探究する。

菊池良プロフィール

執筆、漫画原作、作詞などの分野で活躍中。2013年に公開したサイト「世界一即戦力な男」が話題になりドラマ化、書籍化。2017年、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(宝島社)が17万部を超えるベストセラーに。LIG、ヤフーを経て独立。ほかに『ニャタレー夫人の恋人』(幻冬舎)『タイム・スリップ芥川賞』(ダイヤモンド社)『めぞん文豪』(少年画報社)など。

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