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「ネジへの手紙」

「ネジへの手紙」

あぁ、ねじよ!
一本のねじよ!

はたしてきみを
どっちに回すのか
さっぱりわからない

右か左か
ほとんど賭けだ

勝ち負けもないのに
なぜかどきどきする

もっと困るのは
これは閉まっているのか?
開いているのか?

なぜかわからないとき

いったん逆回しにしてみたりして
わたしたちは深刻に考え込む

あぁ、ねじよ!
だけどきみは決然とそびえたつ
輝くままに沈黙して
ねじよ……

どっちに回せばいいの?

「手紙を読む」とは?

作家・菊池良によるシン・人類な朗読番組。
身近な「もの」たちにカジュアルな手紙をおくることで、新たな発見を楽しむ実験的なプログラム。
非生物な「もの」に愛着を持つことで、ニュースタンダードな共生の世界を描きだす。
人間同士が激しくチャットが交わす現代社会で、「手紙」の新たな可能性を探究する。

菊池良プロフィール

執筆、漫画原作、作詞などの分野で活躍中。2013年に公開したサイト「世界一即戦力な男」が話題になりドラマ化、書籍化。2017年、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(宝島社)が17万部を超えるベストセラーに。LIG、ヤフーを経て独立。ほかに『ニャタレー夫人の恋人』(幻冬舎)『タイム・スリップ芥川賞』(ダイヤモンド社)『めぞん文豪』(少年画報社)など。

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