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【子育ての本質】x+y=0 x+y=∞

最近は兄弟ふたりだけでも遊んでいられるようになった。

ただ、それでもどちらかが親の元へくるともうひとりも寄ってくる。

完全に手がかからないということはない。


昨年、幼稚園のお友だち3人(子どもだけ)が我が家にお泊りにきた日の話。


子どもは全部で5人。子どもの数は増えているのに、不思議と労力はほぼゼロに。

2+3=0


子どもたちからちょこちょこ遊びに誘われはするけれど、

あえて放っておいてもそれぞれが好きに遊んでいた。


遊びを自分たちで生み出していく。


「にいに!」

お兄ちゃんたちに交じって、次男も一緒になって遊ぶ。

にいにがいっぱいいて楽しいようだ。

次男まで私や妻にほとんど寄り付かなかった。


この子どもたちが作る空間は特別。

集団の力、楽しむエネルギーが無限大に溢れている。

子どもたちは自然と新しいことにも挑戦している。

2+3=∞


労力:x+y=0 
エネルギー:x+y=∞


一方、我が家だけで完結しようとすると、意図的にエネルギーを高めるためには労力を要す。場合によってはその労力がお互いのストレスになる場合も。方程式はまったく別物になる。


教育の場では、子どもたちにはこうなっていてほしいという答え(ゴール)を設定している。多くの場合プロセスも決められている。

私は仕事で川遊びや雪遊び、合宿等の引率もたくさん経験してきた。どれもこれでもかというほど緻密に準備をしてきた。

子どもたち全員から最大限の成長や感動体験を引き出すため、プログラムを考え抜いて準備する。もちろん自由遊びの時間も設定するのだけどあくまで命を預かり、教育の場であるため、安全やサービスの品質を徹底『管理』する。

全力で子どもたちと遊ぶ役割、進行や安全管理をする役割、どんな立場であってもそれこそ命をかけて引率しているので、解散した瞬間に大きな達成感とともに灰になるくらいの疲労感も残る。

ここまでやるのだから得られるものは大きい!だけど、これを毎日、家庭でやることは私にはできない。子どもだってそう。こういうのはたまにだからいい。

授業だってそう。仕事と同じように1秒も無駄にすることなく教育しようとしたら、私にとっても子どもにとっても家が休まる場所ではなくなってしまう。

それに、学校や部活や塾や習い事等々、様々な教育の場があるけれど、それぞれにはそれぞれのゴール設定がある。指導者たちの想定以上の成果を得ることはあるけれど、だいたいが想定通りに設定したゴールへ進んでいく。

それは喜ばしいことではあるのだけど、その想定は子どもたちの成長の上限や枠となっていないか、ある可能性を伸ばすことで他の可能性を奪っていることも。教育とは本当におそれ多い仕事だと思う。

だから、家庭くらいは、具体的なゴール設定や枠がなくても、そんなに頑張らなくてもいいんじゃないかと思っている。「きっちり」「ちゃんと」がないことですくわれるものもある。


この2年間を通して思うことは、

子育ての本質は、『管理』ではなく、『見守る』ということ。


育休当初、せっかくだから「いいお父さん」像の理想を追求しようと思ったことがあった。

私が思いつく要素をすべて書き出した上で、追加や修正があるか妻に理想像を聴いてみた。


妻に言われたのは、


「そんなのしんどくない?」

「私も理想のお母さん像を求められても嫌だし」


ほんとそうだなと。

(これがお父さんの比較や通知表に使われたら嫌だなと封印した。)


子育てに理想はいらない。

理想に「よ」をつけて「よりそう」ことが大切で、

「よ」って「余」なんだと思う。


余白の余。

余裕の余。


ここに無限大の可能性としあわせが秘められている。

ここの管理は手放して、息子に任せようと思う。

私は見守り、寄り添うだけ。


どんな道を通ったって、道なき道を進んだって、犯罪にさえ手を染めなければそれでいいじゃないか。寄り道したって、遠回りしたって、生きてさえいれば本人なりのしあわせにいつかはたどり着く。そう信じている。

親として、教育者として、その子の歩みを見守り、応援していきたい。


ああ、そうだった。

「kosohonを信じてる。kosohonに任せる。」

私は両親からそうやって育てられてきた。


いつも自分で決めてきた人生に後悔はない。

自分で決められると知っているので、明るい未来が見えている。

これってしあわせなんじゃないかと思う。


育休2年間を通して、子育ての本質を考えたら、

結局、私が両親からやってもらったことに行きついた。


どうか我が子もしあわせな人生を歩めますように。

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