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花粉症と選民意識の話

5月21日 晴れ

本日のBGM 中原めいこ

以前 芥子菜(からしな)をくれた近所のおじさんが、このグリーンピースもくれてたみたいで、そういえば祖母が豆むきをしておったなと思い出しましたが、その時に豆ご飯の炊き方というのを教えてくれて、炊飯器で豆ご飯を炊く時に、水ではなくてお湯を入れてご飯を炊くと、豆が黄ばまず緑色で美味しそうに出来上がる、ということで出来たのがこちらの↓豆ご飯です。

豆が黄ばむというのに 最初ピンときてませんでしたが、よくよく思い返してみれば 確かに いつもの豆ご飯の豆はこの↑色よりもずっと黄ばんでて、なんかこう色素が抜けたために 味の方も抜けてそうな印象があって ちょっと食欲をそそられない感じでした。

こちらは食べてみたらお湯で炊いたせいなのか 採れたて産地直送のためなのかは わかりませんが、味が良く、おいしかったです。やっぱり緑色の発色がいいと爽やかで見た目にいいですね。


ところで花粉の時期ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?え、花粉は終わった?いやそんなはずは、だって私は目が痒くて、掻いてはいけないと思いつつ、その抑圧がさらなる快感への呼び水になって、高まった快楽への期待値が理性の砦を飛び越えた時 指先でグニグニと目頭を掻いていますし、くしゃみだってポンポコかましてますよ。

てことで今の時期の花粉症は何花粉の仕業なのか判別するために、鼻アレルギー診断ガイドライン2016から引用した図が載っていた、アレジオンのサイトから引用した画像がこちらです。

これを見ると5月はハンノキというのとスギとヒノキとイネがあるみたいですね。スギ花粉はもう終わってるだろうと思っての導入部分の小芝居だったのに、スギ花粉は5月もバッチリあるのか。ていうかスギ長くねえ?夏以外ほぼですがな。これはスギ花粉の方辛いですね。

私は多分スギ花粉ではないと思います。というのも庚申窯の裏手にはスギが植林された山があるので もしスギ花粉だったらもっとどえらいことになっているだろうし、2~3月のスギ花粉レッドゾーンでは全然平気ですので。

こちらが↑庚申窯の裏手の杉山です。この杉山は祖父から聞いた話だと昔はもっと山が小さかったそうで、山全体に植えられたスギが全部大きくなって山がデカくなったように見えるそうです。てことは自然に見えるこの景色も人の手が加えられたものなんですね。

スギでないとなると残る候補は3つですが、上↑の写真の右手が、お隣の作っている田んぼなので、イネだとしたら やっぱりもっと酷い気がします。私の花粉症は今のところまだ軽く、時折猛烈に目が痒くなったり、ふとした時にくしゃみが連続で出たりするだけなのと、大体5月以降は落ち着いているからです。

ではハンノキかヒノキか、ハンノキがどんなやつなのか わからなかったので画像検索してみたら この木も確かあるなーという感じで、ヒノキもあるので まあどちらかなんでしょうね。

私は3〜4年前に花粉症として覚醒したので、花粉症に対する知識が乏しく、有効な対策も取れていないのですが、後天的に花粉症に目覚めた人たちというのは少なからずそういうところがあって、というのも花粉症であることを認めたがらないから薬を飲んだりしないんですね。

もと非花粉症の私から正直に告白しますと、非花粉症の民は花粉症の人たちをバカにしております。間違いございません。赤目ぎんぎん鼻水ずびずびの花粉症患者を見て、「辛そう。。」などと同情を禁じ得ないといったトーンで語られる言葉とは裏腹に、心の中では「あー私 花粉症じゃなくて良かった。つらそー☆」という優越感でいっぱいです。

花粉症の人の前では おくびにも出しませんが、非花粉症同士で集まると必ず花粉症患者を見下すジョークを飛ばして笑いあい、「我々は生き物として優れている」といった選民意識を持つに至ります。

そのようにして優越感に浸っていた人間が、ある日突然 生き物として下等な花粉症持ちになるのだから、発症1年目は まあー花粉症だとは認めません。「いや、私もともと鼻炎持ちだから」「いや、最近粘膜が敏感になってるだけだから」「いや、古びたツボを見つけた時に備えて くしゃみの練習をしているだけでごじゃるから」 と 断固として花粉症を認めません。

自分の優位であったアイデンティティーの1つが突然崩壊したのだから無理からぬ話です。私はこれを「花粉症イヤイヤ期」と呼んでいるのですが、特に長いこと非花粉症で過ごした人ほどイヤイヤ期が長引く傾向があります。

そんな私はイヤイヤ期を脱して、花粉症だと積極的に認めることでイヤイヤ期との差別化を図る一方、「これは自然な体のメカニズムなんだからさ、薬で押さえ込むなんてのは不自然なことだよ」という「薬に頼らなくて平気な俺アピール期」にいます。

成人後の自意識というのは このような時期を経てからでないと、素直に花粉症を認めて 薬を飲んで楽になる ということもできない、かくもめんどくさいものなのです。

これと似たようなパターンで 「老眼なりたて〜メガネを買うの?買わないの?〜」や「もみじマーク〜そろそろ車に貼るの?貼らないの?〜」や「白髪が増えた〜抜くの?染めるの?〜」などがあります。

いずれのイベントでも、一悶着を起こす輩というのは、それらの要素に対して 主に若さという武器で 優位を感じることによって今日まで生きてきましたので、あまり無下に扱わず、暖かい対応をしてあげて欲しいと思います。私の次なるステージは体臭ですね。素直に認められるかな〜?


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

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