見出し画像

春霞と釉薬の玉の話

5月1日 快晴

本日のBGM The Who

本日も快晴です。良い天気が続きますね福智町。
ただ遠くは白くかすんで見えます。
はるがすみってやつでしょうか。

画像1

まあ鮮明に見えることがいいことばかりでは
ないですからね、部屋のホコリとか顔のシワとかね、
かすみがかってるとぼんやり夢幻な雰囲気で
いいのではないでしょうか。

このかすみの正体は黄砂とかPM2.5と言われるやつだと
思いますが、PM2.5だなんて色気のない言い方より
はるがすみの方が情緒があっていい気がしますね。

画像2

ポポーの木に花が咲いておりまして、
この時期に咲くとは知らなかったのですが、
こんな花だとも知らなくて、
なんだかシックな佇まい。
どの花も下向きに咲いてるってのも
シックポイント加点ですね。

そしてウィキペディア情報によると
肉の腐った臭いを放ってコバエなどを
呼び込むのだそうです。

それは是非とも嗅がなくてはと思い
匂ってみたところ、
もう旬を過ぎたのか
私の嗅上皮が正常に機能してないのか
特にこれといった匂いはしませんでした。

ただやたらハエはいたのでやはり私の
嗅覚の問題なのかしらん。

画像3

昨日灯油窯で焼いた器の取り出しを。
還元焼成ですね。
カンゲン焼成は酸素をあまり入れてあげない
首絞めプレイみたいな焼き方です。

取り出す時にまだ熱かったので
そんな時は手袋をして作業します。
根性じゃい!
って素手でやると次の日ぐらいから
指先が敏感になって、
こんなに指先って何かに触れるんだね、あふふ、
と普段気づかない体の役割を
認識することになります。
1週間くらい。

今回は上↑のボウルと同時に
また違う形の丼も一緒に焼きました。

画像4


これはくろつる屋とはまた別の場所に
いくものですが、量産する予定なので
なるべく作りやすい形と釉薬の掛け方で
こんな感じになりました。

特に釉薬のかけ方については上のボウルの
4分の1くらいの時間で済みますからね。
というかボウルの釉薬の掛け方がめんどくさくて
時間かかりすぎるのです。
そのくせ見た感じ普通だし。

なのでボウルの方も改善中で、くすりかけが
しやすく、ちょっと見た目にもハッタリがきいた
形に作り直しています。
ああいう形の器への釉薬のかけ方の
めんどくささについてはまたの機会に。

この丼ですが、釉薬を途中までしか
かけていないのでそこから先が下に
向かって垂れています。

画像5

焼いてる間、釉薬は粘り気のある液体になるので
それが途中で溜まるとこのような状態になります。

粘り気と言ってもその釉薬の成分によって
かなり違ってきて、この釉薬は結構粘る方なので
このように途中で溜まっていますが、
サラサラしたやつだとそのまま器を伝って
下の棚板まで流れていきます。
鉄釉なんかがそのタイプですね。
そのうち失敗すると思うのでその際にでも。

んでそんなタイプの釉薬の時にたまにできる
釉薬だけで焼けた玉が今回できてました。

画像6

これは名前がなんかあった気がしますけど
もう今めちゃくちゃ眠いので全然思い出せませんな。
これは不透明な釉薬だけど、もし透明系のやつで
これができたらなかなか綺麗なもんですよ。

まあ釉薬っていうのは要するにガラスですので
これもガラス玉のようなものですね。
アクセサリーの材料とかにいいんではないかしら。
私はアクセサリーに対する造詣が
暗礁に乗り上げているので
どう活かせばいいか全然わからないけど。

画像7

こんな感じでポトンと落ちたやつがこの玉の
正体です。
今回のやつは綺麗にできてる方ですよ。
この丼を量産していけば
この玉も沢山できるかもしれませんね。
そうなったら使い道考えよ。

おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?