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95. 玉突き事故/ Amontonamiento(2)

僕の後ろの車は、グレーシルバーのKIAの乗用車でした。


中から出てきたのは、30歳前後の女性でした。

助手席には30代のおそらく彼氏か旦那さんが乗っていました。


彼女の最初の一言目は何だったか。


「Mil disculpas, lo siento mucho. Mi freno no funciono」


でした。


「本当にごめんなさい。私の車のブレーキがよく効かなかったんです。」


よかった。。。


安心しました。

大きな問題にはならなそうだ。


これが、もし

「あなた何してくれてんねん!急ブレーキすんなやあ!」


関西弁と弥彦弁が混ざってしまいましたが、

こんなことを言われたら、さあ大変ですよね。


交通事故の時の最初の一言目って本当に重要だと思っています。


だから、僕も車の事故に限らず、

現地の人とのトラブルでは、すぐには謝らないようにしています。


謝ってしまったら、こちらの非を認めてしまうことになるからです。


たとえこちらが100%悪かったとしても、

相手の様子を伺った方がいいでしょう。


相手がブチギレていたら仕方ないですが、

それでも、警察が来るまではあまり話さない方がいいかもしれませんね。


日本にいる時は当たり屋なんてのもあったし、

相手がとんでもなく怖い人だったりしたら、慰謝料を請求されたり、

莫大な修理費を言われたりする、なんて噂を耳にしていたので、

事故直後の振る舞いは本当に慎重にいきましょう。



さて、二台目はそんなでしたが、

こっちがさらに心配なのは、1台目です


だって、僕が追突してしまったのですから。。。


相手とは目を合わせずに、

僕は少し離れた場所から様子を伺っていました。


トヨタのラクティスという車でした。

パラグアイではよく走っていて、日本から輸入された中古車です。

色は薄いブルーでした。


ドライバーは30歳前後の男性で、

事故直後は車の後ろの凹んだ部分の写真を撮っていました。


僕が二回も追突したので、

結構凹んでいました。。。申し訳ない。。。



撮り終わったら、こちらに来るのかと思っていました。


ですが。。。


彼は写真だけ撮って、その場を立ち去ったのです。



いやあ、こんなことあるんですね。

彼のナンバープレートの写真を撮っておけばよかったのですが、

それどころではなかったですね。


厄介なことになれば、そういった情報が必要です。


でも、彼も被害者のようなものだし、

まあいいか、とやり過ごしました。


後から言われた話ですが、

もしかしたら盗難車だったかもしれません。


または、免許証が切れていたか、持っていなかったか。


はたまた、何かの犯罪者で、やばい奴だったのか。



僕は、すごく急いでいて、

事故処理もめんどいし、こんな凹みくらいいいわ!

って、彼はその場から去ったのかとすら思っていました。


まだ真相はわかりません。



そして、四台目です。


トヨタの白いITSでした。

こちらも日本からの輸入車で、

よくパラグアイで走っている車種です。


彼のバンパーはごっそりと落ちていて、

結構なダメージに見えました。


三台目もかなり凹んでいましたが。


僕の車が一番軽症に見えたくらいです。

こういう時、車高の高い車はいいですね。


四台目は30代男性でした。


僕も、後ろの女性も保険に入っていましたが、


なんと四台目は加入していませんでした。


さあ、困ったなあ。


彼は僕と女性に、


「君らの保険で、僕の車も修理してもらえるだろう?」


なんて懇願してきました。


いやあ、第三者まではカバーしないだろうと思っていましたが、


こういう時は相手を刺激してはいけません。


「保険屋に聞かないとだけど、できるかもしれないね。」


なんて感じで返事しました。


こんな感じの返し方がベストですね。


二人とは連絡先の交換をして、

もし何かあったときにやり取りすると思います。


今まで何もないですが、

今後も何もないことを祈ります。



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