【就活応援】就活の売り手市場という言葉には罠がある
はじめに
5, 6年前、日本は就活において空前絶後の売り手市場だったというのは皆さんもご存じかと思います
確かにある意味それは正しいです
しかしながら別の側面においては全く正しくなかったりもします
そこら辺のイメージを一度正しておきたいなと思ったので、こちらの記事を書きます
では5,6年前の売り手市の時の就活現場がどのような状態だったかを振りかえってみたいと思います
有効求人倍率の話
まずは売り手市場とは具体的に何かということを話すときに、有効求人倍率という指標が用いられるので、有効求人倍率についてお話します
まあ就活をしている人からすると基礎知識かもしれませんが、お付き合いください
この有効求人倍率という指標とは何かというと、ハローワークの求人数 / ハローワークで職探しをしている人数 で計算されます
たとえば、求人票が10個あって、ハローワークで職探しをしている人が5人だったら、有効求人倍率は2倍です
つまり、職探しをしている人は、1人に対して2つの仕事があることが大まかにわかります
1人に対して2つ以上仕事があるということは職探しをする人に仕事を選ぶ権利があり、職探しをする人が有利だということがわかります
つまり、売り手市場だと言われます
ただし、これらの有効倍率という概念は色々と気を付けなければいけないポイントがあります
有効求人倍率の罠
この有効求人倍率という概念は罠があって、気を付けて使わなければなりません
たとえば、この指標の元となるデータはハローワークでの数値を元に作られています
悪名高きハローワークにおいて集計されたデータを基に作られた概念であり、ハローワーク以外の職探しの活動のデータは考慮されていないという罠があります
普通、日本での職探しは新卒一括採用が一般的な儀式になっていますが、なんと新卒採用の就職活動のデータは、公的な調査がなされていないのです
新卒採用の時に、マスコミなどが空前絶後の売り手市場という謳い文句を言うことが多いですが、その根拠となる有効求人倍率は何とハローワークのデータを基にして言っているケースがかなりあるのです
ハローワークと新卒採用の求人が似たようなものであればこの混同はあまり問題になりませんが、否、ハローワークと新卒採用は全く違うものですよね
つまり実態との乖離がものすごいと指摘されています
また、有効求人倍率は求職者が仕事のえり好みをしなければという枕言葉があります
しかし、実際には仕事を探す人は仕事のえり好みをしますよね?
ごみ収集の仕事等は出来ればみんなやりたくないはずです
ブラック企業ではなくホワイト企業にみんな行きたがります
なので、求人募集の偏りが必ず発生します
ブラック企業などつぶれてしまった方が世の中のためになるのに、世の中にはブラック企業が存在し、求人を出してしまっています
たとえば、ビッグ○ーターみたいな会社ですよね
有効求人倍率にはこういったブラック企業の求人が含まれてしまっているのが、有効求人倍率の大きな問題点です
条件の良い求人に募集は集まる
なので当然ですが、条件の良い求人に人が集まります
たとえば、新卒採用では、大企業に人気が集中しますし、基本的な大学生は大企業しか受けたいと思っていません
すると、大企業に募集が集まります
今の日本の労働環境では大企業とそれ以外で待遇に雲泥の差があるので、新卒で入る意味があるのはほぼ大企業一択になります
つまり、実質的には就活は大企業への入社競争であり、その他の企業はあってないようなものです
つまり大企業以外も含む一般的な有効求人倍率は大勢を見る指標にはなりますが、新卒採用に限って言えば全くと言っていいほど意味をなさない指標になります
なぜなら、驚愕のデータがあります
なんと、大手企業のみに限って見た時の有効求人倍率は厳しく見積もった時の数値でなんと、0.37倍だというのです
すなわち3人に1人分の求人しかないことが分かります
そして、この数値は年々下降傾向、つまり年々競争が激化していると言われています
実質的に日本の就活は大企業に入る以外の選択肢は負けになるので、売り手市場というのは完全なる嘘というのが分かります
就活の売り手市場とか言ってるのは実質的に嘘
なので、学生のみなさんは就活で売り手と言われていてもその言葉を間に受けないでください
世の中を見る目の解像度を上げると、如何に売り手市場という言葉が新卒採用の就活を行っている学生には無縁の言葉かというのが分かります
実際、学生は売り手市場と言われていてもかなり就活に苦労しています
書類選考で通らなかったり、面接で落ちたり色々です
本当に売り手であればそんな苦労をさせられるわけはありません
学生の皆さんは、自分達の身をもってそれを理解しているでしょう
売り手市場と言われる背景には、ブラック求人が含まれており、仕事を選ばなければブラック企業に簡単に勤められて、簡単に使い潰してもらえるということを意味しています
普通の感覚を持つ人は当然そのような環境を拒みますから、ホワイトな労働環境を選別します
しかしそのようなホワイトな求人だけに絞ったら、なんと3人に1人分の求人しかないのです
しかもホワイト求人は年々減少傾向にあるという
ひどい話だと思いますね
しかも、今の時代、少子化だけど大卒者の数は増えており、ホワイト求人(大企業)は減っていても、大卒の数は増えているので、大企業だけに絞った有効求人倍率の数値だけでみると、数十年前の就職氷河期よりも競争が激しくなっていると言われています
つまりこのことから、Z世代・ゆとり世代はロスジェネなんかよりよっぽど悲惨な環境に置かれていることが分かります
昔は東大とか京大に入れば、大企業からのスカウトによるリクルート活動が水面下で活発に行われていたのに、今やそんなものはなくなぜか京大生でも他の大学生と同じようにマイナビとかに登録して、就活儀式を通過させられます
昔の人間がどれだけ恵まれていたかが分かります
しかも、高度経済成長期の団塊世代に至っては学生運動とかで街を破壊しまくってたやつらが普通にしれっといい会社に入っていたりしますからねぇ
今や寿司ペロで人生が終わる時代です
僕らの上世代が生きていた社会はなんとも寛容な時代ですねぇ
まとめ
まとめるとこうです
・有効求人倍率という言葉はブラック企業の求人も含む、というかブラック求人ばっかりである
・ホワイト求人(大手企業)だけ抽出した有効求人倍率は0.37倍
・ホワイト求人(大手企業)の求人数は年々減少傾向、つまり競争が激化している
・慢性的に学生は実質的に買い手市場
就活儀式を見ていて思うこと
就活儀式を見ていて思うこととしては、こういうのってほんとうにクソみたいな椅子取り合戦すぎて早く滅びろと思います
しかし、このようなポジションゲームの仕組みは世の中まだまだ変わらないので、僕が学生の皆さんにアドバイスできることとしては、まずは競争で勝つ能力を身に着けようねということです
とりあえず競争に勝つことで自分は幸せにできます
これは間違いない事実です
しかしこれは勝ち負けの世界なので、負けがあるのも事実
こういった競争社会では、負けないことにおびえなければならない窮屈な社会になってしんどいですよね
しかも、もはや破綻しているという
なので、全体最適を考えられる超人の登場が待ち遠しいですね
自分はそこまでのチカラがなかったので、一つ学生にアドバイス出来ることとして、はとりあえず競争があるなら勝っておきましょう
こういう就活などのライフイベントは勝つことがつまるところ最善の手です
しんどいけど、勝つしかないんです
悲しいね
おわりに
世の中の解像度を上げて、罠にはまらずに賢く生きてください
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