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マクドナルドに行ったことないやつに、何がおいしいとか何が食べたいとかってわかる?


仕事を探す時、よく聞く言葉。
「やりたい仕事がしたい」

おそらく私自身この言葉をたくさん使ってきた。
やりたい仕事がしたいがやりたいことが見つからない。
オーストラリアのワーキングホリデー中、このような日本人にものすごく出会ってきた。
自分探しのために、やりたいこと探しのために、オーストラリアに来た。
私自身も最初の目的がそれではなかったにしても、滞在中はずっとそれについて考えていた。

彼らはやりたいこと見つかったのだろうか?

私には教育関係で働いてきたという肩書きがあったから、それが武器となり、仕事も出会う人にもその道に通ずる人と出会えて恵まれてきた。
だから教育に対して改めて魅力を感じ、教育界の中で私がやりたいことは何かについて考えることができた。

しかしどうだろう。
大学生で一年留年を決め、海外へ。やりたいことを探しにやってきた彼らにある肩書きは「大学生」。
そう言う日本人、むちゃくちゃ多かった。

きっと出会う人だって関わる人だって大学生が多かったんじゃないかな。

やりたいことをやる。
それは素晴らしいことである。
でもやりたいことをやらなきゃいけないなんてことではないはずなのに。
そうした呪縛が日本社会の中にある感じがする。

私もなんとなく教育大学入ってなんとなく教員になってみて、嫌になって辞めた。

面接では、志望動機を聞かれ、なぜその企業に惹かれたのか、なぜそこで働きたいのか、バッチリ決めて言わなきゃいけない。
でも実は多くの人はなんとなく、みんながやっているから、なんとなくよさそうだったからで始めたんじゃないかな。

大谷翔平や本田圭佑みたいになれたらかっこいい。彼らのように目標や夢があって、計画して努力する。彼らまでいかなくても夢があって目標があって、それを追いかけている人はかっこいい。売れないお笑い芸人もわたしにとってはかっこいい。

でもそうじゃなくたってキラキラしている人はたくさんいる。
30年近く勤めて中小企業で係長。
多くない給与だけど家族に何不自由のない暮らしを与えてきた。
一週間のうち4日間出張で家にいない。
若い頃は仕事が長引いて11時過ぎて家に帰ることも毎日だった。
にもかかわらず公務員として6、7年働いてもらえる私の給与よりも安い給与。らしい、、
私の父である。彼は私にとってはどんな金持ちよりもかっこいい。
何一つ文句言うこともなく、これといって目標も夢もなさそうだが、楽しそうに生きている。休みの日には、ずっとテレビ見て、だらしない腹を出して、炭酸飲料をぐびっと飲み、猫以上に睡眠時間が長い。ような気がする。

大谷翔平と結婚できるなら大谷翔平と結婚したいと母はいう。
冗談なのか本心なのかは分からないが、、それでも仲良く睦まじく父と暮らしている。
五十五を過ぎた今でも、旅行もランチも今だに2人で行くような仲だ。

条件で仕事を選んだって、お金をもらうために働くことを選んだって、あんまり顔も可愛くないけど、あんまりカッコよくないけどまあいいかでパートナー選んだって、幸せになれるんじゃないかな。
必要なのはやりたいことじゃない。覚悟だと思う。
やりたいこともやりたくないこともその先に見えてくる。

「マクドナルドに行ったことないやつに、マクドナルドで何食べたいかなんて分からないだろ?」

まずはやってみる。そこからだ。

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